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リデル家殺人事件 第3章1節

閲覧いただき、ありがとうございます。

夏が終わり、少しずつ気温が下がり、すっかり秋らしくなった頃。

アルベール探偵事務所でオリビアは1人憮然とソファに座っていた。


アルベール社殺人事件以来、リアムはすっかり過保護になり、オリビアが現場調査の同行をすることを認めなくなってしまった。

現在、リアムは殺人事件の調査を1人で行なっていた。その際、オリビアは事務所で出来る簡単な庶務を任せられた。


(リアムさんのばか…)


心の中で悪態づく。オリビアは自業自得だとは分かっていたものの、これでは探偵助手とはとても言えない現状に不満を露わにした。


頼まれた庶務も終わり、リアムが買ってきてくれた焼き菓子を頬張る。

リアムはオリビアの好きなお菓子や紅茶をよく買ってくる。お陰でオリビアの体重は徐々に右肩上がりになっているのが、最近のオリビアの悩みの1つでもあった。


1人でティータイムを過ごしていると、急に扉が開いた。

オリビアは初めリアムが帰ってきたのだと思ったが、そこには見知らぬ綺麗な女性がいた。

オリビアは口にしていた焼き菓子を一気に飲み込み、女性の方へ近づく。


「こんにちは。ご依頼でしょうか?」


辺りを見回し、何かを探していた女性は、集中していたのか、オリビアの存在に目を丸くした。


「ええ、ここにリアム・アルベールという方はいるかしら?」


「生憎、アルベールは席を外していまして…代わりに私、オリビア・ワトソンがお伺いします」


オリビアがそう告げると、女性は少し残念そうな表情をして、そう、と呟いた。


「そうね。お願いしようかしら。実は最近うちに脅迫状が届くようになってね。日に日に来る枚数が多くなって困っているの」


オリビアはメモを慌てて取る。


「なるほど、脅迫状の送り主が知りたいと」


「ええ。私の名前はネージュ・リデル。多分リアムに言えば分かるはずだわ」


リアム、との言葉にオリビアはぴくりと反応した。


「アルベールとはお知り合いですか?」


ネージュは少し考えた後、意地の悪い表情を浮かべた。魔女のようにその表情は妖艶さに満ちていた。


「ええ…彼とは学生時代付き合っていたの。最近彼が探偵をしているのを知って、是非お願いしたいと思って」


その言葉にオリビアは思わず硬直してしまった。


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