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66話 居場所

フレッドの使い魔がクラリッサの屋敷の上空を旋回していると、屋敷の側にある池の辺りにクラリッサが居るのが見えた


クラリッサの左腕には鷹が留まっている


アンディの使い魔だ


フレッドの使い魔の鳥はゆっくりと高度を下げ、クラリッサへ近づく


するとクラリッサも上空を見上げた

フレッドの使い魔に気付いたようだ


使い魔はクラリッサの側に来るとすうっとフレッドに姿を変え、トンと地上に降りた


「わかったかい?ああやるんだよ」

クラリッサはアンディの鷹に話し掛けている


「何の練習ですか?」

使い魔のフレッドがクラリッサに近付きながら聞いた


「今、お前がした事をちょうど教えていたんだよ」

「また難しい事を…」

フレッドは苦笑いした


フレッドは鷹の背に手を当てると

「いいかい?変装魔法に近い魔法だから

魔力の流れを感じてね」

そう言いながら自分の魔力をアンディへと流し込み、鷹から人へと姿を変えた


すると鷹はすうっとアンディの姿に変わり、トンと地上に降りた


使い魔のアンディは自分の両手を見た後、身体や足を見て大喜びで叫んだ

「………………」


口をぱくぱくさせるが声が出ない


アンディは喉を押さえながら更に口をぱくぱくさせるが、やはり声は出ない


「声の共有は出来なかったみたいだね」

フレッドは残念!といった顔だ


「魔力が似ていると教えやすくて便利だね」

クラリッサがフレッドに言った


「アンディは飲み込みも早いですよ」


フレッドにそう言われて、使い魔のアンディは照れている


「それで、どうしたんだい?

急に訪れて…」

クラリッサは怪しい人物でも見るかのような目つきだ


「僕が師匠の家に来たらいけないですか?」

「お前は面倒事しか持ち込まないだろう」

クラリッサはギロリと睨んだ


「なに、大した事ではありません

リアの居場所が知りたいだけです」


フレッドの言葉にクラリッサは米噛みを押さえた


「自分でも探せるだろう」

「時間が惜しいので」

フレッドはニコニコしている


アンディは2人のやり取りをオロオロしながら聞いている


「この前、アンディを亜空間に連れて行ったんです

師匠ならば、わかっているでしょう」


アンディは驚いた


師匠は僕を亜空間に連れて行った人を特定していたのか


「今、ホワイト帝国にボルジアから来て変装魔法を使い、皇帝に近づいた人間がいるんです


リアは前皇帝に呪いを掛けてます

恐らくボルジア側が魔法使いを使ってホワイト帝国の顛覆を狙っているのでしょう」


えっ、ちょっと待って

師匠は呪いを掛けた魔法使いは師匠やクラリスさまと同じ銀髪だと言っていた


でも僕を亜空間に連れて行った女性は黒髪だった


アンディはフレッドに向って何か言おうとするが声が出ない


身振り手振りで伝えようと頑張る


「アンディ…ごめん」

フレッドはアンディの肩をポンと叩いた


大公家の廊下をバタバタ走る音がする


執務室で書類に目を通していたフレッドは顔を上げた


するとバタン!と荒々しくドアが開き、アンディが執務室に飛び込んで来た


「師匠!」

「アンディ」

フレッドは微笑みながらアンディを見た


アンディはフレッドの側に駆け寄ると

「僕を亜空間に連れて行った魔法使いは黒髪でした!

銀髪じゃありません!」

と息を切らせながら叫んだ


「それを伝えたかったのか」

フレッドはようやくわかった


フレッドは自身が発する言葉を使い魔にも喋らせた


「「リアは銀髪だよ

でも目立つからね

普段は黒髪にしてる事が多いね

呪いを扱うから、雰囲気を出すために黒髪にするみたいだよ」」


フレッドの言葉を聞いてクラリッサも納得した

「アンディは黒髪のリアに会ったんだね」


「同一人物だったんですか」

アンディもようやく落ち着いてきた


「仕方ないね」

クラリッサはやれやれといった感じで教えてくれた


「リアはボルジアにいるよ」

「やはりですね」


亜空間を使った時に魔力を隠していなかったから、あえて居場所を教えたのだろう


「とにかく一度、会いたいな」

フレッドは考えながら呟いた


  ♪♫♬ ♬♫♪


ライシャワー大公家の魔法陣が発動した


デイヴィットが来たのだ

妖精祭りには行くと連絡があったので、フレッドはすぐ目の前にいるアンディに伝えた


「デイブが来たよ」

「デイブが!?

じゃあヴィッキーと迎えに行って来ます」


アンディはそう言うと、再びバタバタと走って、部屋を後にした


「元気だね」

フレッドはアンディの後ろ姿を見送ると、ニコニコしながら言った


「若いですからね

ムダに元気な頃ですよ」

「お前は…若さに僻むんじゃないよ」

「私はまだ若いです

でも落ち着いた頃合いになっただけです」

「物は言いようだな」

「事実です」


フレッドとギルバートはムダな言い合いを続けるのだった


  ♪♫♬ ♬♫♪


アンディとヴィッキーが庭園へ向かうと、デイブもこちらに向って歩いて来ていた


「いらっしゃい、デイブ」

アンディがにこやかに声を掛けた


「おう、世話になるよ」

デイブは軽く手を上げて返事をした


3人は並んで屋敷に向って歩き出した


「こうして3人でライシャワー公国にいるのは久しぶりね」

ヴィッキーが話し掛けた


「結婚が決まってからウィリアムズ家(あっち)に居る事が多くなったからな〜」

デイブは空を見ながら話し

「やっぱ、こっちは暑いな」

と言うと手を団扇代わりにパタパタさせた


「去年の妖精祭りはもう少し早い時期だったと思うけど…?」

アンディが考えながら聞くと

「妖精祭りは毎年、年の初めに占いでいつするか決めてるんだよ」

デイブが教えてくれた


「そうなんだ」


やはりライシャワー公国に来て1年のアンディより、5歳から昨年までライシャワー公国に留学していたデイブの方が詳しい


「去年はすっぱ抜かれたからな

今年は気をつけるぞ!」


デイブは昨年、ソフィに告白した所を新聞にすっぱ抜かれた


その後の騒ぎは大変だった


街に出れば記者から質問攻めにあい、人々からは祝福されて…


いや、後半は良い

ライシャワー公国の人達にデイブやソフィが愛されているのだから


やはり記者の質問攻めが大変だった


「アンディとヴィッキーの婚約発表はいつするんだ?」

デイブが聞くと、ヴィッキーは人差し指を顎に当てながら考えた


「伯父さまは妖精祭りが終わってから、婚約とアンディが大公家に入った事を発表するって言ってたわ」


アンディの母・スザンナはフレッドと再婚したので、その連れ子であるアンディも大公家の人間になったのだ


人々はアンディはホワイト前皇帝陛下とスザンナの子供だと思っているが、実はフレッドとスザンナの子供だ


それは明かせないが、フレッドそっくりで銀髪であるアンディは、ライシャワー公国の人々には受け入れらていた


きっと大公家をヴィッキーと継ぐと公表しても受け入れてくれるだろう…たぶん


そんな心配をしながら3人は、来る妖精祭りをどう過ごすか樂しく計画を練っていた




ご精読、ありがとうございます

m(_ _)m


次話もよろしくお願いします!

。◕‿◕。

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