08話 第一次試験終了
ブリンガーヘット
森の中でシークたちは準備をしていた。
拠点となる所は湖から近く木がない場所だった。
魔物に襲われる心配はなかった。
アルノアとリーシャが常に交代で見張っておりさらには魔物を魔力を乱す対魔物結界を常時張っているからだ。
何故こんな真似が出来るかって?
それは簡単な事こいつらのランクが違うからだ。
アルノアとリーシャ、そしてシークはAランク程の実力があった。
しかし何故B+で留まるのか、雑魚狩りつまり人を殺すためだ。
この試験では人の死は不幸とみなされる実際冒険者をやってる時点で命の保証はないがな。
仮にこの三人が実力相当のランクになろうもんならなれるだろう、しかしその試験などで人を簡単に殺せる保証がない。
そもそも殺そうとしなければ良い話なのだ。
そしてもう一つ疑問に思ってる事があるだろう。
この試験のチーム編成はくじ引きなのにそう運良く一緒になれるのか。
答えはこうだ。
同じになったチームに協力せず単独で行動すると嘘を言うか最悪殺すかだ。
このシークたちの正体を知っている者は同じチームにならないことを幸運に思い会うことがない様に逃げている。
現在の行動可能なチームは10チームだ。
4チームアルノアの魔法によって氷漬けにされてる。
温度によって溶けないのは魔力によって作られた氷だからだ。
その氷に完全な性質までは再現されてないがこれが吉となった訳だ。
そしてこの4チームを身動き取れないようにしてる理由はこの試験に受かる為だ。
雑魚狩りには飽きたという事だ。
「試験を受けている方達に連絡をします。只今B+以上の魔物が居なくなった為試験を終了というのはせずにこれからは結晶を相手から奪うといルールを実行します。自分の物を守りつつ相手の物を奪う簡単なことです。幸運を祈ってます」
この試験の監督は自分の作った結界を通して声を発していた。
この急な奪い合いルールだがこれは恒例のことなのだ。
一週間もあれば100体の魔物など直ぐにいなくなる場合もある、ない場合はそのままだが今回のようにルールが追加されるのが大半だ。では何故あらかじめもっと魔物を用意しないのか、それはどんな変化にも耐えるためだ。
必ずしもいう通りに物が動く事はないつまり適応しろって事だ。
「思ったより早く始まったなこれでアイツらを説明せずに殺せる」
「あの時あらかじめ奪っておいたから試験のことは心配せずに楽しく殺せるわね」
「そうですね。こんなにも沢山の結晶があれば、、、」
「どうしたのリーシャ」
「無いんです」
「何が無いの?」
「結晶が石に変わってるんです!!」
リーシャが泣きながら言う。
「はぁっー!?一体どう言うこと」
「ほらぁー!!」
巾着の中身をアルノアに見せる。
中にはそこら辺で拾った石と思われる物が入っていた。
「まったく何をしているのよ。コレだから貴方に預けルナは嫌だったのよ。シークも何か言ってあげてよ!!」
「まぁ、そう怒るなアルノア」
「何を言ってるのよ結晶が無いとこの試験は合格出来ないのよ!!」
「そんなのは奪えば良い話だ」
「そうだけど、、、」
「ところでリーシャ結晶を入れてた物は魔法で収納していたんだな?」
「はい、『魔法収納』で入れてたので私以外はこれの出し入れはできません」
「それだとまず落とした可能性は絶対に無いな」
「けれど『魔法収納』からどうやって奪ったのかしら。空間魔法を応用した技だからアマチュアな魔法使いではいじるのは難しいはずよ」
アルノアは氷魔法を得意として全ての属性魔法をある程度使えた。それに対しリーシャは空間魔法という少し特殊な属性魔法が得意だった。リーシャは転移ができるのでそれがかなり実力を補った。
「となると相手もバットホークの可能性があるかもね」
「いえ、それは無いわ。解析鑑定をしてみたけど魔法使いはせいぜいA−ぐらいだったよ。だから空間をいじられた可能性は限りなく低いわ」
「そうか、ならば今はとりあえず結晶を回収するのに専念しよう。確か一つのチームはまだ回収していなかったはずだ。アルノア居場所は分からない」
「えぇ、もちろん」
それからリバエルのいる場所へと向かい確認をした。
「いないだと!!」
アルノアの氷魔法は決して生半可な物ではなかった炎で溶かすにも長時間はかかり自身の力で壊そうなどもってのほかだ。
それから他の3箇所を確認するも誰もいなかった。
「クソがっ一体どういうことだ」
「コレばかりは分かんないわね」
悩み続ける3人は置いといてヴァニタスチームの様子は。
「やばいですよヴァニタスさん。奪い合いっておかしく無いですか!!そんなルール聞いてませんよ」
「・・・」
「2人とも何か言ってくださいよ」
「・・・」
「もう終わりです、もうダメですよ」
そうするとヴァニタスがルーアにビンタをしたのだ。
「えっ、何をするんですかヴァニタスさん」
「いや、蚊が止まってたから」(嘘)
「絶対嘘ですよね、あと結構痛かったですよ!!」
「元気になって何よりだね」
「そうだな」
グラゴスが腕を組みながら賛同する。
「というよりルーアくんそんなに騒いでるけど僕たちがやる事は一つだぞ」
「何ですか?」
「イモるんだよ」
「イモるですか?」
「そう僕たちには幸いな事に拠点が洞窟だ。だからそこにずっと居れば大丈夫だ。ポイントも多いとはいえないが結構集まったと思うし心配ないさ」
「なるほど!!」
「というわけで今から洞窟に向かおう!!」
ヴァニタスのおかげでルーアは落ち着き無事に洞窟へと到着した。
「僕はちょっと結界を張るついでに外を見張っとくよ」
「結界って何の結界ですか」
「洞窟だと悟られない様に一つの岩に見える様にするのと魔物や人間が入って来てもすぐわかる様にする結界さ」
「凄いですね結界を張るのは結構難しいんですがこんなことも出来るとは」
「じゃあ保存してる食料でなんか作っといてね!!」
これぞ適材適所。
「ふぅ、とりあえず幻術で相手の目を誤魔化して」
幻術によって洞窟は一つの大岩と化した。
「そして結界も貼らないとね」
ヴァニタスは右手で印を結び結界を張った。
この世界の結界はかなり低レベルな物で『魔力感知』を活かした者や何らかの器具に頼って張る者なので自分で結界を張るというのはかなり難しい。
しかし、ヴァニタスは結界術という者を熟知しておりただ張るだけではなくそれによって閉じ込めて滅する事もできる。かなりヴァニタスは結界術が好きなのだ。印を結ぶのが好きなのだ。
「さて、あとは見張りだな」
ヴァニタスは気配を消して見張りをしていた。
すると争ってる声が聞こえたのだ。
「炎の矢」
「氷の防壁」
という風に魔法使い同士の詠唱の声が聞こえたり。
「流水斬」
「炎斬の太刀」
という風な剣技名をひたすら言い続けて決着がつかない戦いを僕は眺めている。
30分後・・・
(いつまで戦ってんだよ魔法使いに関しては魔力切れで杖で叩きあってるしもうつまんないし帰ろ)
洞窟の中に帰るとルーア達が肉と魚を焼いていた。
「どうでしたか外は?」
「二組だけ戦闘していたけどもうそろそろ決着がつきそうな様子だったね」
「やっぱり外は危険ですね」
というわけで今日は何もせずに中で身を潜めるという風になった訳だ。
〜6日目〜
「もう我慢できねー外に行くぞ!!」
「待ってくださいグラゴスさん外に行ったら奪われてしまう可能性がありますよ!!」
グラゴスの足を引っ張るルーア、そしてそれを見るヴァニタス。
「2人ともおふざけはそれぐらいにして渡したい物があるから受け取ってくれ」
「何ですか?」
「これだ」
グルゴスにはオレンジ色の結晶を一つと緑色の結晶を二つ。そしてルーアには結晶を二つ渡した。
「仮に他の奴らが来ても僕が結晶を全て持ってる事にする。だから2人は逃げる事を優先してくれ。そして戻ってくる場所はこの洞窟だ。オッケーだな」
「逃げることなら任せてください」
「まっ、そう簡単には逃げないがな。最終手段だ」
3人は洞窟を離れ他のチームの奴らを探した。戦うのを目的とせずにあくまでも奪うのを目的とするのだ。
「あんまり人がいなさそうですね」
フラグが立ちました。
「棘氷山!!」
違った氷が一瞬で目の前まで襲いかかってくる。
ヴァニタスは冷静に手を氷の方に向けて炎を発した。
その温度は3000度程であり一瞬で溶けた。
「ここは僕が何とかするからすぐに逃げろ。相手は3人だ。追いかけてくる可能性があるから2人で一緒に逃げろ」
小さな声で呟いた。
「オッケー・分かりました」
ここで2人を瞬間移動させても良いがそれだと面白く無い。グルゴスは嬉しいがルーアは悲しい事だろう。
「今の私の魔法を溶かすとは中々のものね」
「それはありがとう」
「ところで一つお聞きしたいのだけど結晶を持っているのは貴方かしら?」
「そうだよ。僕が持っているんだ」
「本当かしら」
「あぁ、本当だとも」
木の中から足音が聞こえる。
剣を持ったシークとリーシャだ。
「リーシャあの2人を追え」
「分かりました」
「あら、私が追いかけても良かったのよ」
「いや、転移魔法を使えるリーシャの方がすぐに片付けれるだろう」
「残念だわ」
その頃ルーア達は既に洞窟の前へとやって来ていたのだ。
「何とか無事に着きましたね」
「追いかけて来てくれても良かったんだけどな」
「そんなこと言わないでください。それにしても凄いですねこの幻影魔法違和感がまるで無いです」
ルーア達にはあらかじめ入口を教えていたのでそれ以外の者が入れることはない。
「二連火炎球」
2つの炎の球が2人へと当たる。
幸いにもルーアが直ぐに「大風」を起こし火を消せた。
この判断力の速さが死なずに死んだ理由だと言えるだろう。
「おい、急に何をすんだよ」
「そうですよ死んでしまうじゃないですか」
「炎大吹」
「煽風」
ルーアが炎を防ぐ為に放った風は全く効かなかった。
「なんていう火力だ」
グラゴスが後ろに回り込み斬りかかろうとすると
「凍てつく吹雪」
そして隙をつく暇も無く詠唱をした。
「炎大吹」」
その火力は氷魔法より高くグルゴスを焼き尽くした。
「グルゴスさんになんてことを!!」
「大刈りの空風」
斜めの向きをした風の斬撃は首より下を狙った物だ。殺傷能力が低い風属性で魔法を発動したのもそのためだ。
しかし相手は本気で殺しにかかってるそれが仇となるのだ。
「えっ!!」
風の斬撃は前の木に当たり目の前には誰もいなかった。
「大地の突岩」
「転移魔法!?」
「そうです」
その岩は鋭く心臓を狙った物だった。
リーシャはあまり応用した技は得意ではなかった。
そのため炎も吹雪も火力を上げただけで今放った岩石は鋭くするようにしたので自分は頑張ってるつもりなのだ。
「グアッ!!」
心臓を超えて刺さった岩石は赤色で真っ赤になっていた。
グラゴスは炎によってやからルーアは鋭い岩に貫かれて死んだ。
「口ほどにもなかったわね」
転移魔法が使えるか使えないかでかなり優位性は傾くのだ。
・・・
そしてその頃ヴァニタスは2人が死んだのに気づいた所だった。
「2人ともあの魔法使いに殺されたな」
「あら、よく分かったわね。ちょうど今『魔法通話』で連絡が入ったのお仲間さんは死んだけど怒らないのかしら」
「あぁ、別に起こりはしないさ。少し不快だがな、もしかして気遣ってくれてるのか?」
「勘違いをさせたかしたら」
「おい、アルノアお喋りはやめて早くやるぞ。おしゃべりはお前の癖だ」
「そうね、リーシャが来る前にさっさと片付けないと」
そう言ってるとリーシャが転移魔法で隣へと現れた。
「そういえば転移魔法が使えたからコレで3人になってしまったわね。ハンデとして私が一対一でやってあげるわ」
「もう結晶は集まっただろう。これ以上やる必要は無いと思うんだけど」
「私は人を殺すのが趣味なの何か問題でも?」
「そっか、人の趣味を尊重するのは大事なことだな」
「ところで一つ聞いておこうと思うのだけど氷だ固まっていた人達を知らないかしら?」
「それなら僕が溶かして回復させておいたよ。人数が少ないとゲームは面白くないからね」
「そう、せっかくの獲物を逃した罪をここで今罰してあげるわ」
そういうとアルノアは杖を構えて詠唱をした。
「氷の槍矢」
10個程の鋭い槍の様なデカさの矢がヴァニタスは目掛けて周囲を囲む様に浮かび狙いかかる。
一瞬で放たれた氷の槍矢」は一点を目掛ける。
しかし、ヴァニタスは上空へと力足で飛び上がり中へと浮遊する。
当たらなかった槍矢は円を描く様に地面に刺さった。
「フッ、上に逃げても意味なんかないわよ。氷の雨矢」
ヴァニタスのさらに上空へと描かれた魔法陣から先ほどよりは大きさが無いものの了解は圧倒的に多かった。
ヴァニタスは氷の矢をきちんと見て避けれる位置を判断してとてつもない速さのスピードで避けた。かすることもなく。
「今の攻撃をかすりもせずに避けれた事は褒めてあげる」
「それはどうも」
「けれど次の攻撃は避けれ無いわ」
「試してみなよ」
アルノアが普段より真剣な顔で詠唱を始めた。
「二種同時発動・氷&炎」
すると氷と炎が前後から発動した。
通常魔法を発動するのは一度に一つしか無理だしかしこの技は同時に二つの魔法を発動される技なのだ。
様々なものと組み合わせる事で使い勝手が変わる面白い技なのだ。
「球型防壁」
ヴァニタスを中心にできた水色の六角形の面を張り巡らせた球型のバリアは炎と氷を一切通さなかった。
「えっ、何なのよそのバリアは」
「単に君の攻撃力が低すぎただけだよ」
「そんな訳ないわよ。バリアを張られたから私の奥義、二種同時発動が意味をなさなかっただけよ」
「意味がないならダメじゃないか、単に魔力を消費しただけだ」
「うるさいわね!!今度は必ず仕留めてやるわ!!」
その瞬間ヴァニタスはアルノアの目の前へと瞬時に移動しておでこに人差し指をツンとするとアルノアはそのまま気絶してしまったのだ。
「だから3人で殺そうと言ったのにまぁ、良い俺とリーシャなら確実にお前を殺せる」
「凍てつく吹雪」
早速リーシャは魔法を放った。
「爆炎斬刹!!」
リーシャの放った魔法は攻撃の為ではなく視界を防ぐ為の物だった。
シークの斬撃もバリアによって傷一つ付かずに塞がれていた。
しかし、コレも想定無いなのだ。
「大爆炎火」
リーシャは一瞬でバリア内へと転移して魔法を詠唱して外へとまた転移した。
この転移魔法であれば空間を繋ぐ物である為バリアがあれど中に侵入出来るのだ。
「私の爆破魔法はどうかしら」
リーシャの得意な魔法の一つである爆破魔法この魔法が一番単純かつ強いのだ。魔力を増せば威力もそれに対して爆増する。なぜ単純な魔法しか使えないのに空間魔法という一番難しい魔法が使えるのは不明だが。
「全然隙がありすぎて逃げれたよ」
「くっそ」
リーシャの口調がどんどん荒くなる心にある醜さが現れている。
「お前なんかさっさと殺してやる」
ヴァニタスは5mほど離れた所でバリアを張ってるがコレも転移すれば問題ない。今度は自分が多少の怪我をしてもいいから殺してやると決めているのだ。アルノアが気絶とはいえあの様な者にやられるなど納得いかないからだ。
「えっ!?」
リーシャは転移魔法を発動してバリアの中に入ろうとした瞬間自分の体がバラバラになったのだ。首も切れているのに意識はある。
「何が起こったの」
「ごめん、ごめん、ミスちゃった」
ヴァニタスはリーシャの各体の部分ごと転移する座標を異なる様にしたのだ。そのせいで強制的に体は切り離される。
ミスなどではなく計算し尽くされた行動なのだ。
さらに不死の呪いをかけており仮に肉体がバラバラになろうと潰されようと死ぬ事はない。まさに生き地獄。
「降参だ」
「ん?」
「君に勝つのは無理と判断した。仲間を殺したのは俺たちだ。謝るよ」
「あっそ」
そしてヴァニタスは精霊の泉と解呪薬(不死の効果をなくす薬)の入ったフラスコを渡した。せっかく手に入れた精霊の泉だがぶっちゃけ僕の能力の方が手っ取り早いがこういう場面で使わないと登場した意味がないからな。
「コレで体は元通りになるから」
そういうとヴァニタスはシークの剣を一瞬で折って後をたった。
ヴァニタスは不機嫌な顔をしてルーア達の遺体の場所へと向かった。
ほんの数日を過ごした者達だが勝手に殺されるのはいまいち納得いかないからだ。
グルゴスは足は凍っておりそれ以外は焼き尽くされており皮膚も丸焦げだ。ルーアは鋭い岩に突き刺されて血の色に刺されてる。
「まずは見た目を治さないとな」
ヴァニタスはまずルーアに突き刺さってる岩からルーアを離した。ついでにこのルーアをやった岩も手で握って破壊した。
ポタポタと血が落ちる音が聞こえる。
そして体の中にある砂利などを取る為に『鉄糸』の劣化版というのか分からないが単なる糸の先に粘着力のある『粘糸』を使い砂利を全て取り除いた。
そして『万能回復』を使い身体をひとまず元通りにした。
ちなみにだがヴァニタスは"手術"も出来るらしい。機械を使った手術も得意らしい。
「よしっ、コレでルーアはとりあえずオッケーだな」
そしてグルゴスも同様に氷をぶっ壊して万能回復で皮膚も元通りにした。
「洞窟に帰るか」
ヴァニタスはグルゴスとルーアを洞窟へと運び横に倒して蘇生する準備をした。
右手を2人へと向けた。そして死者蘇生を発動した。特に発動時の名前はない。
1時間後・・・
「ってアレ生きてる!?死んだはずじゃ、」
「起きたか。グルゴス」
「あぁ、ヴァニタスこれはどういう事だ?」
「まだ心臓が2人とも動いてたから僕の全部の魔力を使って回復魔法で2人を治したんだよ」
「まじかよ。死んだと思ってたぜ」
「ホント奇跡だよあの状態からこうも元気に生きているなんて」
「感謝するぜヴァニタス!!」
「うん、仲間だからな、、、ルーアが起きるまでに狩っている魔物があるから焼いといてくれるか。僕がやるとなアレだろ」
「ふっ、そうだな。ヴァニタスはゆっくり休んだいてくれ疲れただろうし」
それから1時間が経った。
「ヴァニタス!!ルーアが起きたぞ」
ヴァニタスは壁に腰をかけてどこかを見つめていた。
「そっか、良かった。大丈夫かルーア?」
ヴァニタスはズボンの尻の部分についてる砂利をはらい立ち上がった。
「何で僕は生きてるんですか?」
「ヴァニタスが助けてくれたんだぜ。俺も死んだと思ったけどな」
「そうなんですか!?」
「ホント奇跡だぜ!!」
「そうですね神様が見守ってくれていたおかげですね」
「、、、」
ヴァニタスは黙ったままだ。
「あっ、そういえば無い!!」
「あっ、俺も取られたかも!!」
グルゴスの割には勘がいいのだ。
「すみません、ヴァニタスさん奪われちゃいました結晶」
「同じく俺も」
ヴァニタスは何一つ嫌な顔をせずにこう言った。
「お腹空いたし食べよっか」
2人はうる目になっている。
「「ありがとうございますー!!」」
何がありがとうなのかは分からないが受け取っておこう。
〜6日目〜
魔物は狩り尽くされてるので他のチームから奪う。
2人が中心に結晶を他のチームから取るのを頑張ってくたが収穫は0。
〜7日目〜
文章が短すぎると思われた方、これ以上書くことがない。戦闘シーンを書いてもそこまでやと思うから書かない。
そして同じく収穫は0。
一週間が過ぎて中にいる者は全員最初にいた場所へと転移された。
「お集まりの皆さんお疲れ様でした」
痩せ細ってるチームや怪我を負ってるチームなどと様々だ。
「結晶を回収しますのでこちらへ来てください。流石に無いとは思いますが0の場合もご報告に来てください」
「とほほ、、、」
ルーアはしょんぼり。
「くっそ何で奪えねーんだ」
初心者の盗賊セリフ。
という風に感情の波が御二方も激しいので僕が報告しに行こう。
「コレで」
僕は結晶の入った巾着を渡した。
「流石ですね。半分の魔物を狩るとは」
僕は少し呆れた様子で目の前の女性を見つめた。
全員のポイントの確認が終わった。
「それでは合格者のチームを発表します」
周りに緊張が走る。
「数字番号1、2、4、7、9、10、12、14 番の方です」
「「えっ!?」」
ルーアとグルゴスが驚きの表情をしている。
「どうして僕たちの番号が」
「確かに俺たちは結晶を全部奪われてしまったよな」
二人は僕を見つめる。
僕は2人に向けてグッドマークをした。
そうヴァニタスこそが100体の魔物の半分を狩った犯人だったのだ。
「第二次試験はまた2日後にありますのでそれまではゆっくりとお休みください。解散!!」
それから僕はは近くの町で休む事にした。
それ程デカい訳ではないが十分休めると思う。
「で君達は何で宿屋まで付いて来てるんだ?」
「「ギクッ!!・えっ!!」」
2人はずっと背後にそろりそろりと付いて来ているのには気付いてた。
「金が無くて」
「僕も同じで」
やっぱりそうか。グルゴスはそうかもしれないと思ってたけどルーアもお金の管理がなってないのか。
「しょうがない特別だそ。それ以降は渡さないからな」
「「ありがとうございます!!」」
困った奴らだ。
「一泊いくらだ?」
「ドルプ銅貨4枚です」
「3人で一週間一部屋ずつよろしく頼む」
「ベットが3つセットである部屋があるのですがそちらの方が安いですが」
「じゃあ、そっちでお願いします」
部屋に男が2人もいるとか窮屈だな。
《能力の説明》
『空間操作』・・・空間を操作できる。そのまんまの意味だな。
〈例え〉
空間連結・・・空間を連結して転移したり、空間Aから空間Bにある物を取ったり出来る。
空間誤算・・・相手の空間の演算を間違わせる。攻撃というより嫌がらせ。
『球型防壁』・・・水色の六角形の面が球型に集まった防御の壁。水色の理由はかっこいいから。君たちの地球でいう原子や素粒子より小さい(というか大きさとかいうやつではないけど今はそう思っといて、説明面倒くさい)物質、存在を集めて作ったバリアです。
お腹空いた。眠いzzz