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ヴァニタスの黒白   作者: 虚白ラート
異世界編〜始〜 冒険者編
3/17

02話 ルーシュの実力

 朝になり僕とルーシュは森を出ようと歩いていた。

 すると大蛇のような魔物が現れたのだ。

 体は白く目は紫色であった。


「こいつは大物よ」


 ルーシュは剣を構えた。


「手伝おうか」


「いいえ大丈夫よ。昨日はたまたま油断していただけ、私だってこれでも今Bランクの審査中なのよ。これぐらい倒せなきゃ私のプライドが許さないわ」


「それじゃあ僕は引っ込んでおこう」


 この蛇はどうやらこの魔物は猛毒白蛇(ハイリースネーク)という"B-"ランクといった魔物らしい。

 何とかCランクの上位者でやっと倒せるかどうかといった所だ。


「火炎魔法・紅蓮の投的」


 ルーシュが詠唱をすると魔法陣が二つ現れ赤い矢が現れ蛇へと射る。

 しかし蛇は尾でその矢を鞭のように払う。


「一筋縄ではいかないようね」


 すると蛇は毒の霧を噴いたのだ。


浄化の網壁(クリーンウォール)


 ルーシュの目の前に透明の壁が現れ毒を防いだ。


「意外と強いな」


 ヴァニタスはルーシュ感心していた。

 ルーシュは蛇の上へと飛び上がり剣を両手で構えた。


爆炎断(ばくえんだん)!!」


 蛇の体は真っ二つとなりさらに蛇の体を燃やし殺した。


「よっし!何とか倒せたわ」


 ヴァニタスは拍手をしている。


「マジでBランクでもおかしくない戦い方だったぞ」


「嬉しい言葉ね」


 ただ単に剣を振るうだけだと思っていたが魔法も身体能力も申し分ない高さだった。


「それじゃあ倒してくれた事だし行こっか」


「そうね」


 それから長らく歩いて森を出た。

 

「やっと森を出れたわ」


「森も出れた事だしさっそく村に案内してくれよ」


「もちろんよ。確かここからなら一時間くらいだった気がするわ」


 それから30分後"トラーン"という名前の町に着いた。


「ここで一旦休憩にするか」


「そうね。まずは宿を見つけなくちゃね」


「お金はあるのか」


「あっ、」


 まったく困った奴だ。


「しょうがない僕がお金を出してやる」


「まじか!サンキュー!」


「それじゃあ適当に宿を探すか」


「んふふっ」


「何笑ってんらんんだ」


宿屋を見つけ中に入った。


「いらっしゃい」


 店員は60代くらいの老婆だった。


「一部屋どのくらいだ?」


「ドルプ銅貨3枚ですね」


安いもんだな。


「それでは一部屋でよろしいですね」


「いや2部屋でよろしく頼む」


「おやそちらの彼女さんと泊まらなくてよろしいのですか」


どうやら勘違いしているようだ。


「いえこの女は単なる連れなので」


「おやおやそうでしたかそれは失礼しました」


 金貨一枚を渡す。


一応説明しておこう。

 この世界での通貨としては基本的にこういうふうになる。


 ボトム銅貨10枚=ドルプ銅貨一枚 

 ドルプ銅貨10枚=銀貨1枚 

 銀貨10枚=金貨1枚


 君たちの地球でいえば百円、千円、1万円、10万円という順だ。あくまでも僕の予想だけどな。

 僕は金貨をだいたい二千枚ぐらいもっている。

 つまり、2億円という計算になる。


「お客様お釣りのなんですが銀貨が8枚しかないので残りはドルプ銅貨でのお渡しになるのですがよろしいですか」


 少し困らせたことをしたな。


「お釣りは要らないからそれは受け取ってくれないから」


「よろしいですのか」


「うん」


「それではありがたくお受け取りします」


 こんなにも安い額でやっていると金貨なんてまぁ見ないのだろう。

 それに反しルージュは先ほどから落ち込んだ顔をしている。

 鍵はきちんと閉めとかないといけないな。

 

 案内された部屋は二階の左はしだった。

 ルーシュの部屋はよりによって僕の隣の部屋だ。


「ごゆっくりお過ごしください」


 そういうと宿主は階段を降りていった。


「部屋で休憩するかそれとも食事を済ますかどっちにする?」


「そりゃあもちろん飯だろ」


 "奢ってください"っていう目をしている。

 お金を多めに持ってきといて本当に良かった。

 

「じゃあ一旦荷物だけ置いてご飯に行くか」


 それから僕は荷物といっても元々何も持ってなかったぼくは扉の前で10度待っていた。


「待った!?」


 元気陽々(げんきようよう)(明るく元気な事:造語)と部屋を出てきた。


「遅いっ!!」


「いや〜ごめんごめん。ちょっと寝てた」


「ちょっとて、一時間もだろ」


「てへぺろ!」


「さっさと行くぞ」


「了解!!」


 女性の部屋に許可なく入るのはデリカシーがないと思って入らなかったが流石に待ちすぎたな。

 時計を見ないと時間感覚が合わなくなるから時計でも買おう。


「どこの店にする?」


「そうね、あそことかどう?」

 

 地下&ドクロの看板って、まぁいっか。


 店の中に入るとこの前のギルドの酒場より怖いな。


「いらっしゃいませ」


 店主は少し筋肉質な男だ。


「うひょーー、姉ちゃん俺の席に来ないか」


「いやあの女は俺のもんだそ」


 スケベしか居ないな。

 僕らは空いていた4人席に座った。


「ご注文はなににしますか」


 看板に載っていたメニューを見る。


「じゃあ僕はパスタで」


「私はハンバーグ」


「20分程で出来ますのでお待ちください」


 出された水を飲む。


「この後どうすんの?」


「金貨10枚やるから好きなもんでも買えば」


 ルーシュに金貨を渡す。


「まじか!!ヴァニタスって太っ腹だな」


 さっきの男の一人がルーシュの肩を組み隣の席に座る。


「なぁ姉ちゃん今日の夜は俺と一緒に一発やわねぇか」


「私は強い男が好きなのよ」


「俺は結構強いぜ」


「だったらそこにいるヴァニタスに傷をつけれたら今日の夜を一緒に過ごしてやっても良いけど」


  〜二次被害〜


「兄ちゃんそういう事だから申し訳ねぇけど大人しくしといてもらえるか」


 男達が武器を振りかざしてくる。

 僕は水を一杯飲み干す。


 そして、ボコる。


「はぁ、困ったもんだ」

 

「"トマトとミートボールなパスタ" と"イノシシのハンバーグ" です。」


 美味しそうなパスタだ。


「お客さん強いんですね」


 見た目とは逆の優しい口調だ。やはり偏見は良くないな。 


「そうよヴァニタスはめちゃくちゃ強いんだよ」


「そうなのですか。それはとても心強い方ですね。少し話がズレるのですが明日勇者祭というものがあるので是非見ていかれてはどうですか」


「勇者祭?」


「勇者祭というのは昔この町で勇者様が厄竜(やくりゅう)からお守りしてくださったことを讃える為の祭りです。腕相撲大会があるのでそれに参加してはどうでしょうか」


「祭りか」


 そういうと店長は戻っていった。  


「ねぇ、お前達」

 

「はいっ、姉さん何でしょうか」


 さっきボコしたやつ達がどうやらルーシュの下部というふうになったみたいだ。


「腕相撲大会ってなんか賞品とかあるの」


「確か毎年腕相撲大会に参加する男がいるのですがそいつは一度も負けた事なく仮にも負けたら金貨10枚かけてやっても良いって言ってました」


「金貨10枚ね」


 僕の方をちらっと見る。   


「僕はやらないしさっき同じ金額を渡しただろう」


 強欲なやつだな。


「金貨がほしいなら自分で出なよ。貰える保証は無いと思うけど」


「姉さんの願いだぞ。大人しく聞きやがれ」


 あれっさっきボコられて記憶が飛んだのかな。

  

「まぁ、落ち着きなさい」


 ルーシュが男の耳元で何かを話す。


「変な事企んでないだろうな」


「そんなのするわけないでしょう」


 ご飯を食べ終え今後必要になりそうな者をそれぞれ買った。

 ほとんど私物品だけどな。


「ヴァニタスはなんか買わないの?」


「うん。あんま今要らないからな」


 ルーシュはアクセサリーや武器やポーションを買った。


「じゃあ僕は先に宿に帰って寝るからな」


「オッケー」 


 僕は宿屋に帰りベットに入って眠った。

 といっても単なる瞑想だ。

 僕は眠らずとも大丈夫なのでベットに入ってもぼーっとして一日を迎えるだけだ。

 だから基本的に24時間行動だ。


 その頃ルーシュは先ほどの男達と話していた。


「つまりあそこに行けば腕相撲の申し込みが出来るわけね」


「そういう事です」


「だったらさっさと申し込んでくるわ」


「姉さん俺たちはどうしたらいいですか」


「きっと今ヴァニタスは寝てるはずよだからその内にロープで体を縛っときなさい。気づかれないようにね」


「了解です」


 ルーシュは勇者の像のとなりにある受付場に行った。


「見ない顔だね」


「冒険をしている者なんで」


「そうなのか」


「ここが勇者祭の腕相撲の受付場よね」


「そうたけどもしかして出るつもりなのか」


「うん、そうなんだけど出るのは私じゃないの。一緒に冒険してるヴァニタスっていうやつなんだけど今寝てるから私が代理で申し込みに来たって訳よ」


「そうなのか。もちろん冒険者でも腕相撲大会には大歓迎だ。優勝できるように応援するぜ」


「ありがとう」


 その頃男達は命令通り宿屋の2階に事情を説明して上がることができた。


「良いか一切音は鳴らすなよ」


「了解だ」


 小さな声で返事をする。

 男が扉のノブを下げる。しかし鍵がかかっており開かない。


「どうするんですか」


「こんなことは想定内だ。安心しろ」


 ナイフでドアの開く部分を削り取った。


「これで侵入成功だ」


 と思いきやヴァニタスは扉の目の前に立っていた。


「やっぱりな」


「これには深い訳がありまして」 


 ヴァニタスはハリセンで男達を一人一人の頭を叩いた。


「何でルーシュのいうことを聞いたんだ」


「だって言う通りにしたら胸を揉ましてくれるっていったから」


「ったくやっぱりそんな事だと思った」


 行動力だけは一人前だな。


「さっさと出て行け」


 ルーシュ、侮れないやつだ。

 壊れた扉をの一部を元通りにしてまた鍵を閉めて部屋で休憩をした。


「えっ、失敗したの!!」


「はいっ、すいません」


「こうなったら私自身でやってやるわ」


「流石です姉さん」


 ルーシュは自分の買い物を全て済まして宿へと戻った。

 ヴァニタスの部屋の扉をノックする。


「なんだ」


 扉を開ける。 


「明日何時くらいに出発するか聞いておこうと思って」


「そうだな9時くらいで良いんじゃないか」


「分かったわ」


 僕は見逃さなかった。

 ルージュかドアの鍵の部分に魔法を仕組んだのを。

 おそらくこれは魔法によって部屋の外からでもかぎをあけることができるまほうだろう。

 別にわざわざしなくて外からでも魔法でロックは解除できるのに。

 万が一の対策だろう。

 もちろんのことこの魔法は消して外からも魔法をかからないように結界を張った。

 これで一安心だ。


 時刻は一時になった。 

 その頃ルーシュはベットから起き上がってヴァニタスの部屋へと侵入しようとしていた。


「さっきかけた魔法で多分部屋の鍵は開けられるはず」


 忍び足でヴァニタスの部屋へ行き魔法の詠唱をする。


「アニゴ・ベサム」


 扉の鍵は開かない。


「おかしいね、だったら念のために仕掛けておいた方にするわ」 

 

「アンディドラシ」


 もちろん扉の鍵はなんの反応もしない。


「こうなったら最終手段よ」


 自分の部屋に戻り剣を取りヴァニタスの方の壁にぶっ刺した。

 そして長方形を描くよう壁を切り取った。


「よしっ!!これで侵入、」


 と思いきやヴァニタスが正座をしてルーシュの方を見ていた。


「あっ」


「何壁切ってんだよ!!」


「ごめん」  


 ルーシュはベッドの上で土下座をする。


「これにこりたら諦めろよ」


「は、はい」


「それじゃあさっさと寝ろよ」


 切り取られた壁を超能力で元に戻す。


「やっとゆっくりできる」


 次の日の朝…


 ヴァニタスは自分の部屋を整理して出る為の支度をしていた。

 その頃ルーシュはどうしていたかというとぐっすり眠っていた。


「おーい起きろもう9時半だぞ」


 結構待ってしまった。

 まぁ、疲れていたと思うし許してあげるか。

 起こさなかった自分も悪いからな。


「まだ眠い」


 と言ってるその瞬間ルーシュは腕相撲大会が10時からあることを思い出したのだ。   


「今すぐ用意する!!」


「何だ急にいそいで。まっ、その方が良いんだけどな」


 ルーシュは早急に支度を済ませる。


「チェックアウト先に済ませとくぞ」


「うん」


 ヴァニタス行きは受付へと行きチェックアウトを済ませた。


「昨晩はどうでしたか」


「良かったよ」


「それは良かったです」


「今日は勇者祭というものがあるので是非見て行ってください」


 また来年にでも来れるしとりあえず今日は村に向かうとしよう。


「考えておくよ」


 激しく階段を降りる音が聞こえる。


「お待たせヴァニタス」


「早く行くぞ」


 宿を出て町を出ようとしたらルーシュに腕を掴まれて勇者祭をする場所へと無理矢理連れて行かれた。


「僕は何度も言うけど勇者祭には出ないよ」


「もう名前を記入しちゃたから出てもらいないと困るのよ」


「困るって、身勝手な奴だな」


 しょうがないちょっとした暇つぶしにはいいか。


「朝早くからお集まりいただき感謝します。この勇者祭を任されたルーブです。この勇者祭は昔このまちを襲った厄竜(やくりゅう)を倒した勇者を讃えるための祭りです。私からの言葉は以上です」


 民の拍手が空に広がる。

 そうして勇者祭は開かれた。

 中央では踊っているものがいたりご馳走が並んでいたり酒で酔い潰れる奴もいる。

 そして腕相撲をしている奴もいる。

 腕相撲は本来勇者祭には無かったらしいがなんかいつの間にか腕相撲大会も勇者祭の一つの行事になっていたらしい。

 「逃げるつもり」と言われるのも面倒なので参加しよう。


「腕相撲番号1番の方と20番の方こちらの方にお集まりください」


 何だよ腕相撲番号って。

 

「ヴァニタスは20番だから早く行きなよ」


 ルーシュがワクワクした目で言う。


「ちゃちゃっと済ませてくる」


 相手は噂の腕相撲大会を連覇してるグリラだ。

 かなりのマッチョで顔に刺青がある。


「兄ちゃん見ない顔だなもしかして冒険者か」


「うん」


「少しは楽しませてくれよ」


 自信満々の声で言う。


「冒険者さん相手が悪かったなコイツは元々Bランクのギルドだっだんだぜ」


 ということはルーシュと互角もしくはそれ以上の強さか。   

 僕の手とグリラが手を組む。

 分厚い手だ。

 審判が二人の手の交わる部分に手を置く。


「レディー、ファイトッ!!」


 審判の手は勢いよく離れる。

 それと同時ににグリラが力を入れる。

 しかし僕は微動だにしない。


「おいおいグリラ早く力入れろよ」


 観客の一人が言う。


「お、おう」


 (何だコイツ思いっきり力を入れてるのに微動だにしないい。いつもなら俺が一瞬で相手の手を机につけて終わるのに)  


「こんなものなのか」


「手加減してるんだよ、」


 焦った声で言う。 

 グリラが全ての力を腕に注ぎ込む。


「何だと、」


 それも全くもって無意味。

 そして、もう自分の手は机についていたのだ。


「はい、終わり」 


「ナイス!!ヴァニタスこれで金貨10枚ゲットよ」


 やっぱり目的はそれなのか。


「3枚はヴァニタスにあげるから許して」

 

 しかも僕の方が少ないのかよ。 

 すると、なにやら悲鳴が聞こえてきた。


「家が燃えてるぞ!!」


「あれは炎吹竜(フロストドラゴン)だ」


「何だそれ」


「あれは昔勇者様が倒したはずの(ドラゴン)なのになぜまた現れたんだ」


 住民の一人が呟く。


「なるほど」


 町は混乱状態である。


「恐らくあれは勇者とやらが倒した(ドラゴン)の子供だろう」


「何だって」


 どうしようコイツ殺すか殺さないか迷うな。


「皆さん落ち着いてください町の騎士が足止めをするので指示に従ってください」


 ルーブが焦り声で医う。


「くそっ、どうしたら良いんだ」


「あの(ドラゴン、)僕に任せてもらっても良いですか」


「君は!?」 


「通りすがりの冒険者です」





何か超能力で壊れた壁戻すシーンがあると思いますけれどもイメージ通り単に戻すだけなので説明はふくみませんでした。

 後書きは自分の好きなことを書くコーナーみたいにします。


 あと

  《明けおめ》です!!

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