表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
  作者: チキ
5/6

●●5



昨日は一緒に帰れた♪

なんてウキウキしながら、またいつもの教室へ入ろうとドアを開けた時



「来るな。今日は帰って」

「へっ?」


また頭の後ろに目がついているかのように言う。

いつもと違うのは、冷たい口調な事。


「…ハイ」




次の日も



次の日も



次の日も





一週間以上彼に会っていない。

あの冷たい言葉がかけられるのが恐くて・・・。

私はいけないことをしたんだろうか?

知らず知らずのうちに、きっと嫌われてた…。




『青い空は、あなたです。綺麗な青い空がピッタリ』



と言ったのがまずかったのかな?

後悔の念が押し寄せる。



こんなにも心を奪われてしまったのに・・・




*******



今日こそは・・・!!



すごく恐い。

手がふるえてる。


でも会わなくちゃ。

謝らなくちゃ。

それだけが頭を巡っている。


ドアに手をかけ、おそるおそる開ける。

そして意を決して教室に入る。


彼は隅っこに座ってボーッと空を見ていた。

珍しくこちらには気づいていない様子。


私は、教室に入り遠く離れた背中に声をかけた。


「ごめんなさい。」


背中はビクッと反応してこちらを向く。

眼鏡の奥のつり目が今日は何だか、眠そうなたれ目。


「私が何かしたなら謝ります。ごめんなさい…」


いつもと違う雰囲気に耐えられず、私は涙を流してしまった。


「ごめんなさい…」

「何で謝るの。何で泣いてんの。」


いつもと違って優しい声をかける彼。


「こっち来て」


私は言われたとおり、彼のすぐ近くまで歩いた。


「ごめん。この絵を完成させたかったんだ。」


私は涙でたまった目をこすりながら、小さなキャンパスを見た。







真っ赤な夕焼けの空に

1人の女の子が立って笑っている。





すごく幸せそうに。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ