魔法
俺は中月 洋太だ。中学一年で面白い部活がないという理由から部活に入らず帰宅部で、異世界小説が好きだ。
「さようならぁ」
いつものように学級委員が一日の学校の終わりを言う、それを聞いた瞬間洋太はカバンを持ち、家に向かった。友達はいるが別のクラスだ。
いつも通っている通学路を通り、家に帰った。
「はぁ疲れたぁ」
洋太は靴を脱ぎ、学習机にカバンを置いて制服を脱ぎ適当に私服に着替えるとその日は持久走ですごい走らされ、すごい眠かったため枕に頭を置くとすぐに眠りについた。
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洋太はよく眠り、目を開けると
「はーい、起きまちたかぁ」
聞いたことの無い声で赤ちゃん言葉を喋りながら何やら僕を抱え込んだ。
そしてなぜだろうまぶたは開けているのに目が見えない真っ暗だ。
「ミルクかなぁ?」
僕の口元に何かが当たると何故か体が勝手に口元にあるやつを吸い始めた。
吸い続けると—なんだこれ薄い牛乳の味がする、さらさらした飲み心地の液体を飲んだ時思った。
これ母乳じゃね、いや、飲んだ事は無いが、ペットボトルを飲んでいるような感覚でもない、なにか柔らかいものだ。あれもしかして僕転生した?
だって僕を持ち上げられるほど身長は小さくは無い、そして足の位置がいつもの感覚と違う、手も何やら感覚も違うし転生したと見て正解だろう。
洋太は本能が飲みきったと思ったのか、口元に入れていた物を離した。
「うばぁ、うばぁ(どうして目が見えないの)」
「あらあらそんなに美味しかったのね」
喋ったつもりが赤ちゃんの声帯が成長してないせいか、うまく喋れなくこの見えないがたぶん女性だと思う人には美味しいと勘違いされたようだ。
そしてその後何かまた人の指?ような物を口に入れられ、
「魔法でお水の飲ますから待ってね」
そんな事を言った。女性の指?から水がチョロチョロと出てるなと分かった。
「あらそんな指舐めないの」
僕はその指だと確信するために口の中で舐めてしまった。
てか魔法って言ってるから剣と魔法のファンタジーの世界に転生したのか。
僕はお母さんらしき人の指から出たお水を飲んだ。
「お水、美味しかったかしら、じゃあ用事してくるわね」
僕を抱きかかえた人は平らな場所に僕を置いてどこかに行ったようだ。
なんだかさっきの魔法で出来た水を飲んだら僕の体の中に何かがあるという感覚ができた。なにか重さなどはないが体中に散らばっていて動かせそうな気がする。
「うばあうぎゃーうぎゃー(痛、イタタタ)」
それを動かしたらめちゃくちゃ痛い我慢出来ない痛さが走った。
右手から右の肘、左手から左の肘、足も左右の膝まで移動したが、凄い痛い。
その後お母さんが僕が泣いたのが聞こえたのかすぐに僕の元に来て泣きやましてくれた。
体の本能に逆らえない。