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リデル家殺人事件 第3章6節

閲覧いただき、ありがとうございます。

シャルロの書斎を探すと、シャルロの遺体の近くにある机の引き出しに厳重に管理された金庫の存在を見つけた。リアムは少し考えて周辺を探す。


(あの特徴的な模様のお面。このダイヤルと似ているな。試してみるか)


ガチャガチャとダイヤルを回すと、リアムの勘通り、金庫の扉は開いた。

そこには、大量のハードカバーと切り裂かれたハードカバーの表紙が輪ゴムで縛られていた。切り取られた箇所を見ると、脅迫状で使われた文字と見事に一致した。


(シャルロさんは、これを隠していた…ということはシャルロさんが犯人?いや、だとしたら彼はなぜ死んだんだ?)


第三者にこの存在を気づかれて、揉め合いになって、逆に殺されたのだろうか?

でも青酸カリで?証拠の品は金庫に入ったまま?


リアムは紙コップを取り出し、ウォーターサーバーから水を汲む。匂いを嗅ぐと、先程嗅いだアーモンド臭がした。


(ウォーターサーバー自体に青酸カリを入れたのか。全然希釈されてないってことは相当な量を入れたんだな)


ふと、ウォーターサーバーの裏に一枚のメモを見つけた。800と書かれたメモ。


(これは青酸カリの量か?致死量は150〜300gだったはず)


この小さな紙コップ一杯でも、それだけの青酸カリが含有していれば、死ぬだろうとリアムは納得した。

ふと、隣の部屋から音楽が鳴っていることに気がついた。


覗いてみると、そこはシャルロの仮眠室だったようで、簡易なベッドと大きなテープレコーダーがあった。そこからクラシック調の音楽が流れていた。


(今時、こんなテープレコーダーは珍しいな)


停止ボタンのようなものを押してみたが、曲は止まらなかった。見るとそれは録音用の停止ボタンで、曲の停止ボタンは左側にあった。リアムは左側の停止ボタンを改めて押す。すると曲は止まり、辺りは静寂に包まれた。テープレコーダーの下には辞書が落ちていた。おそらく上の棚から落ちたのだろう。1つの本が入るくらいのスペースがその棚にはあった。


ふと、簡易ベットの枕元にある目覚まし時計に気づく。


(4時にセットされてある。もし毎日この時間に寝る習慣があるのなら、死亡推定時刻の参考にもなるな)


昨日、ネージュ達と解散したのは18時頃。その際はシャルロの顔を見たのを覚えている。朝方の4時まで仮眠する習慣があるとしたら、4時に起床して、水を飲んだ可能性がある。シャルロの服装はネクタイもジャケットもなく、シャツも第2ボタンまで開けられていた。部屋着でもないことから、仮眠したと踏んだが、確証がなかった。


ふと、足音が聞こえた。

足音は2つ。おそらく男性と女性のものだろう。リアムは息を呑み、仮眠室から様子を伺う。仮眠室から廊下を繋ぐ扉はなく、入るとしたら、隣の書斎からしか入れない。


もしかしたら、犯人はシャルロが仮眠室にいる間に書斎のウォーターサーバーに細工をしたのかもしれない。書斎の扉の前にあるウォーターサーバーに細工をするのは、意外と簡単かもしれない。ましてや、音楽が鳴ってる中では音も聞こえづらいだろう。


リアムが思考を巡らせていると、足音の人物達が書斎に入ってきた。足音の人物達はシャルロの遺体に気づいたのか、立ち止まり、短い悲鳴をあげた。


おそらく犯人ではない、と分かったリアムは仮眠室から顔を出した。

足音の人物達は、突然の出現に驚く。

そこには、アルノーと何故か朝に休みを言い渡したはずのオリビアがいた。


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