表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
白馬の背中に跨がるのは  作者: 白百合三咲
4/7

病弱な令嬢

「お嬢様宜しいのですか?」

「平気よ、ばあや。心配なさないで。」

麻友子はこちらの女学校にいる間は父が所有する別荘に数名の使用人と暮らすことになった。

「しかしお嬢様、今日は編入初日ですし、もしものために馬車で行った方か宜しいのでは?」

「ばあやは心配症ね。わたくしが平気と言っているじゃない。」

麻友子は乳母がとめるのも聞かず家を出る。



「ばあやったらいつまでわたくしを子供扱いするのかしら?わたくしはこんなに元気なのに。」

麻友子は墓地の前の道を歩きながら乳母への不平不満をこぼしている。麻友子は幼い頃夏になると毎年別荘に遊びに来ていた。そのときに見つけた抜け道なのだ。

墓石はどれも花が添えられ手入れされている。遺族が近くに住んでいてお参りによく来ているのだろうか?しかし1つだけ明らかに手入れが行き届いてない墓石があった。花も枯れ墓石の周りは草だらけである。麻友子がその前を通った時


「うっ」


突然頭痛に見舞われた。

「痛い」 

今すぐにでもしゃがみ込みたくなった。しかしここは墓地の真ん中だ。麻友子は重い足取りで墓地の道を抜ける。目の前は川原だ。麻友子は芝生へとしゃがみ込む。先ほどよりも少し気分が楽になる。

「君、大丈夫か?」

麻友子は声をかけられる。目の前には白い軍服姿で白馬に跨がる人物がいた。




「貴女のことジャンヌダルクかと思ったわ。」

麻友子は今朝の事を栞に話す。

「嬉しいこと言ってくれるじゃないか。彼女の伝記なら兄からもらった本を読んでいるんだ。」

「わたくしも入院中は外に出られなかったからずっと病室のベッドの中で読んでいたわ。お父様が送ってくださったの。」

「なあ、」

栞が麻友子の手を握る。

「今日の放課後僕の家に遊びに来ないか?」

麻友子は首を縦に振る。学校の帰りの友達の家に寄るのは初めての経験だ。





 その日の放課後。

「さあ乗って。」

麻友子はジャンヌの背に乗ると前にいる栞の肩を掴む。

「しっかり捕まっててね。」

憧れのジャンヌダルクの馬の背に揺られていく。

川原沿いの道を通り畑が見えてくる。近道に入っていく脇道に入ろうとした時


ひひーん!!


ジャンヌが鳴き声を上げる。

「どうしたんだ?ジャンヌ。」

ジャンヌは朝と同じで近道に入りたくないようだ。

「ジャンヌ、こっちの道ならすぐだろう。」

「わたくしもそっちはあまりいい気がしません。」

麻友子が栞の背後で助言する。

「朝通った時に荒れ果てた墓石の前で頭痛がしたの。」

「仕方ない。遠回りするか。」

栞は朝と同じく人通りはあるが時間がかかる道を選ぶことにした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ