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地質調査報告書

【公式記録】グウィネス修道院跡地における人骨集積遺構の調査報告書(抜粋)



 エルドラント王国の崩壊後数百年を経て、再開発計画に伴う地質調査が行われていた旧グウィネス公爵領内の修道院跡地において、大規模な人骨の集積が確認された。


 初期調査の段階では、修道院内部での組織的な虐待行為が疑われ、修道会関係者への追及も視野に入れられていたが、精密な年代測定の結果、出土した遺骨はいずれも修道院の建設年代よりも遥か以前のものであることが判明した。


 地表から約2メートルから5メートルの深さに、何層にも重なり合う状態で埋着していた個体数は数十体に及ぶと推定され、その骨格の形態からそのほとんどが十代後半の女性のものであることが判明している。

 また、回収された遺骨の大部分には、頸椎への鋭利な刃物による切創や、抵抗の際に生じたと思われる四肢の骨折など、明らかな他殺の痕跡が認められた。


 特筆すべきは、これほど大規模な遺構でありながら、棺や墓碑が一切確認されておらず、遺体は極めて高密度に集積され、埋葬というよりは物理的な投棄に近い状態で泥の中に沈められていた点である。


 また、地質学的な分析によれば、この範囲の土壌が長期間にわたり有機的液体を吸収し続けた結果、周囲の地層とは異なる組成を示していることが判明した。

 この土壌成分は、敷地境界を流れるドーツ川の河床堆積物からも検出されており、土地に注がれた成分が数十年にわたって川下へと流出し続けていた事実が、近隣流域に及ぼした影響についても追加の調査が求められている。



 現在、現場一帯は厳重に立ち入り禁止となっており、当局は過去に類を見ない規模の組織的行為が行われていたと断定し、遺骨の年代特定と事実関係の究明を急いでいる。


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