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エッセイ

カフェラテと小説

 私はだいたいいつもカフェラテを飲みながら小説を書いてるのですが、最近はカフェラテがないと小説が「書けない」という状態になっています。


 カフェラテというのはエスプレッソとスチームミルクを混ぜて作るらしいのです。けれど我が家にはエスプレッソを抽出するマシンもスチームミルクを作るマシンもありません。なので、飲むとすれば喫茶店ということになります。


 喫茶店にもいろいろあるのですが、私はあちこち新規開拓していくタイプではないので、いくつかの行きつけのお店に顔を出すといった感じです。


 私は長居するので、行きつけの店は必然的に長居できる店ということになります。それも、いろいろな商売道具を広げてじっと粘るのでなかなかそれを許容してくれる店は少ないのです。


 個人営業の店は、なんだか店主に申し訳ない気が先にたってしまい、入ることすら遠慮してしまいます。そのため、私は全国チェーンを展開している●ターバックスとか●リーズとかいうお店にお邪魔させてもらっているのです。


 もちろん、全国チェーンのお店でも混雑しているいわゆる繁盛店には私の居所はありません。


 では、どうするのかというと、私はお客さんの来ないお店を選んで、なるべく迷惑にならないように、いや、むしろ枯れ木も山の賑わい、お客さんが一人でも多くいるように見えたらお店の人も感謝してくれる、そういう雰囲気で私を暖かく迎え入れてくれるスタッフがいるところに行くのです。


 お店に着くと、『いつもの』と言う前にスタッフの方は私の注文、すなわち一番大きいサイズのカフェラテをレジに打ち込んでいます。何も言わなくてもすぐに会計なのです。


 大きなテーブルの端っこの「いつもの席」に座ると、私はおもむろに商売道具を取り出します。


 商売道具とは、10インチのずんぐりした国産ノートパソコン(おしゃれなMacではないのです)、パソコン用の小さなマウス、A5のシステム手帳、スマートフォン、小さなスケジュール帳、お気に入りの文庫本(だいたいが金井美恵子著「愛の生活・森のメリュジーヌ」と高村光太郎訳「ロダンの言葉抄」なのですが)、万年筆とボールペンなどなどです。


 ノートパソコンとスマートフォンを繋いで(デザリングして)インターネットに接続し、GoogleドライブやOneDriveなどのクラウドに置いているファイルを開いていろいろなことを書いていきます。


 時々、システム手帳に構想をメモしたり絵や図を書いたりします。スケジュール帳は、まあお守りみたいなものなのであまり見ません。


 熱いカフェラテに口を付けます。時々ラテアートといわれる模様があることがあり、お店のスタッフの心遣いを感じて癒やされます。コーヒーの苦みとミルクの甘みが絶妙に調和しています。スチームミルクの泡がとろりとしていてなんともいえない食感?なのです。


 ああ、今日もおいしいカフェラテを飲むことができてなんて幸せなんだろう……。カフェインが体中を駆け巡り、頭の中がすっきりしてきます。ピンぼけだった思考の焦点が合ってくるのです。


 カフェラテを飲み終わる頃、やっと執筆のエンジンがかかります。これから書こうかという気になります。新しいアイデアも涌いてくるのです。さあ、次の小説は何を書こうか……。


 もう、カフェラテとお店の暖かいスタッフの皆様のご理解なしには私の趣味の文筆生活は考えられません。どうかお客さんが少なくてもこのお店がなくなりませんように……。天の神様、なにとぞよろしくお願いします。



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