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リデル家殺人事件 第3章2節

閲覧いただき、ありがとうございます。

「ただいま、オリビア」


「…おかえりなさい」


オリビアの調査同行を禁止して以来、オリビアの機嫌が悪くなっていたことにリアムは気づいていた。リアムは少し困ったような顔をしながら、上着を脱ぐ。

心なしかいつもよりオリビアの機嫌が悪いような気がして、リアムは内心首を傾げる。


「オリビア、何かあったのかい」


それはオリビア自身のことについて尋ねた質問だった。しかしオリビアはその質問を事務所で何か伝言があるかという意図だと思い、リアムに珈琲を差し出し、今日の出来事を話し出す。


「1人、女性の方が調査を依頼しに来ました。脅迫状の送り主が知りたいとのことです」


「そうか…名前は?」


「ネージュ・リデル様です。日を改めてまた伺うと」


思わずオリビアの声は低くなってしまう。

リアムはオリビアの変化に気づかず、そうか、と短く呟いた。


「リアムさん、この事件は同行します」


「いや、同行は…」


「今までは殺人事件でしたが、これは脅迫状の依頼です。私…リアムさんともっと一緒にいたいです」


オリビアは一緒に調査したいという意味で告げたが、リアムには別の意味でとったらしく、噎せた。


「いやしかし…」


「リアムさんが心配してくれているのは分かります。私ではリアムさんの力にはなれませんか…?」


しゅんと小さく項垂れるオリビア。

リアムはその様子に思わず揺らいでしまう。


「君はよくやっているよ…だが、君をまた危ない目に遭わせてしまうんじゃないかと心配になるんだ」


オリビアは普段見せない、きっとした表情でリアムを見る。


「大丈夫です!今度は絶対リアムさんのご迷惑にならないように自己防衛を図りますから!」


そういうことじゃない、とリアムは言いかけようとしたが、オリビアの性格を嫌という程知っているリアムは折れる。


「分かったよ。君はそうなったら聞かないからな…ただし、危ないと感じた時点で君は現場調査から外れてもらう。分かったね?」


リアムがそう告げるとオリビアは途端に笑顔になる。リアムは少し呆れながらも、オリビアの頭を撫でる。

前まで嬉しかったこの動作は子供扱いをされているみたいで、オリビアは少し複雑な気持ちになった。


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