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89話 散歩

村長の家に入ると

「領主様、申し訳ありませんが部屋数が少ないので、領主様のお部屋とご令息方のお部屋、そしてご令嬢方のお部屋の3部屋しか準備出来ませんでした」

村長は申し訳なさそうに話した


「構わんよ、無理をさせるつもりはない」

トンプソン辺境伯はそう言いながらアンディ達を見た


「僕達も構いませんよ」

アンディがそう応えると、デイブやヴィッキー、ソフィアも頷いた


村長はホッとした顔になると

「それではお部屋にご案内します」

と言うと、若い男性が村長の後ろから表れた


「どうぞ、こちらです」

男性がそう言うと皆の前を歩き出したので付いて行く

更に辺境伯やアンディ達の世話をする使用人達も続いた


2階へと案内されると、1番手前の部屋のドアを開け

「ご令息方はこのお部屋をお使い下さい」

と言い、次の部屋のドアを開けると

「ご令嬢方はこのお部屋をお使い下さい」

と案内した


更に奥へと進み、1番奥の部屋のドアを開けると

「領主様はこちらをお使い下さい」

と一礼した


「うむ、ありがとう」


トンプソン辺境伯はそう言うと、くるりと振り返った

「では少し部屋で休むとしよう」

「はい」


そう返事をして、各々案内された部屋へと入って行った



部屋は少々狭いが、窮屈という程ではない


ベットが3つ並んでいて、ベットとは反対側にテーブルと椅子もあった


アンディ達が椅子に座ると、使用人達は窓を開けたり荷物を整理し始めた


「お茶をご準備しますね」

使用人の1人はそう言うと部屋から出て行った


アンディは心配があった

「こんなに大勢でお世話になって、村の人達に迷惑なんじゃないかな?」


ダニエルはニコリと微笑むと

「大丈夫ですよ

立ち寄る村々には、先に準備金としてお金を渡してありますし、何処か修繕が必要ならその費用も渡してあります」

「そうなんですね」

アンディは少し安心した


「更に父はその村の一番の要望に応えると約束しています」

「一番の要望?」

デイブが不思議そうに聞いた


「その村々で要望が違います

お金が必要な村にはお金を、食料が必要な村には食料を

ちなみにこの村は近くの川の氾濫対策です」

「なるほど」


アンディとデイブが納得した


そこへ使用人が温かいお茶を持って部屋に戻って来た


「お茶でも飲んで休みましょう」

ダニエルがそう言うと、使用人はテキパキとお茶の準備を始めた


  ♪♫♬ ♬♫♪


ヴィッキー達も部屋でお茶を飲みながら話しをしていた


「お風呂に入れるのかしら?」

ヴィッキーが聞くと

「準備するよう言ってあります

この村は村人達が温泉に入れるように村の中にお風呂用の建物があり、皆好き好きに入ります」

エマが説明した


「まぁ!また温泉に入れるの?」

ソフィアは両手を合わせ喜んでいる


「移動中、領地内の村に泊まれる時は温泉に入れます」

エマはニッコリと微笑んだ


村人が使うお風呂に入る事を嫌がるかと思ったが、ソフィアとヴィッキーはそんな事より温泉に入れる事を喜んでくれたのがエマには嬉しかった


「少し散歩も兼ねてお風呂の建物へ向かいますか?」

「いいわね!お茶を飲み終えたら行きましょう」

ヴィッキーは嬉しそうに賛成した


  ♪♫♬ ♬♫♪


ヴィッキーとソフィアは温泉に入れる建物へ向かいながら、エマから村の話しなどを聞いていた


「この村はとても土地が肥えているので、農業地帯でもあります

ただ雨季は近くの川が氾濫する事もあり、その時は作物に被害が出る時もあります」

「エマは領地に詳しいわね」


ヴィッキーが感心した


「ここは辺境の地ですから、領民達がいかに安心して暮らせるかを重視しています

父や兄、それに私はそれに気を配る為によく視察に出ているのです」

「トンプソン辺境伯はとても素晴しい領主様なのね」


今度はソフィアが感心した


「今は戦は起きていませんが、一度戦が起きると土地は荒れ人が死に疫病なども出ます

その時の為に蓄え、準備を怠らないようにしているのです」


ライシャワー公国の首都で暮しているヴィッキーやソフィアには考えられない事だ


辺境の地が安泰だから、自分達が安心して暮している

トンプソン辺境伯やエマ達はその安心を支えているのだ


「エマもダンも素晴しいわ」

「本当に」


ソフィアとヴィッキーは、年下のエマがこんな重要な事をしていることに驚きを隠せなかった


それに気付いたのか

「私達には当たり前の事です」

とエマはニッコリと微笑んだ


少々足を延ばして、その氾濫するという川も見に行ってみた


とても大きな川だ

3人は川原を歩き、川へと近づいた


「もう少し上流に堤防を作ってあるのですが、更に上流にもう1つ堤防を作る予定です

1つ目の堤防がない頃はここも水が流れていました」

「ここも川だったの?

すごい大きな川だったのね」


大きさもある川で水量も豊富だ

そんな川が少し前はもっと大きかったなんて、とヴィッキーは驚いた


川に向って歩いていると

「ヴィッキー!」

と後ろから声を掛けられた


3人が振り返るとヘンリーが手を降りながら近づいて来ている


げ!

とヴィッキーは思ってしまった


ヘンリーは側まで来ると

「どこに行くんだ?」

と聞いてきた


「温泉の建物に向かうついでに散歩をしてるの

ヘンリー先輩はどうしたんですか?」

ヴィッキーに代わってソフィアが答えてくれた


「俺は君たちの護衛騎士達の交代で来たんだ」

ヘンリーはそう言うと、ヴィッキー達の護衛騎士に声を掛けた


「君たちは交代に食事を取ってくれ

その間は俺が護衛に加わる」

「はい」


ヘンリーに言われて、女性の護衛騎士のうち2人が残り、2人が食事を取りに行った


「では私達も温泉の建物へ行きましょうか」


エマに言われてヴィッキーとソファは「そうね」と頷いた


するとヘンリーがヴィッキーに向って手を差し出した

「どうぞ、お姫様」


ヴィッキーは驚いてヘンリーを見ると、ヘンリーは何食わぬ顔で微笑んでいる


確かにヴィッキーは公女なのでこの中では一番身分が高い

そのヴィッキーに手を差し出すのはおかしな事ではない


だがそれがヘンリーだから問題なのだ


しかしここで手を取らない訳にもいかないので、ヴィッキーはヘンリーの手に自分の手を乗せた


ヘンリーはニッコリ笑うと

「では行きましょうか」

と言って歩き出した


ご精読、ありがとうございます

m(_ _)m


次話もよろしくお願いします!

。◕‿◕。

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