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ヴァニタスの黒白   作者: 虚白ラート
異世界編〜始〜 冒険者編
4/17

03話 フロストドラゴン

「冒険者!?」


「そうです冒険者です」


 今の状況を説明すると何か(ドラゴン)がやって来てどうしょうって感じです。


「その気持ちはありがたいが恐らく君には無理だ」


「何でだ?」 


「あの(ドラゴン)は昔この街を燃やし尽くしかけた力を持つ魔物だ。君には無理だ。おそらくAランク以上の強さ持っているドラゴンだ」


「見ても無いのに言わないで欲しいな」


「えっ」


 決めつけはあまり好きじゃないんだよ。

 

「よしっ、決めたこの(ドラゴン)は僕が片付ける」

.

 この街にはお世話になったしね。1日だけど。


「無茶なことを言うな、勇者でも無い限りあんなのを倒すのなんて無理だ」


「誰が勇者じゃ無いと倒せないって決めたんだ」


 どんな方法で倒そうかな。


「ヴァニタスやっちゃいな」


 ルーシュが遠くながらも信用した顔で言う。 


「オッケー!!」


 右足を地面に"トン"とやるとヴァニタスの体は一瞬で地面から離れ空中に浮いた。


「な、何だあれは」


 町長が驚きの声で言う。


「おーい分かるか赤い(ドラゴン)


 言葉は通じないようだ。

 ランクの高い魔物であれば言葉が通じると聞いたのだがコイツは通じないからたぶんランクは低いのかな。


「だけど僕はこの世界に来てある程度の言語は習得している。もちろん竜語(りゅうご)も習得している」


※ここからは皆様の分かるように竜語(りゅうご)を人間の言葉に翻訳してお届けします。


「おい(ドラゴン)


「我の言葉が分かるのか人間よ」


 その様子をルーシュ達はポカーンとした顔で見ている。

 当たり前だがな。

「なにを話してるんだ、ヴァニタスは」


 ルーシュは不思議に思いつつドラゴンを倒してくれるのを待つ。


「何でこの街を襲うんだ」


「我の父を人間共が殺したからに決まってるあるだろ」


「確かにそれは否定できないな」


「理解したか人間よ」


「だけどなこの街は僕が一晩過ごした街だからやめてくれないかな」


「なぜ我が下等な生物の言うこと聞かなくてはならないのだ」


「じゃあ交渉しよう」


「交渉?」


「そうだ何か好きなことを一つ叶えてあげるよ」   


「ほざけ」


 すると炎吹竜(フロストドラゴン)は僕に向かって高熱の炎を吐いた。

 その炎は周りの大地すらも溶かすほどの威力だった。


「どうだ私の炎は」


「肉を焼く程度には良いんじゃないか」


 せっかくの良い機会なのに惜しいことするな。


「何だと、ふざけたことを言いやがって」


 その瞬間地面から槍の如く岩が炎吹竜(フロストドラゴン)の左の翼に穴ができた。


「何だあの者はいくら翼といえど突き破るなど常人では不可能だ」


「それがヴァニタスは常人じゃ無いんだよね」


「あの者はヴァニタスというのか」


 するとヴァニタスから異常なほどの覇気を全案が感じた。


「何だこの覇気は」


「こんなくらいで怖気づくんだ」


 炎吹竜(フロストドラゴン)は一瞬で理解した。

 この者には勝てぬと。

 そして不快にさせれば自分は一瞬で殺されると。


「承知した。我は二度とこの街に被害を与えぬと誓おう」


「それで良いんだよ、ありがとね」 


「とんでもございません」

 

 突き刺さった岩を解除する。

 そして、空いた穴の傷を元通りにする。 


「帰って良いよ」


「はい!帰らさせてもらいます」


 そうして(ドラゴン)はこの街を去っていったのだ。


「一件落着!!」


 地に足を着け壊れた街を一瞬で元通りにする。


「さすがヴァニタス!!まじですげぇ」


「だろ平和に解決できたし良かったわ」


 やっとこれでソリア村にいけるな。

 すると随分と身なりの良い男がやって来た。


「ヴァニタス殿で合っているかな」


「そうですけど」


「私はラカマと申します。以後よろしく」


 おそらく貴族だろう。


「私はこの一帯の領土を管理している伯爵です」


「まずはこの町を代表してお礼を言わせてくれ。この町を救ってくれて本当にありがとう」


 愛想の良さそうな人だ。


「いえ、この町には世話になったので」


「何か私の出来る範囲で良かったら何でもしよう」


「だったらソリア村に向かいたいんだがそれの案内をして欲しいんだがけど良いかな」


「お安いご用だ」


「ちょっと私がいるじゃ無い」


 ルーシュがプンプンした様子で言う。


「お前の案内は信用できない」


「何よそれ!」


「確かこの町からソリア村を通り越して商売しに行く商売人がいたはずだその者に案内を任せよう」


「感謝する」


「他にも何かあれば何でも言ってくれ」


 それから僕達は旅に出る用意をして例の商売人の元へと向かった。


「商売人のマイクです。よろしくお願いします」


 元気な青年と言った所だ。。


「よろしく」


「こういう男もありよね」


 ルーシュが顔だけをこちらに振り向かせる。


「知らねぇよ」


 やはりコイツはそう言うのばかり考えているんだな。


「ソリア村までは1時間半ほどかかりますのでこんな馬車ですがゆっくりしといてください」


 今度は僕がルーシュの方を見る。


「確かあの森からここまでが30分ぐらいでここからソリア村までは1時間と30分つまりお前…全く逆方向に進んでいたな!!」


「いやぁー昔過ぎてちょっとうる覚えになってたのかなぁ〜」


 コイツの方向感はあまり信用できない。


「それでは出発します」


 馬車の荷物を置く場所キャビンに座った。

 特にすることが無かったので目を瞑った。


 〜それから30分後〜


「ねぇ!ヴァニタス起きて」


「寝てない」


 随分と大声で僕の服を掴みながら言う。

 周りを見渡すと刃物を持った男が何7人ほど居た。


「もしかして盗賊か」


「そうよ」


「倒せば良いいじゃん」


「あっ、確かに。私強いじゃん」


 えっ、気づかなかったの。


「そうと決まれば!!」


 ルーシュは馬車から飛び降り盗賊の目の前へと行った。


「何だ嬢ちゃんどうかした」


「あなた達盗賊よね」


「そうさ俺たちゃ盗賊さ」


「なら今からあなた達を退治するわ」


「嬢ちゃんおとなしく金目の物を渡してくれれば何もしねーぞ」


「ふっ、誰が大人しくするもんですか」


「じゃ死んでもらおうか!!」


 盗賊達はルーシュへと襲いかかった。

 剣を交え合う音が聞こえる。


「ちょこまかと抵抗しやがって」


「火炎魔法・炎横流フレアム


 盗賊の言葉なんかは無視して詠唱をした。

 すると、ルーシュの周りに炎が円を描くように現れた。


「くそっ、変な真似しやがって」


 早く終わんないかなぁと思っていると隣から。


「死ねぇぇぇ!!!」


 と斧を持った男が僕に襲いかかってきた。

 

「ヴァニタス!!」


 ルーシュが心配の声で叫ぶ。

 しかし、このくらいのやつは右手の拳を軽く当てるだけで十分だ。


「うわぁぁぁ!!!


 見事に斧を持った男は吹き飛んだ。

 

「ヴァニタスは大丈夫そうね。それより私の方が、、、」


 ルーシュの持っていた二つの剣は吹き飛ばされた。

 流石に相手が人間でこんなにも多いと流石に無理か。


「じゃあそろそろ終わらすか」


 ヴァニタスは立ち上がった。

 するとある一人の盗賊が商人へと襲いかかった。

 その瞬間ヴァニタスは右手の親指と薬指を擦り合わせ"指パッチン"をした。

 するともの凄い音が響き渡り盗賊達へと雷が舞い降りた。

 もちろんの事、盗賊達は気絶した。


「これで一安心だな」


 商人は唖然としている。


「ちょっとヴァニタスこんな技を持ってるんだったら最初からやってよ」


 またプンプンしている。


「助けていただきありがとうございます」


 商人がお辞儀をしている。


「こっちこそ乗せてもらってる身だから」


 それから再び馬車に乗り1時間が経った。


「あっ、村が見えて来ました」


「めっちゃ懐かしいー」


 村の目の前へと着き馬車を降りた。


「ハイっ、これ」


 僕は商人に金貨を3枚渡した。


「えっ、こんな大金受け取れません」


「いいよっ、迷惑かけたし」


「えっ、でも」


 するとルーシュは僕の持っている金貨を奪い取り青年の胸へ"バァン"と拳を突きつけた。


「気にしないで良いのよ。受け取りなさい」


「は、はい」


 商人は戸惑った顔をしつつ金貨を受け取った。

 

「何なら私の体で払ってやっても良いんだけどね」


 とルーシュは耳元で胸元を見せつつ小さな声で言った。

 青年は顔が真っ赤にになっていた。


「そ、それではまたどこかで」


 一礼すると急いで馬車を走らした。


「あの子絶対童貞ね」


「早く行くぞ」


「うん」


 村の門をくぐり中に入った。

 とても大きな村とまではいかないがそれなりに人も子もおり景色も良かった。


「もしかしてルーシュなの!!」


 ある一人の女性の高い声が聞こえる。


「母さん!!」


 ルーシュと母の元へと駆けつけてハグをした。


「久しぶり母さん」


「いきなり帰ってきてどうしたの!?」


「たまたまここを用事で通りかかって」


「だったらゆっくりしていきなさい。いくらでもいて良いから」


「ところでそちらの方は」


「冒険者仲間的な感じ」


「こんにちはヴァニタスっていいます。よろしくお願いします」


 ルーシュの母に一礼をする。


「うちのルーシュが世話になったみたいでありがとうございます」


「いえいえ」


「ところでヴァニタスってさこの村に何のようで来たんだっけ」


「えっと確かルミっていうからの依頼だった気がする」


「もしかしてルミちゃんからの依頼かしら?ご両親共に病にかかっていて今は主に村長が世話をしているのよね」


 心配そうな声で言う。


「病か」


「私が家に案内してあげるわ」


「知ってんの」


「もちろん。私がこの村を出るときにルミ達は3歳くらだったからね」


 ルーシュに家へと案内された。


「ここよ。私は自分の家にいっとくから


「分かった」


 立派な家とは言えないがとても心地が良さそうな家だ。


「コンっコンッコンっ」


 ノックをする。

 すると、ゆっくりと扉が開いた。

 そこには幼い女の子が二人いた。


「お、お姉ちゃんこの人たち誰」


「もしかして冒険者さんの人達ですか」


 かなり緊張しているようだ親近感の持てる何かをしないといけないな。

 そう思い僕はしゃがみ目線を合わせた。

 そして手のひらを上に向くように右手出した。

 すると透き通った水でできた蝶々が現れ二人の葉へと止まった。


「何これすごくきれい」


 自然と声が出る。


「だろ」


「お兄ちゃんすごい」


どうやら喜んでくれたようだ。


「僕はヴァニタスっていう冒険者だよ。依頼してくれたのは君たちかな」


「はい、そうです。私はルミって言います」


「わ、わたしアミです」


 おそらくアミが年上だろう。


「良い名前だな」


「うん」


 元気な声で言う。


「ところで一つ聞きたいんだけどお父さんとお母さんが病気なんだっけ」


「うん。1ヶ月前から病気で全然治らない。だから森に薬草取りに行こうと思ったけど森は危険ってみんなに止められた」


 細い声で言う。


「ちょっと、お母さんの様子みても良いかな」


「う、うん」


 しっかりしたお姉ちゃんだ。

 妹は姉をずいぶん信頼しているようだ。

 両親が寝ているところに行き様子を見た。


「かなり悪い状況だね」


「だ、だから薬草を早く取りに行かないといかないの」


「けどちょっと待てるかな」


「う、うん」


 素直な子だ。


「あ、あなたは」


 苦しそうな声で母親が言う。


「僕は冒険者のヴァニタスといいます。勝手ながら家にお邪魔したことをお許しください」


「冒険者?、、、」


「そうなの。この人と一緒に薬草を取りに行くの」


「ルミ、、、なんて優しい子なの」


 父親の方は母親より苦しいせいか気づいてはいるが反応ができていない状況だ。


「ご心配なく。この子達の心配はお気になさらず」


「け、けど」


「だ、だいじょうぶだよママこのひとはしんようできるしおねえちゃんもいるし」


 母は少し驚いていた。

 おそらく無口な我が娘が珍しく喋ったからといったところだ。

 この子が話したのは会って初めてだからな。


「分かったわそれじゃあヴァニタスさんよろしくね」


「はい、お任せください」


 さて薬草を撮りに行く前に両親の病が何なのか調べておこう。

 そう僕の『なんでも解析!!』で。

 それに僕は医学の知識も豊富だから大丈夫だ。

 解析をしてみたところ魔力による体調不良のようだ。

 "魔浴風邪まよくかぜ"という病らしい。

 過度な魔力を一般人が浴びると体調を崩してしまう病だ。

 というのもこの世界は魔力が空気中に漂っているらしい。

 だから決して珍しい病ではないらしい。

 "インフルエンザ"といったところだ。


「あっ、そういえば」


 そう僕はラミアから精霊の泉の水を分けてもらっていたのだ。

 あの泉の効果に病みを治す効果があったはずだ。

 そう思い僕は精霊の泉の水が入った瓶を取り出した。

 ちなみにラミアから量産の許可は一応得ているからそれぞれ効果ずつで『複製コピー』をしている。

 治癒に関する効果は全て一つに『統合とうごう』をして今は10本程ある。

 精霊の泉の価値が下がる気がするが本当に良かったのかな、ラミアは気が軽いやつだ。

 まっ、本人がいいって言ってるし良いか。


「これを飲んでください」


 瓶を渡す。


「これは?」


「きっと良くなると思います」


 瓶の水を飲むとルミの母は先ほどとは火にならないくらいに顔が良くなっていた。


「どうですか」


「一体どういう事ですが?」


 驚いた声で言う。


「治癒の効果のある水を飲ませただけです。お父様の方も早く治しましょう」


「は、はい」


 もう一本瓶を取り出し父の方にも瓶の水を飲ませた。

 もちろん状態は一瞬で良くなった。


「こ、これは一体?」


「この方が直してくださったのよ」


 ルミの母親が泣きながらいう。

 それほど嬉しかったのだろう。


「な、何と感謝を言ったら良いのか」


「大丈夫ですよ。この方が危険も無く病気を治せますから」


 薬草を取りに行くのもいいがせっかく効果を試す機会だったし良かった。

 万が一治らなくてもこの場で僕の力で治せたから大丈夫だけどな!!


「お兄ちゃんありがとう!!」


「あ、ありがとう」


「うん!良かったな」


「あのぉぜひ何かお礼をしたいのですが」


「大丈夫です。ルーシュの家に行くんで用があったら来てください」

 

 そうして僕はルーシュの家へといった。


「ここだよな」


 すると扉がいきなり開いた。

 ちなみに引き戸。


「よっ、ヴァニタス!!」


「ねえ、扉当たったんだけど」


「あっ、ごめん、、、」


 困ったやつだ。


「ところで薬草の採取は大丈夫なのか」


「その必要はなかったぞ」


「どういうことだ!?」


「ほら見ろよ」


 ルミ達の家を指をさす。

 そこには元気な4人家族が揃っていた。


「えっ、病気治ってんじゃん」


「イエス、イトゥイズ!!」


「私村長呼んでくる」


 それからルーシュは村長を強引に引っ張りながら連れてきた。


「年寄りにはもうちょっと優しくせい!!」


「良いから来てよ!!」


「ほら見てよ」


 村長は驚愕の目で見ていた。


「ルール達よ大丈夫なのか」


 上の名前はルールなのか。


「村長その方がお救いになってくださったのです」


「こちらのの方が」


「そうよ何だかわかんないけどヴァニタスが救ったのよ」


 何故かルーシュは自慢げに言う。

 村長が自分のところに腰を曲げながらくる。


「私は村長のクージと申します。お名前を伺ってもよろしいですか」


「僕はヴァニタスといいます。ルーシュと一緒に一時的に冒険してるものです」


「ヴァニタス殿ですか是非とも我々の村で歓迎したいと存じます」


 ルール家一同お辞儀をしている。


「歓迎をお願いされるのは変な感じだけど分かったよ」


 すると何やら森の方から騒音が聞こえた。


「何じゃこの音は」


 村長は慌てた声で言う。


「村長、灰狂狼グローフウルフがやってきました」


「何じゃと!!」


 かなり慌ただしい様子だ。


「えっ!!灰狂狼グローウルフってBランク級じゃん」


 ルーシュでも驚くレベルなのか。


「村長あの魔物僕に任せてもらって良いかな」


「ですがあの魔物は強力ですぞ」


「大丈夫心配ご無用です」


「その自信のある顔あなたに託しましょう」


「じゃあチャチャと片付けるから歓迎会の用意でもしといてくれ」

 





       《能力の説明》


   『なんでも解析』・・・ありとあらゆる物を解析することができる。生物でも物質でも概念でもなんでも分かっちゃうぞ!!"森羅万象"も便利だがこっちの方が凄いぞ。





 

 


 

《能力の説明》って言うのあるじゃないですがお決まりみたいな感じで書いていきます。


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