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財閥企業殺人事件 第2章13節

閲覧していただき、ありがとうございます。

オリビアは白い部屋にあるベッドで目を覚ました。周辺を見ると、ベッドのネームプレートに名前が書いてあることに気づいた。


神崎 美桜


ネームプレートを見たオリビアは一瞬首を傾げたが、すぐにそれが前世の自分の名前だったことに気がついた。


(ここは昔の私の世界だわ…)


無機質で静寂な世界。いつもは幼なじみが持ってきてくれる花が活けてあるが、今はそれがない。白に包まれた世界だった。


オリビアはこの光景に懐かしさではなく、寂しさを覚えた。


(リアムさんはどこ?)


そんなことを考えると、膝に何かが乗っていることに気がついた。


リアム・アルベール探偵の事件簿〜財閥企業殺人事件〜と書かれた無機質な本だった。

オリビアは恐怖に駆られ、背筋に寒気を感じる。


(今までのことは夢なの?オリビア・ワトソンという人間もいないの?私が空想で作ったものなの?)


オリビアは一気に不安になる。

しかし、この不安を解消する物も人もここにはいない。


混乱の中、オリビアはパラパラと本のページをめくる。

そこに書かれていた内容は前世の私が読んだものと同じだったが、オリビアはその内容に疑問を抱いた。


(これじゃない…違う。リアムさんは、もっと…)


原作では描かれきれていないリアム・アルベールをオリビアは知っていた。

そして、前世のオリビアが、かつて憧れたリアムと今のリアムは少し違うことを。

オリビアは今のリアムに無性に会いたくなった。


(この気持ちは…リアムさんが恋しいの?)


初めは芸能人に会えたような高揚感でいっぱいたった。でも、今のオリビアがリアムに持っている感情は少し前とは違うものだと気づいた。

胸を締め付けるような、この感情は憧憬ではないとオリビアは感じた。


早く会いたい、とオリビアが願うと、どこからか声が響く。よく聞き取れなかったが、オリビアはリアムの声だとすぐに分かった。


「リアムさん!」


声を出さずにいられなかったオリビア。

待っていられない、とオリビアはベッドから降り、スライドドアの方へ向かう。


扉を開けると白い光がオリビアの目を射った。


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