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63話 ギャップ

ライシャワー公国に帰ったフレッドは早速、動き出した


先にギルバートに頼んで国境近くの村や町に警備隊を派遣したが、更に魔法使いも加える事にした


そして魔法使いには、警備の他に地方に住んでいる為に魔法を学べない子供達に魔法を教えるように指示を出した


「子供達に魔法を教えるとなると、それなりのレベルの魔法使いになりますね」

ギルバートは魔法使いのリストを見ながら考えた


「地方には賢者がいるからね

賢者達とも連携を取らなくては」


地方に根付く魔法使いは賢者と呼ばれ、その土地を守りそこに住む人達を守護をする


賢者は弟子を取り、弟子に魔法を教えるがそれ以外は手がまわらないので教える事はない


「6ヶ月だ

警備隊と魔法使いを6ヶ月派遣したら、領主と賢者の意見を聞こう

全ての村や町を同じやり方で警備せずに、領主や賢者の意見も取り入れて、その土地に合う警備の仕方をする」

「畏まりました

そのように伝達します」

ギルバートはリストと一緒に持っていた紙にフレッドの決めた方針を書き込んだ


「さて次は、行方不明の子供…大人もだ

行方不明者リストを提出させて」

「はい」

「テネシーでは既に子供が2人行方不明だ

国境近くの他の村などにもいるはずだ」

「そうですね

ここ近年ですか?」

ギルバートが聞いた


「…国境近くでの拉致は僕が孤児院の監視を強化してからだと思うけど、ここ数年にこだわらず、わかるだけ報告して」

「はい」

ギルバートはフレッドの指示を全て書き込んでいく


「ボルジアに調査の長けた魔法使いを数名潜入させて、ライシャワー公国の民が売られた先を調べさせるんだ」

「はい」

「必ず1組3名で動くこと

調査に長けた者と護衛の者

組み合わせは任せるよ」

「はい」


ここでようやくフレッドは一息付いた


冷たい飲み物を飲み、他に何か抜けていないか考える


アンディが亜空間で言われた警告が気になる


アンディを亜空間に招き入れた魔法使いは検討が付いていた

あの時、感じた魔力は彼女の物だった


彼女も自分に気付かれるとわかっていて、それでもアンディに接触してきたのだ


また何かが起こるのだろうか?

そちらも気に掛けなくてはいけないな


「それでは派遣の魔法使いと、潜入の魔法使いをリストアップします」

ギルバートの返事にフレッドは考えを中断した


「うん、頼むよ」


出来れば少しでも早く救出したい

ロドリーのように怯えて泣いている子供がいると思うと焦ってしまう


早く、でも慎重に

動いてもらう魔法使いに危険がないようにもしなくては…と考えるのだった


  ♪♫♬ ♬♫♪


アヤカがバムフォード伯爵邸へ来て数日が過ぎた


その間、何度かバムフォード伯爵と食事を取ったりした


バムフォード伯爵には息子がいたがこちらも早くに亡くなり、今は孫と共に過ごしていた


まだ10歳位の男の子だが、利発そうだ


今、3人で夕食を取っている

アヤカはバムフォード伯爵に

「お祖父様、私レイモンド皇帝陛下にお礼を申し上げたいのですが」

と切り出した


「お礼?」

「レイモンド皇帝陛下がお祖父様に連絡して下さったので今私はこうしてここに居ることが出来ます

ぜひお礼を申し上げたいのです」


「ふむ…」

バムフォード伯爵は少し考えて

「まだホワイト帝国で社交会デビューもいていないお前が謁見はまだ出来まい」


えっ!?

そんな悠長な事を言っていたら、レイモンドが結婚してしまう


アヤカは焦った


「近々、ジェシカ嬢がお茶会を開かれる

招待はされていないが、私から頼んでみよう

運が良ければ皇帝陛下ともお会い出来るかもしれん」


ジェシカのお茶会…

これはこれでチャンスかもしれない


何かしらジェシカを陥れ、レイモンドとも会えれば一石二鳥だ


「お祖父様、私ホワイト帝国のお茶会に出てみたいです」

アヤカはニッコリ笑いながら頼んだ


「明日、話しをしてみよう」

「ありがとうございます」


以前デニス伯爵の娘としてホワイト帝国にいた頃、このバムフォード伯爵という人物を知らなかった


祖父と孫だけの家なので、年代が違うから気に留めなかったのだろう


皇帝の婚約者が主催のお茶会に孫娘を飛び入り参加させれる程の力があるのだ


なかなか使える人物で、アヤカはローレッタに感謝した


 ♪♫♬ ♬♫♪


アンディとヴィッキーは奥の庭園で魔法の練習を終えると、東屋で休憩していた


「ボルジアの奴隷市場で魔法使いの子供が売られていたんだ」

アンディがヴィッキーにボルジアでの事を話していた


「ロドリーって子供で…

首と両手首・両足首にチョーカーのような物を巻かれていて、それを使われると、気を失うくらい凄い痛いらしい」

「まぁ」

ヴィッキーは手で口を押さえ、顔を歪めた

「子供がそんな目に遭ってたの」

「うん

だからなのかな?

師匠がその子を助ける時、競売で落札した男に対して見たこともないくらい冷酷だったんだ」

「伯父さまが?」

ヴィッキーが驚いた


「そうなんだ

そのチョーカーを発動させる器具を男は指輪にしてたんだけど、師匠は男のその指を折ってから指ごと踏み付けて指輪を壊したんだ」

「えっ!伯父さまがそんな事を!?」


「あの方は敵には容赦ないのですよ」


突然、東屋の外から声がした

アンディとヴィッキーは驚いて声がした方を見ると、ギルバートが立っていた


「すいません、お話しが聞こえてしまって」

ギルバートは申し訳なさそうに謝った


「ううん、いいんだよ」

アンディは微笑みながら答えた

「師匠はいつもそうなの?」


アンディに聞かれて、ギルバートは東屋へと入って来た


「そうですよ

あの方は守るべき方には優しいのですが、敵には容赦ありません

その男の命を取らなかっのが不思議なくらいですよ」

「そうなの!?」

ギルバートの話しにヴィッキーが驚いた


「きっと子供が側にいたから、殺さなかったんでしょうね」

「そういえば師匠は『殺そうと思ってた』って言ってた」

「ね!そうでしょ」

ギルバートは納得した感じだ


「意外だわ

そんな伯父さまを見た事がないわ」

ヴィッキーは驚きを隠せない


だがギルバートには、驚く事でもないようだ


「あの方はご自分の魔力(ちから)が絶大なのは、ライシャワー公国や公国の民を守る為だと考えているのです

ですから民に仇なす者に容赦ないのですよ」


普段、温厚なだけにギャップがすごい

でもテネシーでも皆から慕われていた


「師匠みたいになりたいな」

アンディがボソッと言う


ヴィッキーとギルバートはアンディが怒る事が想像出来ない

でもきっと怒ったらすごそうだ

何だかんだと、フレッドとアンディは似ている


2人はなんだか未来のアンディが見えた気がした



ご精読、ありがとうございます

m(_ _)m


次話もよろしくお願いします!

。◕‿◕。

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