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神の余興により堕とされた異端の翼、その者、異界にて覚醒し神すら恐れる陰陽術を操る  作者: アマ研
第六章 四国同盟、闇洞突破戦 — Shikoku Alliance: Dark Hollow Breakthrough
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第百二話「シャインマスカッティス、見た」 I Saw Shine Muscattice

 ……いや、ほんと無理。

 何アレ。


 ボクの名前はシャインマスカッティス。

 希少種の果実型魔獣で、攻撃魔法は苦手だけど、回復と応援が得意。

 基本は魔力水が主食で、魔石肥料を根から吸うのが至福。魔石を砕いて混ぜたやつね、あれがまた最高なんだ。たまに丸ごと齧るのもアリ。あと、空腹のときはモンスターを丸ごとバクってやるけど、これは内緒。


 今日は素材採取のお手伝いってことで呼ばれたんだけど――


「ついでに戦力にもなって」って言われたから、ボクなりに頑張ろうと思ったんだよ。


 ルイ様のために!

 役に立って、評価上げて、できれば!できれば!


 住居ランクも上げてもらって、部屋に空調つけてほしいし、肥料の配給量も増やしてもらえたら最高だし!

 福利厚生!充実!希望!!


 で、気合入れて戦場に出たら――


 矢。


 ひたすら矢。


「シュッ」って音の一つも聞こえない。

 光の筋が走ったかと思ったら、モンスターが吹っ飛んでて、次の瞬間には地面に転がってる。


 動き、見えない。

 てか矢、見えない。


 は????


 ルイ様、弓持ってるだけじゃなかったの??

 矢ってあんな速くていいの??

 戦闘ってそういうもんだっけ……???




 ――で、ぼんやり周囲を見渡して、もっと絶望した。


 尻尾が10本くらいに見える、やばいやつ。

 身体の奥からぼんやり光ってるのに、毛先は炎みたいに揺れてる。絶対ヤバい。


 あと、神祖スライムの“あの人”

 周りにスライムがぷかぷか浮いてて、コアの中で何か動いてる……え、これ味方???


 影の中からスルッと出てきた黒いのは、最初気づかなかった。

 気配が無さすぎて怖い。心臓止まるかと思った。


 あ、小さいのもいた。

 ボクの半分サイズの子で、目が大きくてつぶらでちょっと安心……した瞬間、




「め、目から虹色のビームッ!?」


 ボクの半分のサイズの一つ目小僧(※かわいい系)が、魔導砲みたいなビーム出してるのを見た瞬間、膝から崩れたよね。


 あっ、これ、ムリだわ。

 あっ、これ、死ぬやつだ。


 でも大丈夫。ボクもうテイムされてるから。

 完全にルイ様のチーム側だから。

 安心安全。死なない保証付き。


 というか、ほんとに――


 テイムされて良かったーーーー!!!


 たぶん敵だったら一瞬で塵になってた。

 塵どころか、素材認定すらされず、風に溶けて消えてたよボク。


 でも、今は違う。

 今は、ルイ様のチームにいる。

 生きてる。

 おいしい霊果実をもらえるかもしれない。

 空調付きの部屋、夢じゃない。


 だからボク、決めたよ。




 一生ついていきます、ルイ様!!


 ご主人様ぁぁあああーっ!!!

 好きぃいいぃー!!!

 主従っていうかもう、信仰! これ信仰の領域!


 光の王子!

 魔弾の貴公子!!

 ボクらの太陽!!!




 ――なお、その後、ルイ様に

「戦闘評価:マスカッティス、支援B、反応A、おたけびS」

 って言われた。


 “おたけびS”って何??


 でも褒められたから嬉しい。

 今日も元気に生きてます、ご主人様♪

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