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70話 再会

フレッドの使い魔はボルジアの山脈に沿って飛んでいた


クラリッサから教えてもらったリアの居る場所はもう少し先のはずだ


雄大な山々を眼下に眺めながら飛んでいると、山の中腹辺りに集落があるのが見えて来た


あそこか


フレッドの使い魔は集落を目指し、更に集落から少し登った所にある屋敷へと近づいた


数回、その屋敷の上空で旋回してからゆっくりと高度を下げる


屋敷の2階のテラスに近づくと、フレッドの使い魔はすうっと鳥からフレッドへと姿を変え、テラスに降り立った


振り返って景色を見ると、遥か下の方に街が見える


ボルジアの首都だ


山々の遥か向こうには少しだが海も見えた


リアは海が見えるから、ここに居るんだな


フレッドはそう考えてクスリと笑ってから、部屋の方へと足を進め、そのままガラス張りのドアを開けると部屋の中に入って行った


部屋の中ではリアが一人で椅子に座り本を読んでいる


「やあ」


フレッドが声を掛けながら部屋に入るとリアは顔を上げた


「ギルと違って全く気づかなかったわ」

リアはそう言うと本を閉じて机に置いた


「ギルがショックを受けていたよ

いきなり使い魔を消すなんて事するから」

「上手く魔力を隠せないあの子が悪いのよ」


リアの指導は厳しい


フレッドはリアの向かい側に座った


「さて…何から話そうか?」

「お小言を言いに来たなら、使い魔(あなた)も消すわよ」


目がマジだ


「では…ボルジアの宮殿に捕まってる魔法使いの事を話そうか」


リアは黙っているので、フレッドは続けた


「宮殿にいる魔法使い達は魔力も様々だし、まともに魔法を学んでもいないようだ


だが、ボルジアの連中はそんな事、お構いなしだ

魔法使いは魔法が使えて当たり前

魔法を使えば何でも出来ると思っている」

「そうね」


「更に奴らは魔法使いを従順にさせる為に薬を使っている

魔法使い達は薬漬けで、薬欲しさに出来ない事を要求されても必死だ」


リアは返事をしないが、フレッドが言わなくてもリアは知っているのだろう


「彼らを救い出したい」


フレッドが本題に入った


「どうやって?」

リアは自分の顔の前で両手の指を絡めた


「薬漬けなので、長距離の移動は無理だ

僕が把握している人数は14人だ

数も多いね

だから魔法陣で一気に移動させたい」


ライシャワー公国のフレッドの屋敷とホワイト帝国のジェフェリーの屋敷は魔法陣で繋がっている


だが今回はその場で魔法陣を作り出し発動させるのだ

魔法陣は入口と出口を作らないと移動出来ない


「どうしても2人いる」

「ギルとすればいいでしょう」

「ギルは移動後の魔法使い達を任せたい

僕とリアで魔法陣を造りたいんだ」


リアはふっと笑った

「何故私が?」


ちょうどそこへ、リアの使い魔が飲み物を運んで来た


この使い魔は水で出来た人の形をしている


リア自身は風が得意だが、身の回りの世話をさせるのは形を造りやすい水を使っている


使い魔はリアにお茶を出すと部屋から出て行った


「僕にお茶は?」

フレッドがショックを受けている


「貴方は使い魔でしょう」

「形だけでも気を使って、お茶を出してよ」

「いいから話しを続けなさい」


リアはフレッドの要求を却下した


リアがライシャワー公国に帰らずにこのボルジアに居るのは、恐らく呪いの依頼を受けた時に王女の側にいた魔法使いに気付いたからだろう


そこから調べれば、簡単に宮殿の中には他にも何人も魔法使いが捕まっている事に辿り着ける


だがリア一人では全ての魔法使いを救い出す事は出来ない


だから上手く僕達を巻き込んだ


まずアンディに警告をする

その警告のため、僕達は周りで起こる事に敏感になっていた


なのでこの奴隷としてライシャワー公国の人間が拉致されている事に気づく事になった


もし気付かなければ、他の手も考えただろう


リアは呪いを扱うので、人を誘導するのが上手い


どちらかと言えば、この救出はリアがしたかったハズだ

だが「リアも助け出したかったのだから、お互い協力しよう」と持ち掛けても「いいわ」と返事をするようなリアではない


リアが人を誘導する事に長けているように、フレッドはリアを誘導する事に長けていた


「こういうのはどうかな?

リアは無断で呪いの依頼を受けた

そして禁忌である皇族に手をかけた

だが救出を手伝うならば、呪いの件は不問にするよ」


リアもフレッドがそう持ち掛けて来る事がわかっていた


ニヤリと笑うと

「いいわ」

と二つ返事で返した


  ♪♫♬ ♬♫♪


デイブとアンディはフレッドの執務室に呼ばれた


2人がフレッドの机の前に来ると、フレッドが話し始めた


「ボルジアの宮殿に奴隷の魔法使いが14人いるんだ」


「14人も!?」

デイブとアンディが驚いた


「14人の中で一番マトモに魔法を使える魔法使いがボルジアの王女の側にいて、彼が今レイモンド皇帝に近づいた罪人の女に変装魔法を施している」


アンディとデイブは黙って聞いていた


「魔法使い達はチョーカーを巻かれている上に薬を使われていて、彼らは薬欲しさに一生懸命に働いている」


「そんな事…」

アンディの顔が青くなった


「今回はこの14人を救出する」


フレッドがそう言い切った


「どうやるのですか?」

デイブが聞いた


「魔法陣を展開して、全員を一気に移動させる」


アンディはまだ良くわからないが、デイブはこの作戦が大掛かりである事を理解していた


「その場で魔法陣を素早く作るとなると、相当なレベルの魔法使いになると思いますが?」

「うん

魔法陣は僕とリアで作るよ」


「リア?」


デイブは初めて聞いた名だ


「リアは僕と一緒にクラリッサ師匠の元で修行していた人だ


…ホワイト帝国で呪いを使った人物だよ」


フレッドの言葉にデイブが驚いた

「あの呪いを仕掛けた魔法使い?」

「そうだよ

あの呪いを見たら分かると思うけど、リアは相当な手練だよ」


それはわかる

呪いは完璧だった


呪いだけではなく、自分達もいいように(あしら)われた


「伯父上と兄姉弟子の方だったんですか」

「うん」


アンディもそれは初耳だった


「捕まってる魔法使い達は薬を使われているから、素早い動きや判断力が悪い


リアが向こうで魔法陣を展開させるから、デイブとアンディには捕まってる魔法使い達を誘導して欲しいんだ


僕はこちら側で魔法陣を展開して、ギルが送られて来た魔法使い達をまとめるから」


アンディとデイブはゴクリと喉を鳴らした


他国の宮殿に潜入して、14人もの魔法使いを救出するのだ


だが2人は

「「わかりました」」

と返事をして、覚悟を決めた



ご精読、ありがとうございます

m(_ _)m


次話もよろしくお願いします!

。◕‿◕。

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