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セレトリア冒険譚  作者: ユーシズ公国出版社の記者
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セレトリア冒険譚第三章

旅に出たセレトリアは、各地を転々としながら冒険者として暮らしていた。腕っぷしには自信があった彼女の路銀を稼ぐ手段として、冒険者という制度は都合が良かったのだ。対獣、対人ともに経験値があった彼女は、行商人の護衛をして色々な土地に行った。その先々で自分の戦闘技能を向上させる何かがあれば、貪欲に吸収していった。各地の魔法学園で聴講生になったり、古モルガナンシンの魔導術を知る者から教えを受けたりと、ここにきて初めて魔法の基礎を学ぶことができた彼女の戦闘技術は、さらなる飛躍をすることになる。ついでに、彼女の長年の狭い交友関係が少しだけ広がることになるのだった。


獣、人を問わない体構造の理解、近接による接近戦攻撃、多重召喚による数での連携、高位魔法の習得。彼女のこれまでの生活が緻密に噛み合い、召喚による連携を前提としながら、転移魔法を多用した近接攻撃を組み合わせる今のスタイルが完成したのだった。


その頃には、一端の高位冒険者として名が知れるようになっていたセレトリアは、さらなる強さを求めつつも、若干の燃え尽き症候群になっていた。過酷な山脈で生きるために必死だった幼年期、周りに教えを乞い、ファミリーの意向に従って動いていればよかった青年期とは違い、やらなければならないことがない。彼女の常軌を逸したこれまでの経歴は、自分で目標を立てるという才覚をすっかり削り取ってしまっていたのだった。


アンジェロやデモーネからこれをやってみたらどうだ?などと色々助言を受けては試してみるを繰り返したものの、なんとなくしっくりこない。


ふと頭をよぎったのは、シエルタ・ファミリーのボスの言葉だった。自分の信念を大事にする。常日頃から彼が言っていたことだった。自分の信念はなんなんだろう。それを考え続けて数年。ゆるゆると冒険者ギルドや友人の依頼を受けながら、自分だけの信念を考え続けるのだった。

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