はじめての指輪
ねえねえ、あのね。
前に貰った指輪、本当に嬉しかったんだ。
記念日になるといつもプレゼントを交換し合ってたけど、初めて君から指輪を貰った。
無頓着な君は、指輪にサイズがあるなんて知らなかったんだ……
なんてもごもご言いながら照れてたよね。
私も嬉しすぎてテンションが上がっちゃって、ちょっといじりすぎちゃったかな?
とても細い可愛いデザインで、君にしてはセンスあるじゃん!
え?店員さんに相談したの?
なんて根掘り葉掘り聞いちゃった。
私の人生で1番の宝物はこの指輪になっちゃったね。
断トツでこれ!
最近ストーカーがいて不安だった私に、君は優しく「必ず守るから」って言ってくれた。
実際、あの男は見なくなったし。
本当に安心してるんだ。
これからも君のそばで守ってもらえるなんて、めちゃくちゃ嬉しい。
次の水族館デート楽しみだな。
私が水族館が好きだって言ったら、二ヶ月に一回は連れていってくれるようになったよね。
君の素直さが愛おしい。
でもね、本当はまだあいつがいたんだ、君に心配かけたくなくて、言わなかっただけなんだ。
こんなことになるぐらいだったら、君に心配してもらえばよかった。
お願いだから、この指輪にだけは触らないで!
あんたなんかに触られたくない!
私は、深く掘られた穴の底で。
もう二度と呼吸もできないのに、上から叫び続けていた。
土の下で、大事な指輪だけが光っていた。
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