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76話 脱出

デイブとアンディはマシューの部屋から出ると、マシューから預かっていた鍵を使って他の魔法使い達の部屋のドアを開けていった


事前に計画を伝えられていた数人は、毒に侵されて一人で歩く事も出来ない人達に手を貸して、皆で建物の裏側へとやって来た


ちょうど移動が終る頃にマシューも到着した


魔法使いの一人がマシューに気付き

「サーヴァント、俺達本当にライシャワー公国に帰れるのか?」

と心配げに聞いてきた


「ああ、きっと帰れる」

マシュー自身も、自分が言った言葉を信じたいのだろう


するとリアが移動魔法を使い、現れた


リアはマシューを見ると

「ホワイト帝国の方は?」

と聞くと、マシューはニッコリ笑って

「言われた通りにしました」

と答えた


リアもニッコリと笑うと

「それじゃ、帰りましょうか」

と告げた


リアのその言葉に、捕らえられていた魔法使い達は(どよ)めいた


デイブはリアに近づき

「伯父上の方の魔法陣は?」

と聞いた


「あちら側の魔法陣は既に造ったはずよ

後はこちら側を造れば繋がるわ」

「では決行ですね」


デイブの言葉にリアは頷いた


デイブはリアから離れた


リアは目を閉じて神経を集中させる

すると黒髪だったリアの髪は銀髪へと変わった

造る魔法陣の構造が頭の中で出来上がると、リアは両手を上に上げた


リアの足元と真上が薄っすらと光りだすと、次第に魔法陣が現れた

魔法陣は薄っすらと光を帯びているので、真夜中の暗闇が明るくなった


これで王宮側に何か起こっている事が気付かれる


ここからは迅速に進めなければならなかった


少し離れた所でリアが魔法陣を形成するのを見ていた魔法使い達やアンディ、デイブは上空と地面に現れた魔法陣にざわついる


リアは「ふうっ」と息を吐くと、離れた所で見ていた魔法使い達に近づき

「その巻かれている魔導具を外すわ

少し痛いかもしれないけど、我慢してね」


そう言うと、魔法使い達に向って右手の掌を向けキッと睨んだ


魔法使い達の首や両手首、両足首に巻かれているチョーカーのような魔導具がバチバチッと静電気の様な光を発し、ハラリと外れた


魔導具が外れ、魔法使い達やマシューは「おお!」と驚いている


「よし!魔法陣の中央に移動するぞ」

デイブが叫びながら動けない魔法使いに肩を貸して移動を始めた


アンディも弱っている魔法使いに手を貸している


全員が中央に集まり、アンディはリアを見た


リアは魔法陣の外にいる


「リアさん?」


リアは寂しそうに笑った

「私は行かないわ」


リアの言葉を聞いて、アンディは驚いた

「どうして!?」


リアは困った顔をして

「私は呪いを扱う人間よ

皆、私を恐れるわ

私は人と一緒にはいられないのよ」


「そんな…!」

アンディは青ざめた


確かにホワイト帝国育ちのアンディにとって《呪い》とは恐怖を連想させた


だけど…

アンディは決意したような顔をして、リアへと駆け寄った


「僕は…」

リアは不思議そうにアンディを見ている


「少なくとも僕達…僕や母上や師匠、レイモンド皇帝やジェシカ嬢、他にも何人も…

僕達はリアさんの呪いで幸せになりました」


リアは驚いた


「僕も最初は呪いは悪い物だと考えていました

でも友達が…デイブに言われたんです

《呪い》は魔法使いにとって、他の魔法と同じなんだと」


デイブはアンディをじっと見ている


「今だってそうでしょ?

リアさんの呪いがきっかけで、この捕まっていた人達が助かるんです!」


マシューや他の魔法使い達もアンディとリアを見ている


「リアさんの呪いで僕達は幸せになりました

だからリアさんがそんな悲観的な事を言わないで下さい!」


リアは驚きが隠せなかった


最初に呪いの依頼を聞き、依頼を受けたのはフレッドとスザンナの事を考えたからだった


ホワイト帝国の皇帝がいなくなれば、あの2人は一緒に居られるのではないだろうか?


幼い頃からフレッドと共にクラリッサの元で修行し、フレッドとスザンナの仲の良さを間近で見て来た


だから2人の為に依頼を受けた


自分は皇族に手を掛けたという汚名を被っても良かった


どうせ自分は呪いの請負人…

自分は闇で生きるのが似合っている

そう思っていた


だからアンディの言葉に驚いた


私の呪いが人を幸せにした?


リアが黙って立ちすくんでいると、マシューも近づいて来た


「俺達は貴女に救けられたんです

感謝してもしきれない

だから貴女が不幸せになる必要はないんです

俺達とライシャワー公国へ帰りましょう」


リアはアンディを見ると、アンディはニッコリ微笑んでいる


そしてデイブを見ると、デイブはコクリと頷いた


アンディはリアに向って手を延ばすと、リアは恐る恐る手を延ばしアンディの手を取った


その時、リアの背後の建物の方から声がした


「何だ!?あの光は?」

「奴隷どもはいるか!?」


魔法陣の光で騎士や兵士が集まって来たようだ


「行きましょう!」

アンディがリアに向って言った

「ええ」


アンディとリアは手を繋いだまま、魔法陣の中央へと走った


マシューも一緒に付いて来た


魔法陣の中央に来るとリアは繋いでいた手を離し、魔法陣を発動させる為に両手を上空の魔法陣に延ばして自分の魔力を魔法陣に注ぎ込んだ


デイブとアンディにはそれがとても膨大な魔力である事がわかった


次の瞬間、魔法陣はパッと輝いた


いつもフレッドの屋敷とウィリアムズの屋敷の往来で使う魔法陣と同じように、目を開けていられない程の光を放った


光は閃光のように光ると、後にはアンディや他の魔法使い達、そして魔法陣すら消えてしまった


再び暗闇が辺りを支配する


ただ、魔法使い達に付けられていた魔導具だけがその場に残っているだけだった




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