62話 策略
翌日、大公邸に帰る為にフレッドとアンディは準備をしていた
領主から地図を借り、テネシーから首都までの距離や経路を確認した
フレッドならばここから一気にライシャワー大公邸へ移動出来るが、アンディにはまだ無理なので、2ヶ所の中継地点を取る事にした
まず使い魔を1ヶ所目の中継地点へ向かわせる
使い魔が到着するまで、お茶を貰って休んでいると、ロドリーと両親が見送りに来てくれた
ロドリーはフレッドとアンディに駆け寄ると
「フレデリック大公閣下、アンディさま、本当にありがとうございました」
と両親と共にお礼を言った
アンディはロドリーの頭を撫でながら
「うん、良かったね」
と微笑んだ
ロドリーはアンディを見上げると
「アンディさま!
ボク魔法の勉強をもっと頑張ります
そして大きくなったらフレデリック大公やアンディさまのお手伝いが出来るくらいの魔法使いになります!」
フレッドとアンディはニッコリ笑うと
「うん、頑張ってね
待ってるよ」
と更に頭を撫でた
「警備隊に含む魔法使いに話しをしておくから、彼らから学ぶといいよ」
フレッドが言った
「本当ですか!?
ありがとうございます!
他の魔法使いの友達も一緒に学んでもいいですか!?」
「もちろん!全然構わないよ」
「わぁっ!」
ロドリーは大喜びした
使い魔がちょうど中継地点に到着したので
「では行こうか」
とフレッドがアンディに声を掛けた
「はい」
アンディがそう返事をすると、2人はロドリー達から少し離れた
「フレデリック大公!
アンディさま!
本当ありがとう!!必ず会いに行きます」
ロドリーが叫ぶと
「うん、待ってるよ」
とフレッドがいい
「またね!」
とアンディが手を振った
次の瞬間には2人は消えてしまった
ロドリーや両親、そして領主と賢者は2人が居た場所をしばらく見つめていた
♪♫♬ ♬♫♪
アヤカはレイモンドに接触した日の夜、ボルジアの使節団が滞在している来客用の宮殿にお忍びで訪れたバムフォード伯爵と対面した
「お初にお目に掛かります、お祖父様
ブリタニー・フェイ・ボーンと申します」
アヤカは礼儀正しく挨拶をした
伯爵はアヤカをじっと見つめる
「デズリーの娘だそうだな?」
「はい
母は5年前に亡くなりました」
これは事実だ
ボルジアのローレッタ第三王女からの情報だ
なるべく真実味を出すために、事実も織り交ぜた生立ちを考えてある
「そうか…
ボルジアに嫁いてからは全く音信不通だったから…
亡くなった事は聞いていた
お前も相当苦労したのだろう」
すんなり信じてくれた
やはり攻略対象を間違えていないと、事はスムーズに進むのだろうか
「このまま私の屋敷へ行こう」
やった!
これでホワイト帝国に残る事が出来た
「ありがとうございます、お祖父様」
アヤカはバムフォード伯爵と共に使節団の人間に気づかれないように、そっと抜け出すのだった
♪♫♬ ♬♫♪
アヤカの行動を魔法使いを使い監視していたローレッタは私室を出て国王の元へと向かった
国王の執務室に到着するとドアをノックして
「国王陛下、ローレッタです」
と声を掛けた
中から「入りなさい」と聞こえたので、見張りの騎士がドアを開ける
ローレッタが部屋に入ると、国王は机に向って書類にペンを走らせていた
ローレッタと同じ薄緑の髪色の国王は顔を上げた
ローレッタは国王に近づくと
「使節団を離れ、ホワイト帝国に残る事が出来ました」
そう報告した
「そうか
今度こそホワイト帝国の皇帝を仕留めねば」
国王は顎に生えている短い髭を触っている
「せっかく呪いを使って皇帝と皇太子を亡き者にしたのに、次の皇帝の方が厄介だったとは」
国王は苦虫を噛み潰したかのような顔になった
「それで?この後はどうするのだ?」
皇帝がローレッタに聞いた
「レイモンド新皇帝は誠実な人柄なので、今回は呪いを依頼しても無駄でしょう
やはりあの女を使って、引っ掻き回すのが得策かと」
ローレッタはニヤリと笑いながら答えた
「あの女が上手く皇后になれば、もともとホワイト帝国の罪人であった事を使い、意のままに操れます
もし皇后になれなくても、皇妃に、皇妃がダメでもホワイト帝国の深部に潜入させて利用出来ます」
「ふむ…お前のような優れた参謀がおると助かるな」
国王も同じように笑った
「ホワイト帝国は我がボルジアの同盟国ではない
ライシャワー公国に手を出したくても隣接していないので、どうしてもホワイト帝国を通らねばならない
我々がライシャワー公国に攻め入る為にホワイト帝国を通過しても文句を言わせない程度は役に立ってもらわねば」
「はい
それにホワイト帝国とライシャワー公国は同盟国です
我がボルジアがライシャワー公国に攻め入っても、ホワイト帝国がライシャワー公国に加勢させないように、皇后として反対させれば完璧です」
「そうだな
ライシャワー公国をボルジアの属国とし、魔法使いをふんだんに使った軍隊を作るのだ
そうすればホワイト帝国とて敵ではなくなる
まさにボルジア帝国となるのだ」
国王は笑いが止まらない
「お父様、ホワイト帝国を手に入れたら私のお気に入り達を私にくれる事をお忘れなく」
ローレッタはニッコリと微笑んだ
「わかっておる
好きにすれば良い
お前の参謀としての活躍があっての事だ」
「ありがとうございます」
ローレッタはお礼を述べると執務室を後にした
ローレッタは歩きながら思いを巡らせた
自分は転生したというのに、全くストーリーと関係のないモブですらないキャラ
だがストーリーを知っている強みを活かして攻略対象を全て収集してみせる
私はこのゲームのキャラ全て手に入れるのだ
そして私の側に置いて眺めるの
わざわざ皇帝にしたレイモンド
魔法使いにしたアンドレアス
魔法使いであり小公子のデイヴィット
ホワイト帝国の頭脳の言われる程のケント
ホワイト帝国の騎士団団長レオン
この大陸の大神殿の最高神官であるネイサン
皆、私の人形
ヒロインは邪魔なだけ
ただヒロインというだけで、全てを手に入れる事が出来るアヤカが憎かった
あの女は仕事が終われば、どこかの娼館にでも置いて堕ちていくのを眺めようかしら
ローレッタは男たちを侍らした自分を想像するとゾクゾクするのだった
ご精読、ありがとうございます
m(_ _)m
次話もよろしくお願いします!
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