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Old City X   作者: 桐谷もどき
第0章 日本没落編
2/2

第2話戦犯

この総理大臣の運命はいかに!?



視点:松岡航造

俺の名前は松岡航造、日本の総理大臣を務めている。昨日は俺の後輩で国会有力議員の三沢吉郎との飲み会だった。酒が入ったせいで何があったかはほとんど覚えていないが...

それよりも今日は2週間ぶりの完全OFFの休日なんだ。総理の仕事はいそがしすぎて十分に休日は取れないんだよ。その時ふと思い出した。

「そう いえば今日三沢が国会で新法案を発表すると かいってたな」

早速テレビをつけた。丁度その時に三沢は代表者として発表していた。

新法案.....なんかひっかかるような気がする。

昨日なんか考えたかも...やっと思い出した!!

「国交遮断推進法」だ!

いやいや考えたのは確かだが、実際に国会に持ってくるわけがない。その時テレビの中の三沢はこう言った。

「私が推薦する新法案は...『国交遮断推進法』です」

は!?頭の処理が全く追いつかない。三沢の声は震えていたから本音は発表したくはないのだろう。

だが、理解不能だ。なんであの法案を発表するんだ?後からわかったことだが、三沢は昨日俺たちが考えたバカ法案の原稿をかばんに入れたままにしていたらしい。そして三沢が考えた本命の法案の原稿は自宅に忘れていた。もし何も発表しなければ代表者としての評価が下がると思って苦し紛れに発表したのだという。

それはおいといて、どうすんだよ。この状況。

このままこの法案が通ったら日本終わりだぞ...

よく考えろ。通るわけがない。法案が可決されるためには出席している議員の半数以上が賛同しないといけない。こんな小学生でもわかるバカ法案他の奴らが賛同するわけがない。

しばらくすると投票がはじまった。

俺はさっきの不安とは一変、余裕こいてその光景をみていた。20分後投票が終わった。

議長が声を上げる。

「投票により、『国交遮断推進法』を可決する」

え!?

俺の頭は真っ白になった。なんで?

しかし、俺の頭には一つ心当たりがあった。

俺がほとんどの議員に圧力をかけていたからだ。

俺が総理になる時も三沢のコネと圧倒的な圧力でなんとかしたんだ。

議員一人一人が保身に走った結果こうなったというわけだ。

数日後、少数の俺に反発する議員が法案を考えたのは俺だということ、俺が議員に圧力をかけていたことをリークされ、俺の世間での評価は一気に地に落ちた。あの法案が施行されるのは半年後、一体どうなるんだろう。

半年後、数日前から法案が施行されたが、どんどん物価は上がり国民の生活は苦しくなっていった。

さらに悪化していくだろう。少し後悔しつつも自分のことだけで精一杯である。

さらに半年後、俺はテレビを見て過去一で驚いた。

「昨日国会有力議員の三沢吉郎氏が何者かによって殺害されていたことがわかりました」

なんと三沢が死んだというのだ。後輩の死。本来なら悲しむのだろうが今はそれどころじゃない。

新法案についての恨みなら、ターゲットは三沢だけじゃない。俺も恨まれているだろう。危機的状況にいるのになぜか冷静だった。その時俺は決心した。

       「逃亡しよう」

なけなしの全財産をはたいてボディガードをやとい逃亡を始めた。これでひとまず襲撃そなえられる。

このまま日本で逃げ続けるのは不可能に近い。だから1ヶ月後の海外の非公式船に乗って日本を脱出するつもりだ。なんとか逃げるしかねぇ。

 1ヶ月後、やっと明日あの船が来日する。世間ではクズ野郎が失踪したとか言われてたがなんとかにげきれそうだ。

その日の夜、日本最後の日になるということで俺はコンビニて夕食を買った。もちろん変装しで、ボディガードも一緒だ。久しぶりに世間の前に出たが、なんとかバレなかったみたいだ。

俺たちは聞こえなかったが、ベテランの店員が電話で何か話した。

「○○さん、見つけました」

その帰り道、俺たちは路地に入った。

この日本の地とももうおさらばになる。

自分の浅はかな行動を公開しつつも歩いていく。

その時、後ろから冷たい声が聞こえる。

「闇の裁きを下そう」

ボディガードが振り返り言い放つ。

「何者だお前」

刺客は漆黒の服をまとい漆黒の日本刀をもっている。おそらくあいつは猛者だろう。

だが、うちのボディーガードもまた猛者だ。

かつて関東圏の主力半グレ組織のトップを経験している。ナイフの腕は一流だ。負けるはずがない。

先行をとったのは、ボディガードだ。先行のような横薙ぎで資格の懐を掻き切りに行く。

鋭い斬撃が刺客を捉えたと思ったら。

すると刺客は紙のようにかわし反撃にでる。

「外道を守るものもまた外道だ。死んでもらう」

暗闇の中から肉眼で見えないほどのスピードの斬撃がボディガードを肉片になるほど切り刻んだ。

「ガハッッッ‼︎」

ボディガードは死んだ。

それを見た俺は全力で刺客と逆方向に走った。1分ほど走ると奴は見えなくなった。安心したのも束の間、また冷たい声が聞こえる。

「我が闇の一族の暗殺術からは誰一人逃れられん」

次の瞬間袈裟斬りが俺の背中に向かって振り下ろされる。

その一瞬の間に走馬灯が俺の頭の中に流れた。

初めて衆議院議員に当選した時、

「この時は必死にがんばったんだよなぁ」

総理大臣になった時、

「真面目にがんばればよかった」

なぜか覚悟ができた気がした。

次の瞬間斬撃が背中を襲う。

「くそぉぉぉぉ」

焼き付けるような痛みが身体中を突き抜ける。

「やっぱり死にたくねぇ...」

この時にすでに刺客はいなくなっていた。

「まだ死にたくねぇよ」

覚悟なんてすでに消え去っていた。

「くそがぁぁぁ後少しで逃亡でぎだのにゴブッ」

「俺の法案のせいでこれから国民はさぞ苦しむんだろうなぁ。俺はじらねぇぞ」

その時俺は死んだ。

国民のこれからの責任なんてかんじてない。

50年後の惨状は俺のせいらしいが、そんなものはしらねぇ。国民どもは苦しめばいいんだ。

そして物語は21xx年(ここから50年後)へと進んでいく...


総理大臣は法案の責任をとらなかった。

彼が残した呪いのような法案が未来を曇らせていく。

物語は本編の50年後へ...

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