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オリビアのサプライズ 後編

閲覧いただき、ありがとうございます。

リアムの誕生日のお話です。

後編はリアムsideのお話です。

リアムはモヤモヤしていた。

事の発端は昨日、リアムは偶然にも、オリビアとセシルが2人で商店街を歩いていたのを見かけてしまった。

仲睦まじそうに歩く2人に声を掛けようか迷っていると、一台の車がオリビアに近づく。危ない、と言いかけたが、それよりも先にセシルがオリビアを引き寄せた。


オリビアの無事を遠くから確認して、その2人の様子を見たリアムはすぐに踵を返した。

昨夜は眠れず、いつもより早く事務所に着いてしまった。

昨日のオリビアとセシルが脳裏に焼き付いて、離れない。何故、2人は一緒に居たのだろうという謎が解けず、モヤモヤしていた。


リアムが考え込んでいると、扉が開く。


「リアムさん?いつもより早いですね」


オリビアは少し驚いた様子で挨拶をする。

昨日の出来事が脳裏によぎったリアムは思わず、気の無い返事をしてしまう。

オリビアはコートをハンガーに掛けると、リアムの方に近づいた。なにやら、オリビアは後ろ手に何かを隠しているようだった。


茶目っ気たっぷりに上目遣いでオリビアはリアムに尋ねる。


「リアムさん。今日、何の日ですか?」


「今日?何かあったかな…」


リアムは自分の誕生日だということをすっかり忘れており、眉を顰めて考える。

暫くしても回答が得られず、オリビアは膨れっ面になった。


「もう!今日はリアムさんの誕生日です!」


オリビアはそう告げて、小さな箱を差し出す。


「これは?」


リアムは心なしかオリビアの顔が赤いことに気がつきながらも、言及しなかった。


「その、誕生日プレゼントです」


「私に?ありがとう、オリビア」


リアムは微笑み、包みを解く。

オリビアは包みを開ける際、どこか挙動不審だった。リアムは首を傾げながらも、中身を見た。


「これは…ネクタイピンか」


銅色に輝くシンプルなデザインに菫色の石が嵌め込まれていた。オリビアの挙動不審の理由がわかったリアムは意地悪な表情をして、オリビアの髪を梳いた。


「君の髪と瞳のように綺麗だ」


普段見せないようなリアムの甘い表情に、オリビアの顔は紅潮した。そして、オリビアは声にならない声を出して、キッチンの方へ逃げ隠れた。

そんなオリビアの様子を見て、リアムは思わず笑ってしまった。


その後、リアムは昨日セシルとオリビアが一緒に居たのは自分の誕生日プレゼントを選ぶためということを知り、溜飲が下がるのだった。


第4章、随時更新致します。

暫くお待ちください。

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