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彼が、青い空以外をしかも人物画を描いた所を見たことがない。
あれ?この女の子…誰かに似ている。
もしかして…
「それあんたね」
「え?」
「見せたくなくて、冷たくしてた。ごめんな」
彼は座ったまま、私を見上げる。
「赤と青が混ざると紫になる。」
「…それぐらい知ってます…」
「ならあんたと俺が一緒にいたら紫になるのかな?」
私は頭の中が真っ白で何も考えられない。
「俺、青みたいだって言われたのあんたで2人目なんだ。」
あまり自分の話をしない彼が、自分を話そうとしている。
「そいつは黒がピッタリで。その黒に染まりそうだったんだが、そいつ所謂…俺は広がる青だから染まらないんだそうだ」
話の意味がイマイチ分からない…。
その黒い人は誰なんだろう?
「そのうちそいつに会わせてやるよ」
「あ、ハイ」
とりあえず頷いてみる。
「そいつに2人で会ったら紫だって言わせてやろう」
「ん?????」
「紫になるかどうか試さない?」
「その…比喩表現ばっかじゃぁ…」
次の瞬間。
私の腕をグイッとひっぱって、彼の方に引き寄せられる。
「混ざり合いたいって事。」
「!!!?!」
「まだわかんないか。一緒にいようって事。付き合いたいって事。」
私はようやく理解して涙を流した。
*********
目が合った瞬間
心が奪われた。
奪われた心を取り戻すには
あの青い空を
あの青い空の心を私が奪えばいい。
なんてのは無理だから。
紫になっちゃえばいい。
混ざり合うように、ずっと一緒にいればいい。
end
「青」の続編?
ですかね(*・v・)?
話的には少しリンクしてるぐらいですね。
ところで・・・この話では名前が出てきません。
なのでそれぞれの登場人物は
「青」
「黒」
「赤」
って勝手に私の中では呼んでます(*`-∀-)
名前は付けたくなかったんですよね。
幻想的にしたかったんです(*・v・)
現実的なような
非現実的なような
そんな不思議な小説書くのが夢です(*ノv`)+゜
最後まで読んでくださり本当にありがとうございました。




