表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勝利と幸運の女神さま  作者: 龍太
4/6

鍛錬開始

魔法を使えるようになってから半年が経った。遂に頼んでいた本が届いたのだ。これでようやく魔法の勉強ができる。この半年は魔力操作と生活魔法しか魔法の訓練はできなかったが、なかなか楽しかった。屋敷のある本を読み尽くしたり、魔法の特訓と称してバッセンのところで料理の補助をしたりしていた。おかげで日本食への道も一歩進んだ。気がする。


「イリヤ様、魔法に関する論文が届きました。今は書斎の一角に置いてありますが如何致しますか?」


「全部僕の部屋に置いておいて。何があるか一通り見てから読み始めるから」


 サラに頼んで持って来てもらったものの結構あるなぁ。魔法概論、魔力操作の訓練・結果、詠唱の意味・法則、属性相性と混合魔法、古代魔法と元古代魔法etc…。二歳未満の子供には難しいだろう物が多いけどどういう基準で選んだのだろう。まぁ一通り読んで常識を学んでから試行錯誤するとしよう。



 三か月余りかかったがようやく読み終えた。まとめるとこの世界の魔法は…多すぎてまとめられないな。自分が使う分には問題ないが人に教えるのは難しそうだ。そして時々練習を挟んでいてわかったことがある。どうやら想像魔法は思った以上にチートだった。

 想像魔法についてだけまとめると、想像するこで発動するため無詠唱、既存の魔法は見るか理解することで習得可能、オリジナル魔法も明確に想像すれば習得可能だ。正にこれだけあれば魔法に関しては他にいらないレベルだ。さらに魔法は同じ魔法を使い込むことでその魔法を行使するのに必要な魔力は少なくなるらしいが俺は全てが想像魔法。訓練も楽々である。


 さてここまで魔法に関して訓練してきたが全ての魔法が使えるようになったかと言うとそうでもない。魔力が足りないものが多いのだ。そして魔力の伸ばし方はMPの枯渇。ちなみにMPは使用した魔力分だけ減るそうだ。そこで思いついた訓練方法がこちら。

 身体強化魔法で一定まで鍛錬⇒MP回復魔法を時限発動⇒MP枯渇後MP回復。あとはこの繰り返しだ。しかしこの方法の欠点は鑑定でMPを正確に測らなければならないこと、MP回復魔法は消費したMPほどは回復しないこと。使い込めばその差は縮まるそうだが覆ることはない。別名魔力譲渡と呼ばれる所以である。

 余談だがこの方法を試したところMP枯渇による倦怠感が強く連続でやるのは厳しい。クールタイムがあって助かった。



 日課として魔力向上鍛錬を始めたころ、父に呼ばれた。


「最近本を読まなくなり鍛錬を始めたと聞いた。よかったら我が家の日課の鍛錬の見学をするか?」


 自己流でやっていたため声をかけられたようだ。確かに前世で知っていた筋トレしかやっていないため俺は即答で頷いた。


 次の日の朝庭に出ると父と二人の兄がいた。

「今日からイリヤも()()することになった。二人も手本を見せるつもりで励むように」


 フェリクス家は武系の家らしくジークもボレアも三歳くらいから始めていたようで、どうやら俺が参加するのが嬉しいらしい。逃れることは難しそうだ。

 走り込みから始まったため薄く身体強化魔法を使い着いていき、いつもの鍛錬と同じところまでMPを消費したところで先に休憩する。こうしていれば兄に追いつきたがる弟に見えるはずだ。


 続いて素振りと型稽古である。父とボレアは剣を、ジークは槍を振るっている。まだ型を完全に覚えていないのか、ボレアが時々父を横目で見ながら剣を動かしているのが微笑ましい。

 ちなみに父は武芸者というスキルを持っていて基本的な武器は扱えるそうだ。


 一通り終わったところで終了となった。父はこの後、騎士団の方に参加するようだ。対人戦はもう少し大きくなってからで、ジークも八歳まではおあずけのようだ。



 その日の昼食時、母に訓練の時の父がかっこよかった話をすると

「あなたばかりずるいわ。イリヤ、午後はお母さんの仕事場にいらっしゃい」

 と対抗心を燃やし始めた。父によるとジークやボレアの時も同じ反応をしたらしく嫌になったら部屋を出ていいと言われた。


 午後になり母の仕事場である離れにやってきた。着いた途端サラも屋敷に帰してしまい、今日は最後までいさせるつもりのようだ。

 中に入ると薬草の臭いが鼻につく。

「お母さんの仕事は薬剤師よ。と言っても今は少なくなった薬を作り足すだけだから忙しくはないけども」

 そう言って薬の説明をしてくれた。どうやらポーションなどの魔力を必要とする薬以外は一通りあるようだ。そして材料のある棚に移った時に驚いて聞いてしまった。

「母様、どうしてこんなに毒薬の材料まで多く揃っているのですか?」

 そう、棚の一番下はすべて毒薬の材料だったのだ。しかも半分は毒としてしか使えない物である。


「…どうしてそう思ったのかしら?」


「植物辞典の備考に載っていました。薬にもなる物、毒にしかならない物など」


「確かにこの家の植物辞典には詳しく書いてあったわね…。そうね、イリヤ。薬剤師は毒も知っていなければならないの。だから一応あるだけよ」

 そう言って母は一瞬遠くを見るようにしながらも教えてくれた。しかし嘘をついているのがわかってしまった。スキルも鑑みて考えると母は暗殺者だろう。現役かどうかはわからないが。


 しかしまだ知らないふりをした方がいいだろうと思い

「母様のように色々な薬を作れるようになりたいです」

 とできるだけ可愛らしく頼んだ。


「わかったわ、私の知っている薬の作り方を教えてあげます。毒薬は危ないから教えられないけどね」

 と嬉しそうに微笑みながら言ってくれた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ