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徒然枕物語 弐  作者: 緋和皐月
3/15

 私は砂糖を口に含む


 甘く蕩ける その味は


 私にめくらな幸せを教えた



 私は塩を口に含む


 しょっぱく残る その味は


 私に哀しい恋を教えた



 私は唐辛子を口に含む


 辛く痺れる その味は


 私につらい真実を教えた



 私は檸檬を口に含む


 酸っぱく素直な その味は


 私に愉快な孤独を教えた



 私は珈琲を口に含む


 ほろ苦く香る その味は


 私に優しい安心を教えた



 口の中の この味も


 私に何かを教えてくれた



 今度は何の味なのか


 不安と期待が 入り混じる


 そっと口に 含んだそれは


 私の小さな秘密味


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