第三十二話 「神童たる双子、世界に触れる」 The Prodigal Twins Touch the World
5歳を迎えたルイとランスは、エルフ国でも選ばれし者だけが通える「大樹の学院」に特別入学を許可されていた。ハイエルフとしての素質に加え、精霊王すら興味を持つ双子の存在は、学術的にも国家戦略的にも注目の的だった。
【精霊魔法との邂逅】
6歳。ルイは“風の精霊王シルフィード”との接触に成功する。
「我が声を聞きし子よ――汝に風の指先を授けよう」
この契約を皮切りに、ルイは精霊たちの間で「契約者の王子」と呼ばれるようになり、精霊魔法の応用において学院でも異次元の才能を発揮する。
一方、ランスは“炎の精霊王イグニス”と試練を経て契約。炎を刃と化し、踊るように斬撃を放つ剣舞は「紅蓮の風切」と呼ばれ、10歳にして教官すら圧倒する剣技を見せた。
【初めてのテイム】
8歳。精霊だけでなく魔獣との邂逅も始まる。
異種交流の旅で訪れた竜骨砂漠にて、ルイは瀕死の幼き「雷獣」を助け、無意識に“超高性能テイム能力”を発動。雷獣は即座に服従を誓い、ルイの背に乗るようになる。
「……名前は“イオ”でどう?」
以降、ルイのもとには幻獣級の存在が次々と集い始め、彼の周囲は自然と“神獣の楽園”と化していった。
【壮大なる交流と予兆】
9歳。双子は精霊界からの正式な招待を受け、古の神樹にて開かれる“精霊の大祭”に参加。そこで、世界の運命を示す“風見石”が二人にだけ反応し、精霊王たちがざわめく。
「この双子は、千年に一度の“精霊の導き手”……?」
11歳。ランスは「剣精霊ノルン」との共鳴に成功し、剣と魔法を完全融合した“精霊剣術”を会得。王立騎士団がこぞって弟子入りを希望する事態となる。
そして12歳、ついに王族円卓会議で“次代の精霊王候補”としてルイの名が記録される。
それは同時に、「異世界の神童たち」が世界の運命に絡む兆しでもあった。




