表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神の余興により堕とされた異端の翼、その者、異界にて覚醒し神すら恐れる陰陽術を操る  作者: アマ研
第一章 堕天の陰陽師、現世に顕現す ―The Fallen Onmyoji Rises―
2/177

第一話「運命胎動 ― 神子、地に宿る」 Stirring of Fate: The Divine Child Descends

神は堕ちた。

星の光と共に、天より落ち、命として地に宿る。


それは偶然ではなく、定められた運命。

人の胎に灯ったその魂が、世界の理を揺るがすとも知らず――。


ここに、神と人と星の物語が静かに始まる。

 空が――裂けた。


 それは夜空を流れる流れ星の群れのひとつ。

 だが、その輝きは異様だった。

 炎を纏い、尾を引くその光は、まるで何かを選ぶように、明確な軌道で地上へと落ちていった。


 その星は、少女・澄蓮の胸元に向けて、一直線に――直撃した。


 閃光。

 だが、衝撃も爆音もなかった。


 それは剣ではなく、祈りのように。

 暴力ではなく、何かを託すように。


 流れ星の光は、彼女の胸に吸い込まれると同時に消え、

 夜の静けさが、まるで何事もなかったように戻っていた。


「澄蓮――ッ!」


 駆け寄った安倍晴明は、少女を両腕に抱き上げ、その額に手をかざす。

 即座に霊術を走らせ、彼女の内奥を探る。


 その瞬間――


「……これは……!?」


 術者として幾千の妖を祓い、陰陽の理を極めた男でさえ、言葉を失う。

 彼が触れたのは、神気でも妖気でもない。


 それは、“星の気”――天の理そのもの。


「違う……これは神でも妖でもない。これは……“宿り”……?」


 その気配は、澄蓮の身体の奥――胎に集まっていた。


 晴明の顔が蒼ざめる。

 それは、命の気配。確かに、かすかに脈打っている。


 だが、それは人ではない。

 天より落ち、地に届いた何か――神の魂の破片か、星そのものか。


「……まさか……星が、命を成して宿ったのか……?」


 思考が追いつかない。

 それでも、確かにそこには新たな“命”が芽吹いていた。


 神気と星の理を帯びた、まるでこの世のものではない何かが。


 少女の胎に宿った、天から堕ちた神子の魂。


 晴明はその存在を前に、初めて背筋を凍らせる。

 これが吉兆か、凶兆か。それすら判断できない。


 ただ一つ、確かなことがある。


 この瞬間から、運命が音を立てて動き出した。


 神と人、そして異なる世界すらも巻き込む物語の胎動――

 その中心にあるのは、星と共に堕ちた命。

 巫女の胎に宿った、未来を変えるただひとつの光。


 それはやがて、天地を揺るがす神話となる。

最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。


本作は、「天才陰陽士が、天使の生まれ変わりだったら?」――

そんな、ある夜ふと頭に浮かんだ厨二病全開の妄想から始まりました。


神話、陰陽術、異世界、神界バトル、猫又、百鬼夜行、そして式神たち……。

自分の“好き”を余すところなく詰め込みながら、物語を紡いできました。

この先も、彼の戦いをどうか見届けていただけたら嬉しいです。


そして、もしこの作品を楽しんでいただけたなら――

評価・ブックマークをいただけると、筆者の大きな励みになります!


なお、他の作品も本作のスピンオフとなっており、

百目や神祖マザースライムといったキャラクターのストーリーも展開中です。

さらに、流威が“別作品のチートスキル”でサブキャラとして無双する異色作も連載しています。

試行錯誤の真っ最中ではありますが、ぜひ応援していただけると幸いです。


それでは、また次の物語でお会いしましょう。ありがとうございました!


――筆者より

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ