喧嘩両成敗
あけましておめでとうございます
「いつも思っていたんですが貴方のその髪型なんですか髪を逆立てるのはよいのですが前髪だけピンで上に止めるなんて」
ジン本人が気に入っている髪形を切り口に明らかに自分をけなし始めた燕についつい余計なことを口走ってしまった
「なら言わせてもらうけどなお前のコレクションの武器たちに
名前を付けてあってそれが女性の名前なのは馬鹿じゃないと?」
ジンのその一言に手一拍置いてから燕の顔が一気にぶわっと真っ赤に染まった。
しかももの凄くうろたえ動揺している。
「そっ・・・・それは」
たとえるなら羞恥のあまり顔から火が出るほどを通り過ぎ、
顔から湯気と汗が出るなか俯いていた顔をあげてジンに指をさし反撃をした。
「でしたら!ジンのベットの下のエロ本と下着のセンス!かなり悪いです。
なんでに般若の面とかサムズアップしてるおっさんの顔のとか
意味分からないのを買って履いてるんですか!」
「お前だってエロ本持ってるじゃん巫女とかの黒髪の女もの
人のこと言えねぇだろ」
自棄になって思いついたのを言ってみたが本人にはまったく
効いておらず寧ろ、さらに倍にして返されていた。
「燕のシスコン」
「ジンの巨乳好き!」
「エロ本って何?」
「ってかさ何でお互いそんなに詳しいの」
「「キーモーイ」」
「ジンさんと燕さんが同い年で二人部屋だからだよ」
たしかに、ふつうは下着や性癖など友人同士でも知らない事だが
この二人は同じ部屋で寝てる。
部屋の中央を仕切りのようにクローゼットを隔て個人スペースはあるが、
基本的に声や音はマル聞こえである。
二人がごちゃごた言い合っているうちに待たされてる人に余計な時間と余計な情報が頭に入り
過ぎっていく。
一時間経過・・・・
そろそろ止めないとと思い足を一歩踏みだした瞬間。
アイリスが舌打ちを一つ打った
そして歩幅が小さいので小走りでつかつかと二人の間立ちふさがると苛立ち怒鳴りつけた。
「いいかげんお馬鹿さんで余計な事ばかり言いあってないでくださいな!」
自分より大きな男を見上げて吠える。
お馬鹿な男二人は年下の女の子の言葉に少し眉を寄せたが何も言い返せない。
しばらく無言でいたが、ぼそりと謝罪の言葉を出した。
「わりい・・」
「すまない・・」
「わかればいいですわ」
謝罪につきあうと二人の服の裾をつかみ、ひっぱるように仲間の元に
歩いた。
「ごめん、ありがとうアイリス」
困ったように笑う。
本来は自分がやらなければいけない事を後輩に押しつけてしまった。
アイリスはその言葉に首を振った。
「いいえ、お礼を言われることなんてしていませんわ」
右手を胸にあて上品に微笑む。
「私が自分でしたことですもの」
お世辞でとかではなく本心からの言葉に見えた。
「さぁ、いい加減に話し合いましょうか今後のことを」