神殿へゆく
三歳になった。この一年余りはずっと鍛錬につぎ込んでいたので随分とステータスも伸びた。
イリヤ・フェリクス 人族 男性 3歳
ステータス
HP 80 MP 5600
力 128 頑強 324 魔力 3400
知力 220 器用さ 114 運 300
スキル
魔力操作 身体強化 器用さ上昇 並列思考 多重魔法
EXスキル
鑑定 想像魔法 完全記憶 完全隠蔽
加護
ローゼアンヌの加護
シャガネイアの加護
称号
異世界転生者
努力家
ポジティブ
いや、伸びすぎたかもしれない。途中から筋トレも自重では足りなくなりどこぞの野菜の星の戦士のように魔法で重力を加算させていたため、すでにバッセンよりも力が強い。トレーニングと倦怠感で頑強が伸びたのには驚いた。もしかしたらこの世界の魔術師はすごく打たれ強いのかもしれない。
並列思考と多重魔法は筋トレをしていたら身についた。重力魔法や身体強化魔法、筋繊維を治すのに回復魔法を使っていた結果である。
ともあれ、ステータスを振り返っていたのは本日、鑑定を行うためである。三歳になったので教会で洗礼を行うのだ。そこで鑑定の魔導具を使い両親と共に確認する。まぁ俺は普段から見ているうえに両親には隠して見せるのだが。
ということで現在は馬車で移動中である。何気に屋敷の敷地から出るのは初めてなので窓から外を眺めるのが楽しい。どうやら下水道がしっかりしているのかそこまで変な臭いもない。
「イリヤは二歳になる前から鍛錬していたからな。力は高いだろう」
「あら。イリヤは頭がいいし私と勉強してたから知力の方が高いんじゃないかしら」
なにやら両親が騒いでいるが無視である。今は久しぶりにローザ様と話すことができるかもしれないということで何を話そうか考えるのに必死なのだ。もっとも並列思考があるので聞いてはいるが。
教会に着きまずは神父様とご挨拶だ。
「お久しぶりです、パウル様。今日はご子息の洗礼式ですね?初めまして、坊ちゃま。私は創神教会の司教、アライムです。どうぞよろしくお願いします」
「初めまして。フェリクス家三男のイリヤです。本日はよろしくお願いします」
「利発そうなお子さんですね。さあ、さっそく洗礼式としましょう」
洗礼式と言っても祭壇で祈るだけである。さっそく祭壇に向かい祈った。
(ローザ様、ローゼアンヌ様。おかげさまで楽しく過ごせています。この世界に呼んでくださってありがとうございます)
ローザ様の綺麗な姿を思い浮かべながら祈っていると声が聞こえてきた。
(創世神様の神殿で私に祈るとは罰があたりますよ?でも変わらずに祈ってくれてありがとう。あなたの祈りは心地いいわ)
ローザ様の声が聞こえてきたことで安心し、約束を思い出す。
(お声が聞けて嬉しいです。創世神様には後で祈りと謝罪をします。…以前仰ったように頼りたいのですが運を上げるにはどうすればよいでしょう?産まれてから一度も上がっていないのです)
(まあ、お願いを覚えていたのね。運を上げたいのなら私の神殿で祈りなさい。そうすれば私が上げることができます。ただあまりステータスに頼り切らない方がいいわよ)
(忠告ありがとうございます。今度はローザ様の神殿でお祈りします。周りが心配するので今日はここまでに。シャガネイア様にもよろしくお願いします)
(ええ、あなたはシャガネイアの神殿にはまだ行き辛いものね。わかったわ。次を楽しみにしているわ)
ローザ様との会話を終え、創世神に謝罪をしてから振り返った。
「随分と熱心に祈っていたな。さあ、鑑定に向かおう」
どうやら両親はあまり信心深い方ではないようでアライム司教に寄付を渡し、歩き出した。
「これが人を鑑定する魔導具だ。ここを触ると上の板に表示される。さあ、触ってごらん」
案内された先で見たのはA3くらいの大きさの板に丸い石が付いた台座があるものだ。石には魔力が通っているのが分かるので魔石だろう。急かされるままに触れてみた。
イリヤ・フェリクス 人族 男性 3歳
ステータス
HP 80 MP 560
力 128 頑強 324 魔力 340
知力 220 器用さ 114 運 300
スキル
魔力操作 身体強化 器用さ上昇 並列思考 多重魔法
EXスキル
完全記憶
加護
ローゼアンヌの加護
称号
努力家
完全隠蔽ではまだ隠すだけで足すことが出来ないのでいくらか削ってみた。
「天才だ!やはりうちの子は天才に違いない!」
「いえ、称号をご覧なさい。やはりこの子は努力の子なのよ!」
両親ともに大騒ぎである。正直天才や努力で片づけられるステータスではないのだが、喜んでいるので黙っていよう。
「父様と母様の指導のおかげです。あとはEXスキルの完全記憶と…ご加護のおかげでしょうか」
適当にはぐらかしたがテンションの高い両親は狂喜乱舞している。帰ったらセバスに引き締めてもらわねば。
その後テンションのあがった両親に連れられてローゼアンヌ神殿に行きローザ様の苦笑いする声は忘れたくとも忘れることができず悩むことになった。




