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起きたら異世界でした。なので、もう一度ねます

作者: りつき

眠気に勝つ為に書きましたが、無理そうなので諦めました。


同じタイトルのを分けて書いただけですが。

「……。」


「おい、大智。起きろって!」


「……。」


「おい、大智。先生が……」


 シーンッと静まり返った室内の中、岡野大智はスヤスヤとそれはもう素晴らしい寝顔で、ヨダレなんか垂らして、深いふかーい眠りの中にいた。


「おーっ、かーっ、のーっ、大智ーーーーっ!!!」


「ふぁい?」


「キサマと言う奴は、どうしてこういつもいつもいつも眠ってばかりいるんだぁぁぁぁーーーっ!」


「ふぁ……い?」と言う位に〃眠り小僧〃という変名を持つ俺は、かくしてこの日も……。



「あーっ、いててててっ!!」と腰を押さえながら1年A組の教室に戻ってきた。


「で、今日はなんだった?」


「生徒指導の文を一字一句間違えずに書け、だってさ」


「そこまで言ったのか……」


「流石に、反省文を書かせても、本人がこれじゃぁなぁ」


「俺、帰る……」


「ま、待てって! 送ってくから!」


 どうしてこんなに眠いのか?はわからない。中学に入ってから、異様に眠く、ついた変名〃眠り小僧〃だ。


 あまりにも酷いから、大きな病院でくまなーく検査してもらっても、原因が分からない。


 まぁ、それなりに?頭はいいから(自惚れ?)、いきなりテストになってもやってけるのだが。


 月に2度は、救急車で運ばれたり、お巡りさんに送ってきて貰ったりで、ある意味、有名になってしまったが。


「いつも、ありがとうね!」


「いいえぇーー。友達ですから!」


 俺というバトンは、木崎から岡野母へとバトンタッチされ、家の中へ入って言ったのだが……。


「おかーさんっ!! 大智、また変なとこで寝てるーーーっ!!」と半分寝てる状態で、その為に作られた俺の部屋へと運ばれ、放置されるのが日常。


「眠い……」



「んぅっ!! よく寝たなぁ。いま何時だ?」


 枕元に手を伸ばすも、時計にぶつからず、目を開けた。


「……んだ、ここ」


 自分の部屋ではなかった。部屋には部屋だが、なんというか、ボロい?中は、少し薄暗く隙間があるのか、外の光が入り込んでいた。


 埃臭さやカビ臭さこそ無いけれど、シーンと静まり返ってて……。


「夢……だな。寝るか」


 再び、寝ようと身体を寝床に沈めた瞬間、どこからか声がした。小さかった声が、段々と大きくなって、


 バババババギィッーーーッ!!


 ドォーーーーンッ!!とそれはまるで、映画ののように、俺の真上……、そう、顔の上に落ちてきて……。


 オカノタイチ、シス!という電報が打たれても、おかしくない状況に見舞われた。


「シ、死ぬ!! くる…じっ! だ…が!」


 顔の上に乗っかった物を取ろうとしても、動けず、もがく。


 で、やっと顔が、楽になったと思ったら……。


「えーっと、誰? ここの人?」


 目の前に人はいた。


 ヒラヒラとした純白のワンピースみたいな服、銀髪の長い髪は軽くウェーブが掛かっていて、クリッとした目は、水色みたいな緑に見えた。


「誰?」と再び聞いて、やっと聞けたのは、


「えっと、岡野大智くん! あなたは16歳でこの世を去りました。つきましては、あなたに! この素晴らしい! 世界で! 過ごして頂きたいです?」


 どこかで聞いたようなタイトルにも受け取れるし、最後の疑問符が気になるが……。


「眠い……」


「駄目です!」


「寝かせて?」


「いや!」


「…じゃ」と寝床へ横になろうとすれば、


「ど、ぼ、じ、で、で、る、ん、で、ず、がぁぁぁぁぁっ!」といきなり泣き出すは、俺の身体をガクガク揺らすは、で……。


 永久的に寝かせられそうだったから、起きてはみたが……。



「で、あんた誰? ここの人?」


「違います。私の名前は、アイラ・ハット・クロノス。いわゆる、全てを司る女神です」


「……ふっ」


 このチビっ子が、女神?!


 だって、女神っていやぁ、ボンキュンボンのおっぱいがたわわんな人で、綺麗なんだろ?


 それなのに、こいつは……、


 チビでペタンじゃねーの!!


「あなたいま、私を卑猥な目で見ましたね?!」


「…ひわ…い? お嬢ちゃん、その言葉の意味知ってる?」


「お嬢ちゃんじゃないぃぃぃっ! 女神なのーっ! ほんとなんだってばぁぁぁっ!!」


「……。」


 泣くは、喚くは、うるさい!


「はいはい、女神ちゃんね。わかったから、続けて?」


「だーかーらーっ!!」


 スタッとテーブルみたいなところに乗るのはいいけど、あなた靴履いてますよね?


「おい、靴! 脱ぐ!」


「はい」


 自称・女神は、テーブルから降りて、今度は椅子に座った。


「岡野大智くんっ! あなたは、眠い眠い病で、呆気なくこの世を16歳という若さでさりました。非常に悲しいです。なので、そんなあなたには、この素晴らしい世界で過ごして頂きたいと思いますッ!!」


 若干、言葉を変えられた?あと、最後なんで元気に言った?と突っ込みどころ満載である。



「でもさ、異世界にきて何すんの?」


「えーと、それは……」と後ろを向いてなんかゴソゴソしだして、


「なんでもいいんてます。美味しいものを食べてもいいし、妖精や聖獣、精霊をテイムして旅に出たり、魔法を使って、空を飛んだり! とにかくっ! この世界では、思った事がなんでも出来ちゃう! って、書いてありました」


「どこに?」


「女神のしおりですっ! ほら、ここに! っ!!!」


 自称・女神は、冷や汗をおでこに表し、目がキョドッて、手をモジモジしだした。


「魔法、確かに使ってみたいな。聖獣とかもみてみたいし、そのテイムってなんでもできるの?」


「はい! この世に存在するモノなら、なんでも出来ますよ!」


「なんでも? 生きてればいいの?」


「はいっ! テイムしますか?」


「うん、わかった。じゃ、言うよ? アイラ・ハット・クロノスをテイムします」


「え? えぇぇぇぇぇぇっっ!!!」と驚いてた女神の身体が、キラキラしだして大人しくなった。



「じゃ、さ。魔法は? ステータスって見れるの?」


「はい。頭の中で、ステータスオープンと言えば見れます。それには、名前とか職業とか色々書いてあります」


 おっ?これはこれは……良いではないか!


 なになに?


 Lv1


 HP→20


 MP→30


 で、職業は?


「……。なぁ、1つ聞いていいか?」


「なんですか?」


「なんだい、このサボり魔ってのは!! これが、職業って、おかしくねっ?!」


「でも、事実ですよ?」


「だとしても、俺、他の職業の方が良かった」


「例えば?」


「魔術師とか、戦士とか、騎士とか、僧侶とか、いっぱいあるだろうが!!」


「そんな怒らないで下さいよ。じゃ、具体的に言って下さい。書き換えますから」


 は?出来んの?マジ?


「そうだな。頭が良くて、魔法が使えて、腕っ節のいい職業!」


「勇者は、かなり強いし、魔法も使えたりしますよ? それにしますか?」


「やだ。俺、血見るの苦手」


「……。他は?」


「王子様!」


「は? なに寝言言ってるんですか? 王子っていう顔じゃないでしょ!」


 いま、さりげなくディスったよね?傷口に塩塗り込んだよね?


「商人とか遊び人とかは?」


「遊び人? 今も学校で遊んでますよね?」


「……。じゃ、賢者は?」


「いいと思いますよ? 下級? 中級? 上級職にしますか?」


「違いわからんから、中級で!!」


「わかりました。魔法で、使ってみたいのとかあります? ま、ポイントが少ないので、ヒール、ファイヤー、ウォーター位ですが」


「あ、んーじゃぁ。魔法は、ヒールで、スキルは、空間収納、つまり、アイテムボックスが良いかな」


「して、そのこころは!」


「中に入ったら寝れるかなーと」


「……。ダメ人間ですね。あの中に人間なんて入ったら死にますよ?」


「じゃ、探索で」


 そして、幾つかの魔法とスキルがついた。



「じゃ、そゆことで」


 再び、寝床へ……。


「何してるんですか? こんな昼間から」


「何って、寝ようかと」


「寝れませんよ? こんな昼間から寝てる賢者なんていませんよ? なに寝ようとしてるんですか? あなた、バカですか?」


 ディスりすぎじゃね?


 つか、賢者って昼寝しないの?寝るのは、夜だけ?


 教えて?自称・女神さん!


「中級と言えど、賢者は賢者です。さ、早く勉強して下さい! 一に勉強、ニに勉強、三四がなくて、五に女神ですからね! 私も大事にして下さいよ?」


 なんか、最後のおかしくね?


「ま、勉強ね。勉強…勉強…べん……」



 ピピッ……ピピッ……ピピッ……と軽やかなアラームで目が覚めた俺。


「あれ? ここは、俺の部屋だ、な?」


 時間を見ると、もう6:30だった。


 制服を着、鞄を持って下のリビングまで行けば、父さん、母さん、弟の天が、鳩が豆鉄砲食ったような顔をしてた。


「なに、みんな揃って変な顔して」


「大智、お前眠くないの?」


「お兄ちゃんが、起きてくるなんて、この世の終わりが近いかも?!」


「母さん! 酒だ! 酒もってこい!」


 そして、学校でも……。


「教師にぬって早三十年! あの大智くんが、朝から普通に起きてるだなんて!!」


「……。」


「先生は嬉しいですっ!」と抱きしめられた俺は、気持ち悪くて鳥肌立ったわ。


 あれは、夢だったのか?夢にしては、なんかリアルだったような?


 …にしても、今日はいい天気だ。


 こんな日は……なんだろ?いつも、なんかしてたような気もするが……。何をしていたのかが、思い出せない。


「ま、いっか。その内思い出すだろうし」



「……。」


「アイラちゃん? あなた、また、ママがいない時に、夢幻鏡を使って遊んだんですってねぇ?」


「あ…はい。ごめんなさい。お母様」


 おかしい。なんでバレたの?!


「アイラちゃん? 私言いましたよね? 勝手に使ってはいけないと」


「はい」


「アイラちゃん?」


「はい」


 私は、おパンツを脱いで、お尻をお母様に見せた。



「ぴぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」


 あ、どこかでなんか鳴いてる。鳥か?


 いえいえ。泣いていたのは、女神見習いのアイラ・ハット・クロノスです。

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