物理的に鍛える?!
書類作業を悠火に擦り付けた神日と優花が話している。
「なぁなぁ。優花くん。なんで俺を選んだんだ?」
「直感?なんか1番派手だったし。」
「そっかぁ。じゃあ優花くんはサミュカル王国って知ってる?」
「なんで?」
「ちょっと上司には敬語使おうよ!で、質問に質問で返さないで?」
「えぇ〜?俺敬語苦手なんだよますぅ。」
「ああ。なんとなく分かってたけどね?!最後にですかますつけたら言い訳じゃないんだよ?!」
「俺敬語苦手なんだよです。」
「俺の話聞いてた?そういう事じゃないんだよ!まぁ、いいや。そういや優花くんって兄妹いる?」
「俺は姉が…兄が弟が妹がいません。」
「文脈大丈夫?!まあ、一人っ子っていうことか……俺は弟が…妹が姉が兄がいないから同じだね。」
「神日さんこそ文脈大丈夫ます?」
「惜しい!そこはですだったらあってた!」
「2分の1を外してしまう…です。」
「まあ、最後にですかます付けるだけじゃダメなやつもあるけどね。もういいや!君は敬語使うな!」
「やったぁぁぁぁぁぁ!敬語ってムズいんだよ!」
「これから目上の人に対して困りそうだね。じゃあ、暇になったし、稽古つけてやろう!」
「俺が勝っても知らないよ!」
「その意気だよ!優花くん!」
その頃裕太は…
「蔭見さん。終わりました。」
「やっとか…お前座学苦手だろ…」
「あーっと…どうでしょうね…」
「まぁいい…終わったなら稽古つける…」
「はい!」
《説明しよう!》
実況!
《魔法を使う時、必要なのは魔力!そして、その魔力を具現化させるのに必要なのが杖!だが、上級魔法使いになっていくと、杖を使わなくても、魔法を出せるようになる!魔法は個人魔法ともいい、基本的に同じ魔法を使う人はこの世に3人しかいないと言われている。》
なるほど?俺魔力ほぼ0だけど魔法使えるのかな?
《杖を使ったら…いや、どうだろう…》
めちゃくちゃ不安になるんだけど?!
「さっきから…独り言が…」
あぁ。すみません。
「とりあえず…お前の魔法を見せてみろ……魔力0…」
了解です!おりゃァァァァァ!何も出ねぇ!なんで?悠火と戦った時は普通に出たのに!ふんぬぉぉぁぁぁ!
「気張っても…魔力は出ない……」
いやだっておかしくない?杖に俺の全パワー多分入れたよ?
「パワーを…外に出せ……」
よし!次こそは!ふんぬぉぉぁぁぁ!
「まさか……」
おりゃァァァァァ!
なんかでたァァァァ!黒くて、影みたいな…いや、助けて!助けて蔭見さん!
「お前が…出そうとしたのだろう……」
あ。そっか。急に出てくるからびっくりしたよ。
「お前が魔法を使ってる時…一切魔力が放出されてなかった……」
え?俺珍しいのかな?
「前代未聞だ……魔力の代わりにパワーを出すとは……」
パワー!!え?パワー?
「YES,POWER」
いや、急に発音良すぎるし!
「だから…お前は魔法じゃなくて…物理的に鍛えろ……(=筋トレしろ)」
物理的に鍛えろ?!
「YES,BUTSURITEKI」
いやもうそれいいです!!しかも今度はカタコトなだけだし!いやぁ…魔法も魔物も割と何でもありな異世界で物理的に鍛えないといけないなんて思わなかったよ!
「アァ!もうクッソ押し付けやがって絶対許さねぇェェェェ!!アイツら覚えとけよ?!」
「そうやって言いながらもちゃんと真面目に取り組む息子…偉すぎて感動…」
「言ってる暇あったら手伝えクソ親父!!」