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高級ホテル殺人事件 第1章10節

閲覧いただき、ありがとうございます。

第1章は本節で終了です。

2日経ち、ようやく警察がホテルに着き、アリスは逮捕され、事件は解決したのだった。


そしてエマの葬儀も終わり、悲しみの中、ゆっくりと日常が戻ったのだった。


「もうあの旅行から3ヶ月経ったんだね…」


オリビアはそう呟く。

カフェの向かいの席にいるのはオリビアと同じく、少し曇った表情をするクロエだった。


「そうだね。なんかあっという間だったわ。もう来月から社会人になるのに、それどころじゃないよ」


ふとクロエはオリビアの横にあるスーツケースが目についた。


「オリビアどこか旅行に行くの?」


「ううん、引っ越しするの」


「え、今日出て行くの?配属先が遠方なの?」


寝耳に水だと言わんばかりにクロエはオリビアに問う。


「うん、今日向かうんだ。でも事件の直後、アルベール社の内定は辞退したの」


「は?辞退?じゃあどこに行くの?」


「リアム・アルベール探偵事務所」


あっけらかんと言うオリビアにクロエは思わず硬直する。


「あんた…本気?リアムさんはなんて?」


「本気だよ。リアムさんに内定先辞退しました!私は本気です!リアムさんに受け入れてもらえなかったら路頭に迷ってしまうのでお願いしますって言ったら、長い沈黙の後においでって言ってくれた」


「…無理矢理じゃない。オリビアは一度礼儀とか常識とか学び直したほうが良いと思う」


そんな、と無邪気に笑う変わらぬ親友を見て、クロエはどこか安心した。

クロエはあの事件の後、オリビアともぎくしゃくしてしまうのではないかと内心不安だったのだ。

(ここまで来たら私のやることはオリビアが幸せで生きてくれること)

2人の友人のことが頭によぎり、クロエは少し眉を顰めた。

飛行機の時間だから行くねと慌てて店を出ようとするオリビアにクロエは軽く手を振る。


「…頑張ってね、オリビア」


数時間後、飛行場でリアムはオリビアのことを待っていた。

そして、オリビアは華奢な身体には合わない大きなスーツケースをよたよたと持ちながら、満面の笑みでリアムの元に来た。


「お待たせしました!お久しぶりです、リアムさん」


「何度も冗談かと思ったけど、君は想像の上を行くからね…迎えに来てよかったよ。久しぶり、オリビア」


「ふふふ、これからよろしくお願いします」


リアムはにこにこと笑う目の前の彼女を見ると、毒気が抜けて何も言えなくなってしまう。

そして、その彼女の笑顔に癒されているのも自覚をしていた。


「…これは自分で思っていたよりも重症かもな」


「何か言いましたか?」


「いや、なんでもない。改めてこれからよろしくね。可愛い助手さん?」


オリビアは差し伸べられた手を取り、笑顔ではい、と答える。


探偵助手としての日々が今始まろうとしていたのだった。

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