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  作者: チキ
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●●2

そしてやっと今、その念願の絵の作者と会えるかもしれない。



あの時描いたあの人は2年生だったから今は4年生なはず。




やっと会えるんだ…

どんな人が描いているんだろう!




そんな幸せな期待を持っていたのは4月の始め。

そして今は9月の終わり。



描いた本人なんてそうそう見つかるはずがない。



講師の先生に聞いてみても


「あいつはいつもどこにいるんだか分からないんだよ。いつも1人で描いてるから」


と口を揃えて言う。





美大に入ったものの元々器用じゃないし…

みんなにはボケているとか言われる私は成績が全く伸びず…。





私は正直、何のために来たのか分からなくなってきた。

まぁ・・元々入学してきた理由が不純だったのかもしれない。その罰だろうか。







「ってアレ?ココどこぉぉ???」




考え事をしてそこらを歩いていたら何故か知らない廊下と教室のドア。



ドアがあるって事は教室があるんだからー…

誰かいるかもしれない!



助けてくださぁ~い…。




天にもすがる思いで、ドアを開ける。



「失礼しまぁす…」




ドアを開けるとすごく日差しが暖かくて、窓から空がよく眺めることができた。


なんだか、あの絵の空みたい。




ボォーっと空を見つめていると・・・男の人がこちらを見つめているのにやっと気づいた。




その人と目が合った。



長くもない短くもない癖のない茶色の髪。

眼鏡をかけていて、その奥にある目は遠くから見ても分かるくっきり二重のつり目。

きれいな鼻筋。

への字にまがった口。

所謂、美形という文字がぴったりな男の人。




私はあの空の絵に心が奪われた感覚に似ているものを感じた。



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