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80話 快活

ライシャワー公国は南にあるので年中暑い


たが夏季のピークは過ぎたので、夕方になると随分と過ごしやすくなった


アンディとヴィッキーは散歩も兼ねて魔法陣のある庭を、仲良く手を繋いで歩いている


街の人達はいつも手を繋いている二人を微笑ましく見ていて、二人で街や海に行けば行き先ざきで祝福された


婚約当初は街を歩いたり、海にボードをしただけで記事になったが、最近はようやく落ち着いて来た


今は大公家なので人目もなく、二人はお喋りをしながらティファニーが来るのを待っていた


噴水に座りしばらく待っていると強い魔法の波動を感じた


「来たかな?」

「来たわね」

アンディとヴィッキーはお互い確認し合うと、立ち上がり魔法陣のある地下からの出口へと向かった


ちょうどドアの前まで来るとドアが開き、デイブが現れた

その後にジェフェリーにエスコートされたティファニーが外へと出てきた


「デイブも来たんだ」

「おう」

「お父さままで来たの?」

「来ちゃダメだった?」


愛娘のヴィッキーにそう言われて、ジェフェリーはウルウルする


「そうじゃなくて、お母さまだけって聞いてたから」

ヴィッキーはジェフェリーの頬に自分の頬を当てた


「ヴィッキー、久しぶりね」

ティファニーはそう言いながら、ヴィッキーとハグをする


「デイブも来るとは聞いてなかったよ?」

アンディがデイブに聞いた


「母上が明日、ミッチェル侯爵家に行くから、俺がお供しようかと思ってな」


デイブの答えに、アンディは素直にソフィアに会いに来たと言わないデイブに笑ってしまった


「…何だよ」

デイブはアンディに見透かされた事に気付いてブスッとした


5人はワイワイ喋りながら屋敷へと向かった


  ♪♫♬ ♬♫♪


フレッドとスザンナも加わり、大勢での夕食となった


「スー、ライシャワー公国はどう?」

ティファニーはメインディッシュのお肉にナイフを入れながら聞いた


「暑いわ」

スザンナは小さく切ったお肉を口に運びながら応えた


「スー、暑いなら僕に言ってよ!

涼しくなる魔導具を贈るよ!」

フレッドは慌てている


相変わらずスザンナにべた惚れのフレッドは、スザンナの為なら何でもしようとする


「最近は涼しくなったわ

大丈夫よ、フレッド」

スザンナが冷静にフレッドを落ち着かせた


「仲良く過ごしてるみたいね

良かったわ〜」

ティファニーは嬉しそうだ


フレッドとスザンナとティファニーは子供の頃からの付き合いだ


ティファニーには違和感はないのかもしれないが、昔からフレッドはこんな感じだったのか聞いてみたい

でも本人を目の前にして聞けないアンディだった


「アンディとヴィッキーとソフィア嬢は馬車でホワイト帝国を目指すんだろ?

デイブもかい?」


そう聞いたフレッドはいつものフレッドに戻っている


スザンナが関わらないとこうも人が変わるものかと、笑ってしまったのはアンディだけではない


「いえ、俺はホワイト帝国にいる事になっているのでライシャワー公国から一緒に行きません」

デイブが答えた


ライシャワー大公家とウィリアムズ大公家は魔法陣で繋がっているが、その事を知っている人間は限られている


そして魔法陣の存在を知られてもいけないのだ


ホワイト帝国民は魔法に対して良い感情を持っていない

ティファニーが魔法使いである事も秘密にしている程なのだ


「一旦ウィリアムズ邸に帰り、そこから皆を迎えに出向きます

トンプソン辺境伯の城で合流出来るかと思います」


トンプソン辺境伯の領地はライシャワー公国と隣接している


ホワイト帝国の首都よりライシャワー公国が身近なトンプソン辺境伯の領地は、考え方もライシャワー公国寄りだ


ホワイト帝国は一夫多妻制だが、ライシャワー公国は一夫一婦制だ


トンプソン辺境伯も一夫一婦制の考え方なので、ライシャワー公国寄りだと考えられるのだ


アンディ達がトンプソン辺境伯の領地に入る距離より、デイブが首都からトンプソン辺境伯の領地に来る方が距離はある


デイブはそれでも迎えに来ると言い張る

普段ソフィアとは離れているから、少しでも一緒にいたいのだろう


気持ちはわかる


でも大変だな、とアンディは思ってしまった


  ♪♫♬ ♬♫♪


夕食を終えると、フレッドとジェフェリーは話しがあると言って、別室へと移動した


スザンナはティファニーと久しぶりに会えたので、こちらも二人でサロンへと移動した


デイブとヴィッキーとアンディはテラスで涼みながらシャンパンを飲んでいる


「レイモンド皇帝陛下の結婚式にはアンディが伯父上の代行で出席するんだろ?」

デイブがアンディに聞いた


「そうだよ」

「何だか複雑ね

もとホワイト帝国の第二皇子が、ライシャワー公国の小公子として出席なんて」

ヴィッキーは笑っている


ホワイト帝国育ちのアンディは、貴族達の注目の的になるのは嫌だが、フレッドが出席するとなると、どうしてもスザンナも同行する事になる


元ホワイト帝国の皇后がライシャワー大公と再婚したのだから、良く思わない貴族もいるだろう


アンディはスザンナが非難されるのは避けたかった


スザンナとフレッドは好きあっていながらずっと離れ離れだったが、ようやく想いを遂げたのに非難されるのは腹立たしい


それならばスザンナの再婚に伴い小公子となったアンディの方が、まだ非難されてもマシだろうと考えたのだ


ライシャワー公国の人達は大らかな人が多いが、ホワイト帝国の人達は四角四面だ


スザンナやアンディを快く迎える訳がない事をアンディはわかっていた


「なるべく公の場は出たくないな」

アンディはため息をついた


婚礼の行事は10日は続く

今から気が重くなる


「私がいるわよ」

ヴィッキーがニッコリと微笑んだ


「俺だっているぞ

ソフィアもいるからな」

デイブはウインクしながら言った


「そうだね」

スザンナを守るために自分から行くと志願したんだ


頑張るしかない


「道中は宿のない区間もあって、テントを張って寝泊まりするって聞いてるよ

僕、テントで寝泊まりなんて初めてだから楽しみだ」


アンディはデイブとヴィッキーに心配をかけまいと、話題を変えた


「私達は子供頃に湖でテント泊した事あるわ

楽しいわよ!」

ヴィッキーは既にワクワクしている


「うん、また色々教えてね」

「任せとけ!」


3人はテント泊をどのように過ごそうか、楽しく計画を語り合った



ご精読、ありがとうございます

m(_ _)m


次話もよろしくお願いします!

。◕‿◕。

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