04話 上位悪魔
転スラファンが見たら怒るかもしれません。
自分も転スラファンなんですけど。
小説でアニメの所まで読み終わったのでこれからは知らないから楽しみ!!
灰狂狼が村にやって来てどうしようって感じが今の現状だ。
ここで一つ言いたい事がある。
この前、炎吹竜が来た時に竜語を話したでしょけどあれは普通に魔物の言葉を話せば良かったのだ。
全種族に通用するかはわからないがな。
最悪の場合には『自動翻訳』を使えば良いしな。この地に来た早々の時にはこの能力を使った。
さて、本題に戻ろう。
灰狂狼が村に来ているがやはりまずは話し合いだ。
森の方へと行き村の柵をすり抜けるともう目の前に魔物はいた。
「おい、灰狂狼。まずは話合いでもどうだ」
「黙れ人間、弱肉強食の世界で話し合いなど無用だ」
おそらく灰狂狼が進化した黒狂狼が返答をした。
弱肉強食か、ならば僕もそうしよう。
僕が右足の靴の先を地面にコンッとすると灰狂狼のいる場と僕の立っている場の間の地面が轟音を鳴らし裂けたのだ。
地面はみるみる裂けていった。
ちなみにこれかなり難しいんだよ特定の場所を裂けさすのって、まじでミスって靴をなおそうと思ったら星をパカっちゃたの5回くらい。
けれど今回は範囲を10キロくらいに調整できた。
無意識にやるのが一番恐ろしい。
「この線というか穴より、足を跨いだら殺すよ」
灰狂狼は一瞬戸惑った様子をしたが猪突猛進でやって来た。
まっ、こういう場合は大将をやらないといけないな。
ひとまず大将以外は拘束しとかないとな。
僕は指を適当にぐるぐるして森の木の枝を伸ばして拘束した。
「妙な技を使う人間だな」
「線を越えたから殺すよ」
僕は黒狂狼の言葉は無視して一言放った。
なんかサイコパスに思われそうだな。
「ふっ、これしきの技で我を殺すなどできまい」
そういうと黒狂狼は遠吠えをした。
『なんでも解析』によるとこれは『轟震声』という固有スキルらしい。
固有スキルとは種族が持つスキルの事らしい。
なんでもこのスキルは相手の動きを数秒止めるらしい。
進化したとはいえスキルの効果はほんの2、3秒だがその隙で噛みつかれ死ぬ事があるからこそBランクらしい。
まっ、僕には効かないけど。
僕は手を黒狂狼に向けた。
「じゃ、バイバイ」
すると黒狂狼の体は木っ端微塵となった。
こういうのは派手に殺さないと示しがつかないからな。
思った通り子分たちは逃げていった。
「さて歓迎会の準備はできてるのかな。あっ、そういえば灰狂狼たちの肉って確か美味しさが星が4つだったし焼いて食べたら美味しいんじゃね」
そう思い僕は右手の5つの指から細い糸を出し子分の中から5匹でかいやつを選び糸で括り持ち帰った。
「あっ、ヴァニタスが帰ってきたぞ」
ルーシュが一番先に見つけて言う。
「終わったぞ」
村人達は顎が外れた顔で僕を見ていた。
「こいつの肉でも使って宴やろうよ」
「は、はい」
村長が小さな声で呟く。
「ほらみんな何ぼーっとしてんのよさっさッと動きなさいよ」
ルーシュが張り切った声で言う。
太陽も隠れていき夜となった。
「ヴァニタス、宴の準備できたよ」
僕はルール家の家の中でルミ達の遊び相手をしていてルーシュが呼びに来てくれたのだ。
「分かった。それじゃあ行こっか」
ルール家は勿論今夜の宴は村人全員が参加する。
僕は村長とルーシュの間に挟まれ席に座った。
「やっぱ美味しいな」
「でしょう私の料理は」
目の前にはで実に美味しそうな肉がある。
「ところでルーシュ僕の依頼が終わったけどお前はこれからどこに行くつもりなんだ」
「良い質問ね。私は今Bランクの審査中なのは知ってるよね」
「確かにそんなこと言ってたな」
「だからギルドの受付場に行かなきゃいけないの。だからオズワル王国に行くの」
「オズワル王国?」
「そうよ。私が拠点としてる国でギルドの本部がある所なのよ」
「本部か」
「ここの国のギルドの場所は私の縄張りとなってるのよ」
「はぁ」
Cランクの強さでそこまでなるものなのか?
「こちらをどうぞ」
村人Aが飲み物を持ってきた。
「この酒は私の息子が王都で酒造の技術を学び作ったこの村の特産品なんです」
「そうなんですね」
「そして子がわしの息子カールです」
村人Aではなくカールだった。
「ご紹介にあずがりました村長の息子のカールです」
王都に行ったこともあり礼儀正しいな。
「このお酒は少し甘めな味で飲みやすいのが特徴です」
確かに桃に近い感じだな。
それからは皆酒に酔いくれて眠った。
僕は毒無効のON/OFFができるのでお酒を存分に楽しめた。
ONにしなくても毒なんて効かないけど。
「はぁ飲んだ飲んだ」
上を見上げると無数に広がる星が見える。
「ここの星は数が多いな」
最後の一口を飲み僕は朝になるまで瞑想をした。
「はぁ、酔った」
「飲みすぎたな」
という声が聞こえながら朝を迎える。
「ヴァニタスそろそろ行こうよ」
「もう行っちゃうの?」
ルーシュの母親と父親が悲しそうな目で見つめてる。
「まぁ、また帰ってくるから」
「気をつけてね」
心配そうな声で言う。
「うん」
ルーシュの親だけでけでなく村人全員が手を振って見送ってくれた。
「またいつでもお待ちしておりますぞ」
「うん、ありがとう」
そう言い残し村を去って行った。
「あっっっっっっっっっっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「何か忘れ物してたのか?」
「違う」
「じゃあなんだよ」
一番無駄な|エクスクラメーションマーク〈びっくりマーク》の使い方だなS.D(彷徨う奴隷)←うるさい!!!!!!
「仮面買わなきゃ」
「なんで」
「あなた強すぎて目立つでしょそれに私は有名だからボーイフレンドと間違われちゃう」
「いや無い無い」
「ヴァニタスとはまだその段階は早いわ、エッチなことするのはいいけど」
「ダメだし望んでない」
だけど仮面をつけるのは一理ありだ。
一応指名手配だし。
※リークとあった国でいないのがバレて指名手配中。スリル満タン!!
「だったらこれでいいか」
僕は仮面を異空間から取り出した。
「何その仮面不気味」
「そんなこと言わないでよ」
少しキレ気味の声でヴァニタスは言い放った。
「ごめんごめん」
「まっ、いいよ。これで目立っても顔バレしないだろ」
「そうね」
ちなみにだがルーシュの案内の元で今は向かってるから『脳内地図』で確認してるから大丈夫なのだ。
何はともあれ今回は迷わずに行く事ができた。
「ふっ、なんとかつく事ができたわ」
ルーシュは一息ついた。
「早く列に並ばないと待つのが大変になるぞ」
「そうね」
数分ほど待ち順番が回ってきた。
「身分証をお出しくださいってルーシュさんじゃ無いですか!?」
えっ、嘘じゃなかったの!?
「はい、どうぞ」
そう言いながらルーシュは胸元を見せた。
そう言う手口か。
「こちらの方は付き添いですか」
「そうよ」
身分証を渡した。
というのも仮発行であっても充分に役に立つのだ。
それこそ僕がギルドに入った理由の一つだ。
さらにギルドのランクを上げていけば公共施設なども幅広く使えるようになるのだ。
「Eランクですか」
すいませんねぇEランクで!!
「そうは言ってもヴァニタスはまだなりたてホヤホヤなの。だから昇格審査でしすぐにランクが上がるわ。それに顔もイケメンなのよ」
「そうなんですね」
まっ、ここの騎士は良い奴そうだ。
「通っていいですよ」
「ありがとね」
僕は騎士にちょいお辞儀をして後を去った。
「よしっ、それじゃあ昇格審査に行くわよ!!」
「うん」
すると辺りに男のみが一斉に騒ついた。
「「「あっ!!!!姉さん」」」
と言う声が空を埋め尽くすように聞こえた。
「あれ持って来い!!」
一人の男が叫び声で言う。
持ってきたのは上品の布のかかったHの真ん中の横線が太くなった感じの板を持ってきたのだ。
「姉さんどうぞ乗ってください」
男の背中を台としてその板に乗った。
「what!?」
何者なのルーシュって。
「どこに行きますか」
「昇格審査を受けたいから公式受付に」
受付には一般と公式があるらしい。
一般の受付は必要最低限のことしかしないらしい。
酒場のおじさんのところもそうみたいだ。
そして、公式受付は何といっても昇格審査の受付をする事ができるらしい。
「えっほ、えっほ」
とかけ声をかけながら公式受付の場へと向かった。
「えっ、何?ほんとに、何?祭りなの!?」
と思いつつも僕はついていった。
とまぁ何とも言えない感情であった。
「降ろしていいわよ」
また男が台となり地に足を着けた。
「お前貴族かなんかなのか?」
「ルーシュ応接団体っていうのもあるのよ。そこらの貴族なら一捻りなのよ」
意外とカリスマ性がある奴なのだろうか?
「久しぶりね」
「ルーシュさんお久しぶりです」
受付の男は30代といったところだな。
「今日は何のご用ですか」
「昇格審査よ!!」
「あーそれなら今日は不都合で無理みたいなので明日は試験場で行われますので立ち寄ってください」
「オッケー!!」
「ところでそちらの方は?」
「ヴァニタスよ。仮面があるから見えないけど実はイケメンなのよ」
「それはいい相手を見つけましたね」
「まぁね、それじゃまた明日」
ルーシュは手を振って受付場を出て行った。
「これからどうするんだ」
「そうね"豪遊"よ」
「そっかじゃあ金はあるだろうからさっき通った宿屋に居るから。ご飯も食べといていいよ」
「せっかくの都会なのにもったいな」
「いいんだよ」
「まっ、ヴァニタスがいいならいいけど」
そう話し終わると僕は宿へと行き瞑想をした。
ちなみにルーシュは深夜まで遊び尽くしたらしい。
詳しく何をしたかは知らないが。
翌朝僕は公式受付へと行った。
何でかって、そりゃあ昇格審査の申し込みを忘れていたからだ。
「おっルーシュさん今日は昇格審査ですね!!頑張ってくださいよ!!』
「そうなんだけどヴァニタスも受けるのすっかり忘れてたから今からだけどいける?」
「もちろんです。身分証を見せてくれますか」
ポケットから身分証を取り出し渡した。
「Eランクですか、しかも仮発行」
「何か問題でも」
Eランクというだけでかなり舐められる。
「昇格審査はやれば自分のランクが分かるのでせいぜい頑張ってください」
「ちょっと何よその言い方私より強いのよヴァニタスは」
「またまたご冗談を」
そういうと番号札を机に置いた。
「40番か」
ルーシュは16番らしい。
「ヴァニタス行くわよ」
そういうとルーシュは僕の手を掴み審査の施設へと行った。
施設はかなり頑丈なものでできており『対魔物脱出不可結界』が貼られていた。
おそらくだが魔物が万が一暴れても施設より外へと出れなくするための結界だろう。
「ここよ」
中にはたくさんの冒険者がいた。
「冒険者の皆さんは自分の番号が呼ばれたら真ん中へと来てください」
一人の眼鏡を掛けた女性が言う。
かなり待つことになりそうだが気長に待つしか無いか。
「8番の方!!」
「よっし俺の番だ!!」
「Cランクの方ですね。それではB−ランクの魔物をお願いします。ドラージュさん」
ドラージュと言う男は召喚術師らしくその腕はかなりのものらしく冒険者組合支部長と契約を交わしこの地で召喚術師として腕を振るってるらしい。
「油断はせぬようにな」
そう言うと魔法陣が描かれ人狼鋭牙が現れたのだBランクの魔物らしくスキルは『暴れ狂い』といったスキルらしい。
簡単に言うと自分の意思を無くす代わりに身体能力の大幅増加らしい。
単純かつ恐ろしいスキルだ。
魔物などを召喚する場合は"服従の魔法"や"呪言”をかけなければならないと行けないらしくそれをしないと勝手に暴れてしまうらしい。
それが召喚術師の難しい所らしい。
「よっしやってやるぜ」
立つ場所の目印として半径8mほどの結界が貼られているらしい。
それより奥には数人の回復術師が待機している。
安全の考慮はバッチリみたいだ。
「火炎魔法・炎龍!!」
龍の如く炎は魔物へと向かった。
しかしその炎は人狼鋭牙が深い息をひっかけた事により消された。
「何だと俺の魔法が」
冒険者は驚きの感情で包まれていた。
「くっそならこれはどうだ」
冒険者はスキル『速度加速』によりスピードを上げ背後へと行き不備を切りかかろうとした。
しかし人狼鋭牙の『暴れ狂い』の方が性能が上だってせいで冒険者の右腕は切断され腹の腹部を貫かれたのだ。
「あぁぁぁーーー!!!」
施設の中に響く苦しみの声。
「今すぐ中止だ!!」
ドラージュは即座に魔物を召喚解除をして魔物を元の場所へと戻し回復術師に回復をさせた。
良い判断だったと思う、あのまま続けていれば確実に死んでいた。
いくら死ぬ覚悟とは言え目の前で助けれる命を見過ごす訳にいかないのだろう。
「何をしている早くしろ」
「は、はい」
「くっそ詠唱している間に死んでしまいではないか」
何とか急所は外したようだがこのままの状態で数分で死ぬだろう。
回復術師はこのようにランク分けされる。
一般回復術師・上位回復術師・聖神回復術師
体の欠損を治すには聖神回復術師でないと治せないらしい。
今はとりあえず腕より腹部の治さないとな。
「ほら、どいて」
僕は回復術師をどけさして傷を負った男の体の上に人差し指をかざした。
「おいお前!!今は一大事なのだぞ!!」
そんな言葉を無視して僕は指から涙のような透明の一滴を注げた。
すると男の腹部はみるみる治り失った腕さえも元に戻ったのだ。
「こ、これは聖神回復術師でも一握りのものしか出来ぬ技完全癒治!!」
他のギルドたちも興味と興奮を覚えていた。
これは単に精霊の泉の水を強化した水なのだ。
名付けて『精霊の涙』!!
これは魔法でもないし使おうと思ったのだ。
別に『万能回復』や『時戻し』を使っても良かったのだが世界観を合わせようと努力している自分であった。
「お、お名前を聞いてもよろしいでしょうか!?」
回復術師の一人が言ってきたが言わないでおこう。
ルーシュには何人か名前を伝えられたが良しとしよう。
その後僕は椅子に足を組みながら寝ているふりをした。
そしてルーシュの番が回ってきたのだ。
「16番の方」
「わ・た・し、よ!!!」
手を挙げながら元気に叫ぶ女、その名はルーシュ!!
「ルーシュさんじゃねーか」
やっぱ人気なのか。
「ルーシュさんじゃないですか確か今は昇格審査中では?」
女性が不思議ながら言う。
「待てないから来てやったのよ」
「そうでしたか、では頑張ってください」
ルーシュはやる気満々だ。
「先ほどのようなことが起きないように頑張ってくれたまえ」
するとさっきと同じ魔物が現れた。
「ふっこんなの楽勝よ」
長剣を取り出し片手で構えた。
「風魔法・突風」
その風の勢いは凄まじく相手を吹き飛ばし結界の壁へとぶつかり床に這いつくばった。
「さすが姉さんだ!!」
周りの声援が凄い、、。
剣をまっすぐと構え一刀両断するように剣を振った。
「よしっ」
しかし惜しくもその剣は頑丈な人狼鋭牙の腕に受け止められ切り捌くことはできなかった。
「やっぱ硬いわね」
すると左の方から爪の鋭い手が襲いかかって来た。
「あっ、危ない」
観客の一人が叫んだ。
しかしルーシュの鍛えられた反射神経により短剣を即座に取り出し受け流すことができたのだ。
流石と言ったところだ。
「ふっ、危なかったわ」
深い呼吸をして静を保ったのだ。
そしてルーシュは一旦後ろに飛跳をして引き下がった。
「こうなったら私の奥義を見せてあげるわ」
二つの剣を鞘にしまい両手を人狼鋭牙に向けた。
「合成魔法・火風・突刺火矢」
数多くの火の矢が突風の如く人狼鋭牙の体に突き刺さり体を燃やす。
それから数秒して人狼鋭牙は死んだ。
「16番のルーシュ合格です!!」
歓声と拍手がルーシュに降り注ぐ。
「どうもどうも」
まるでマジシャン(実際にはそうだけど)のようにお辞儀をした。
ルーシュは僕の方に来て"どやっ”って言う感じの顔を見せつけてきた。
だけど、ルーシュは威張ることができるほどの実力が備わっている。
変態な部分を除けば尊敬は出来る。
「Bランクおめでとう!!」
祝いの言葉をかける。
「ちょっと疲れたわ」
「これ食べたら?」
渡したのはこの王都の名物のお菓子「クッキー」なのだ。
おそらくこれを作ったのは僕と同じ異世界人だろう。
砂糖やミルクが使われている。
この世界では実に珍しい食べ物なのだ。
「これって噂に聞いていた超高級菓子のクッキーじゃん私食べてみたかったの」
予想以上の喜び具合だ。
喜んでもらえて何よりだ。
「ヴァニタスマジで最高!!やっぱ第三の夫にしてやりたいぐらいだわ」
多夫制なのか。
「じゃあ順番が回ってくるまで待つか」
約1時間後・・・
「40番の方!!」
おっ、やっとか!
「ヴァニタスならAランクぐらい余裕よ。もしかしたらSランクまで」
ルーシュは僕の戦う様子を待ち望んでるようだ。
戦闘好きのルーシュはまさにボクシングの最前列にいる赤いタオルをかけた観客のようだった。
「じゃ、ちゃちゃと終わらすわ」
ルーシュは1番の前へ移動して目を燃やしながら僕を見てくる。
「君は確か先ほど素晴らしい術を見せてくれた方だね」
どラー樹が興味を抱いた目で見る。
「はい」
「この方はまだEランクみたいですよ!!ドラージュさん!!」
女性が驚きを隠せずに言う。
「あれほどの術を持っているのになぜ!?」
咄嗟に僕に問いかける。
「実はまだなりたてで初めてこの昇格審査も受けるんです」
「なんだそう言うことだったのか」
「だが君は回復術師だ。だから無理はするなよ」
えっ、違うんですけど。
「やっぱあの人回復術師なんだ!!だけどいくらあんな凄い技が使えても戦闘は無理じゃないか」
一人の青年が言う。
そして一人のベテランのような雰囲気をした男が答える。
「確かに回復術師は戦闘には向いていないが熟練のものとなるとCランクぐらいの戦闘魔法は使える。ならばあいつがどこまでのものかと言う訳だ」
この意見は間違ってはいないが僕が回復術師というのは間違っている。
「いくら治せるからと言っても気をつけつのじゃぞ」
召喚されたのはDランクゴブリンだった。
緑の体をしており木の棍棒を持っていた。
「これくらいは余裕だな」
襲いかかってきたゴブリンの棍棒を奪い取りチョンと殴った。
そして死んだ。
「よしっ、次はCランクだ」
今のでDランクへと昇格したみたいだ。
中止になるまでこれは行うことができる。
ゴブリン程度の魔物は一般人でも頑張れば倒せる程度の魔物なので誰も驚気はしなかった。
「慎重にな」
次に召喚されたのはCランク蝙蝠夜だ。
飛行ができる点がDランクとの違いなのだろう。
(魔法を行使したくない)
心の中でそう思う。
僕は手からボール程度の大きさの炎を上にやり手を握りしめた。
すると猛烈に火が燃え上がり上空の空間を燃やし尽くしたのだ。
「い、一体移動やってあれだけの炎を出したのじゃ」
「火は酸素に燃えやすい」
遠回りでわかりにくい言い方をした。
「まさか低位の火炎魔法を放ち風魔法か何かでで酸素を吹きかけ威力を増大させたのか!?」
あってるけど違う魔法は使っておらず、単に酸素のみの空間を作っただけだ。
わざわざこんな遠回りなやり方をする必要はなかったが科学の実験を思い出したのでやってみただけだ。
「なるほどそんな使い方があったとは」
僕は思った雑魚い!!
だから僕は言った。
「早くAランク受けさせてくれないか?」
その言葉をルーシュ以外は聞き逃さなかった。
まず最初に言ったのがドラージュだった。
「確かにあなたの力は凄い。だがそれは知識によるものだ。Bランク、ましてやAランクなどは無理じゃ。仮に戦士でもそんなのは難しい」
必死に述べるドラージュ。
「そうだぜ仮面を被った人」
すこし嫌味ったらし緑色の髪の7:3分けの男が来た。
「もしかしてあの人はB+のギルドのグリーヌさんだ!!」
歓喜の声で包まれる。
この程度ではしゃぐのか。
「お前に一つ忠告だ。Aランク試験の経験者から一つアドバイスだ。Aランクの試験は悪魔族などが含まれる。そりゃ強いことよ。なんせ悪魔は物理は効かねぇからな」
悪魔、あくま。聞くだけで腹が立つ言葉だ。
「ちょっとあんた何よその態度イライラするわ」
「俺は" B+"なんだぞ舐めた口を聞いてるとどうなるか分かってんのか」
「私だって今Bランクになったのよ」
「BランクとB+では強さが違うんだよ、つ・よ・さ、がな。お前みたいな奴はせいぜいBランクでずーっとそのままなんだよ!!お嬢ちゃん」
「おいルーシュの悪口を言うな」
「あぁん、たかだかお前が俺に指図するな」
その瞬間”ボキッボキッボキッ"と骨が折れる音が聞こえた。
おってやったのだグリーン小僧の骨を。
事は済みまた結界の中に入った。
「Bランクからは格が違いますぞ」
そう言い召喚されたのはなんと黒狂狼だ。
「なんだこいつか」
そう呟きの僕はその場から離れずに魔物の首を切った。
実に呆気ない。
「い、今の見えたか」
「いや見えなかった」
「動いてねーよなあいつ」
ざわつく中一人の馬鹿が言葉を放った。
「今のは出鱈目だ何か細工があるに違いない、あれは不正だ」
ドラージゅもそれに続き言葉を放つ。
「あれは何なのだ君は回復術師だろ」
「違いますよ僕は回復術師なんかじゃありません。今のは単に首を切っただけです」
ドラージュは顎でも外れたように驚いている。
「流石ヴァニタス!!」
唯一ルーシュだけが正常を保っている。
「ねぇ、次のランクはまだなのかな」
夢から目覚めたばかりの顔で言う。
「今のであなたはBランクとなりました。ですので次のランクは昇格審査のルールで基本はB+までとなっています」
「じゃあ、あの童はなんで受けれてるの」
「B+ランクになって数多くの依頼をこなし一定の条件を満たすと受ける権利をもらえます」
ということは今日は行けてもB+までか。残念だ。
「今の戦闘姿拝見しておりました」
「冒険者支部長がなぜここに」
「たまたま通りかかったのです」
嘘だな。
絶対騒ぎを聞きつけて来ただろうに。
「お名前は」
「僕の方を向いて問いかける」
「ヴァニタスだ」
「今のスピード私でも何が起こったのか分からないほどでした。そして、あなたがB+の実力はあるだろうと判断しました。ですので死ぬ覚悟があるならば受けてみても良いでづよA−ランクの試験を」
「是非受けさしてもらいたい」
「ただし一切の命の保証は致しません」
締めくくるように言葉を言い切った。
「もちろん」
「ならばドラージュ殿A-ランクに値する魔物を主観してくれ」
「分かりました」
そうすると魔法陣を結界内に描く。
周りの者はゾワゾワしている。
「いでよ上位悪魔」
禍々しいオーラが宙を漂う。
「何のようだ人間」
見たところ性格は捻じ曲がっている。
「俺初めて上位悪魔を見たぞ」
「俺は悪魔族自体初めてみるぜ」
そしてドラージュがいう。
「この人間を殺せ!!」
えっ!!もうちょっと言い方あるやろ。
「報酬は」
殺せば好きに使ってくれて構わん。
「自分で報酬は手に入れろと、、、」
威嚇した声で問う。
「まぁ、いい。久しぶりの物質界だ許してやろう」
「そんな報酬なんて用意しなくても良いのに、死ぬんだから」
僕の言葉に反応してあくまは怒りながら言う。
「何だと貴様、俺は偉大なる上位悪魔だ。貴様など一捻りだ」
見た目は二つの鋭い角のに赤い眼そして赤い髪。
「マジでやめといた方がいいぜ仮面の人!!」
「そうだぞ、ましてや上位悪魔なんて」
「物理攻撃が一切効かないんだぞ」
様々な抑止の声が聞こえる。
「黙れ!!」
冒険者支部長が一声針を刺すように言う。
「このものがやると言った以上、いのとを失う覚悟でやってもらわないかん。だから貴様らは黙って見届けるのだ!己の力を過信するバカな冒険者を」
全員が黙り込む。
一ついうがそれいいこと言ってるように聞こえるけど最後バカって言ってるし、死ぬ前提じゃん。
「待ちくたびれたぞ人間。早く受肉しなければ体が保たん」
それに気づいたかのように°ドラージュは魔力をあくまに注ぎ込む。
「気が効くな人間褒めてやる」
これって逃げとけば死ぬんじゃね、しないけど。
「死ねぇぇぇ!!!」
その声は興奮そのものだ。
てから黒に燃える炎が放たれる。
「ふっ」
しかしながらその炎は単に息を吹きかけただけで消えた。
「俺の炎が消えただと、何をした貴様!!」
「息を吹いただけだよ」
「そんなので俺の魔法が消えるわけないだろう」
周りのものたちは何が起きたのか認識できていない。
すると今度は先ほどとはまるで違う魔法を放とうとした。
しかし手を何かに掴まれたように腕が固定される。
「な、何だこれは。俺の体を掴むなど無理なのに!!」
周りのものはまだ何が起きたかわからないようだ。呆然としている。
「君にも見えるようにしてあげる」
あくまの目に映っていたのは僕の背中に良のような触手がついておりその触手が自分の両手を封じ込めているのだと理解した。
しかし、それでも疑問を浮かべた。
これは魔力で作られたものではないのに何故このようなことが出来るのかと。
「精神だよ」
自分の心を読まれその疑問に答える様にヴァニタスは答える。
「君は精神体なのだろ。ならば僕も精神で作り上げたもので対抗すればいいのさ」
「そんなことが出来るわけないだろう。こんな技は見たことも聞いたこともない」
ヴァニタスが答える。
「そりゃそうだろ僕の編み出した技なんだもん。0から作り上げるのは簡単だと思ってたけど、こう言った技術とかは難しいもんだ。名付けるなら『精神気』とかどうだろ」
そういうとヴァニタスは『精神気』を消した。
「何だ、掴むことしかできなくて諦めたか」
しかし、瞬きをした時にはすでにヴァニタスの手が腹部へと貫いていた。
「な、何故だ。貴様は奇妙な技を使っておらんのに」
「無回答」
「し、しかし上位の悪魔であれば仮に死んでも核がある限り死んでも再び蘇るのだ。お前はどうせ俺様に殺されるのだ」
「バカなのかな、相手にそんなこと言うのなんて」
丸く紫と黒の混じった核がヴァニタスの手によって潰される。
傲慢さゆえの敗北だった。
「良い実験結果だった、大満足!!」
ルーシュも冒険者支部長も含め全員が唖然としている。
「終わったよ、おーい」
冒険者支部長は突然我に帰ったように目をパチパチして大きな声で言う。
「あれは一体なんなのだ!!悪魔族に触れることなど不可能だろ!!それに相手は上位悪魔だぞ!!これは前代未聞なことだ!!」
声でかい。
その後も驚きの声は長々と続いた。
《能力の説明》
『自動翻訳』・・・能力の発動と伴いあらゆる言語を翻訳できる。また応用する事で動物、植物または無機物に意志を宿らせる、本来ある意志を呼び起こす事によりその者の意思疎通もできる。もちろんその言葉も理解できる。
『精神気』・・・これはヴァニタスのオリジナルの技術である。仮に相手が精神体でも触れる事ができる。
『万能回復』・・・体の一部(指や髪の毛や歯)があればどんなに潰された状態でも死んでさえいなければ一気に体を元に戻す事ができる。
死んでいたら効果はない。その場合は『死者蘇生』しなければいけない。
『死者蘇生』・・・体、魂どちらが死んだ状態でも蘇生する事ができる。特に魂が死んだ場合にこの能力を使う。
『時戻し』・・・その物の時を戻す事が出来る。戻す時間に制限はない。
〈例〉
化石・・・化石を元の姿に戻せば肉体も復活して元気になるね!!死者蘇生とは仕組みが少し違う。
人間・・・その人間の生きてる年数より時を戻せばこの世からきえる。
※精神気についてはまたいつか詳しく説明かします。たぶん、
転スラの小説でこんな場面ありましたよね。
書いてるうちに「えっ、これ似ずぎやん」ってなったんですよ。
なんやろ全然そうしてるつもりないのにそうなるんですよね。最近は異世界系が多過ぎて似ない様にするのが大変です。
書くというよりもはやパクりにならん様にして書いてますね。