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序章 プロローグ


 外ではセミが合唱をしている中、六畳一間の一軒家の一室。

 その一室は漫画やライトノベル、アニメのポスターやフィギアなどオタクとはこういうものだろうと言わんばかりの部屋。

 カーテンを閉めひたすらその一室でテレビゲーム(ギャルゲー)をプレイする右目に眼帯を左目にクマを装着している一六歳の少年朝国 陸(あさくに りく)は青春時代を無駄にしていた。




『ねえ、〇〇君は私のことどう思ってるの?』

 


       ⇒好き

        

        嫌い                   

 


 陸は震える指を抑制しながらカーソルを好きに合わせて決定ボタンを押した。

『うん、私もずっと好きだった』

 そしてモニター画面にゲームのエンドロールが流れた。


「やっと最高難易度攻略終わったぁぁぁぁぁぁぁぁああああ!!!!!!」

 

 それを見るやコントローラーを片手に立ち上がる陸は歓喜の声を上げた。

「苦節二二時間、選択肢を一つ間違えるだけでゴール不可能となるレアイベント。マジできつかった」

 そのエンドロールを確認するとリクはそのまま真後ろに倒れこみ大きなため息を付いた。人生を無駄にしているにも関わらずその清々しい笑顔は誰が見ても文句を言えぬ人生の使い方かもしれない。

「このルート以外クソストーリーだったが俺みたいな夏休みを誰とも遊ぶことなくギャルゲーに費やす変態ニートぎみ星人でありながらすべてのヒロインの得意不得意を熟知した俺には最強のやりこみゲーだったぜ」

 

 誰も聞いていないこのゲームの感想を一人で述べ上半身を起こす。エンドロールに乗っているゲームのカットシーンを見て苦難を思い出したのか陸は涙しながらエンドロールを見ていた。

 

 エンドロールを見ながらこのゲーム【異世界漂流記の恋物語】のパッケージを見る。

「今まで異世界もので良作は出会えなかったのですがこのゲームはとても良作……いえ、神作でございました、スタッフの皆さん本当にありがとうございました」

 

 ははー、とどこの宗教の信者ですかあなたは?と聞かれそうな勢いの敬意をゲームパッケージに行う陸。

 そしてリクがモニターを見るとエンドロールがちょうど終了していた。


 「ふーさて寝る前に明日発売の新作ギャルゲーに備えつつレビューを書いてから寝ますか」

 スライディングしながらキャスター付きの椅子を後ろに引き部屋の壁を利用して三角跳びの要領で着席する陸。とても引きこもり予備軍ギャルゲーマーの動きではないとだけ言っておこう。


 「今回のゲームは神ゲ―と言う人と紙ゲーと言う人間で別れると思う……と」

 陸が運営しているゲームのレビューサイトにレビューをアップした後、ふあーとあくびをしながらゲームがタイトル画面に戻るのを待つ陸。だがエンドロールが終わってからずっと画面がブラックアウトしたままだ。


 「あれ……もしかしてバグった⁉それだけは勘弁してくれよー」

 がっくりと肩を落とす陸。さしずめセーブデータが残らないのが嫌だとか言うところだろう。

 だが画面は動き出した。


 良かったーと陸は安堵するが一つ不可解なことが起こった。

 タイトルに戻ることなくブラックアウトしながら選択肢だけが出てきたのである。


『あなたは人の才能を見ることができますか?』

 

 陸は眠そうな目を無理やり開きそれを読む。


 「まさか……シークレットストーリー?いや、ネットにはそんなこと書かれていなかったが……だがやり込む余地があるのなら進むのがギャルゲープレイヤーってもんだ‼」

 とよくわからないテンションのまま二徹目を迎えようとする陸。選択肢の『はい』を選んだ。だが画面は相変わらずブラックアウトしながら次の選択肢を表示させた。


『その力は朝国 陸、あなたの碧色の右目の力ですか?』


「な⁉」

 陸は目を見開き驚愕した。今回は無理やりではなく目が覚めたというところだろう。


「なんで俺の名前を、しかも右目のことがゲームに……」

 不審に思いコントローラーから手を離し画面から遠ざかる陸。だがその選択肢は陸の意思に反してコントローラーが落ちた衝撃で選択肢が押されてしまった。

 はい……と。

 その瞬間画面が光部屋を包んだ。

「な、なんだよこれ⁉」

 その光は意識をもっているかのように陸を包み込み、陸の意識を……そして体を飲み込んだのだった。


異世界での成り上がり物語とプロデューサー=アイドルってイメージを払拭させよっかなーって思い合体させて作ってみた作品です。

もしよろしければ見てください!

本日の19時頃にもう一話投稿します。


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