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59話 襲撃

閑散とした林の道を2台の馬車が走っていた


馬車の周りには、護衛が6人、馬に乗って馬車を囲んでいる


先頭を走る馬車はとても豪華だ

だが2台目の馬車はかなりみすぼらしい


先頭の馬車には、先程オークションで魔法使いの子供を落札した男が乗っている


2台目の馬車には魔法使いの子供が乗せられていた

その馬車の屋根には二羽の鳩が留まっている


フレッドとアンディの使い魔だ


馬車は外から鍵を掛け、男の子は閉じ込められていた


首輪を付けられ、首輪の鎖が馬車のドアの取手に絡められて、更に鍵も付いている


両手は一枚の板の枷で固定されていた


男の子はぐすぐすと泣いている


すると目の前に突然、見知らぬ男性が2人現れた


男の子は驚いて叫び声を上げそうになったが、すぐに口を塞がれた


「しっ!静かに

君を助けに来たんだよ」

男の子の口を押さえている茶色の髪に髭を生やした男が言った


男の子はまだ何が起こったのかわからない


フレッドは変装魔法を解き、本来の姿に戻った


すると男の子の目が大きくなった


フレッドが口を押さえていた手を離すと


「大公閣下!」

男の子が叫んだので、フレッドは慌てて男の子の口を押さえた


「しっ!」

フレッドはもう片方の手の人差し指を自分の口の前で立てた


男の子がコクリと頷いたので、フレッドは押さえていた手を離した


アンディは男の子が叫んだので気付かれていないか鳩の目を通して見るが、周りにいる護衛達には聞こえていなかったようだ


「大丈夫です」

アンディが小声でそう言うと、男の子が安心した


「大公閣下…」

男の子はフレッドを見て、瞳からポロポロ涙が溢れた


「もう大丈夫だよ

僕と一緒にライシャワー公国へ帰ろうね」

フレッドがそう言うと、男の子は声を殺して泣き出した


「偉いね、頑張ったね」

アンディが男の子の頭をなでた


フレッドが男の子に付けられている首輪と手枷に触れると、いとも簡単に外れた


すると首と手首に、足首に巻かれているチョーカーと同じ物が付いている


フレッドはそれを見つめる


「これを使われたのかい?」

フレッドは首に巻かれているチョーカーを指で指して聞いた


「はい…何度か

とっ、とっても痛くて…気絶するくらい痛くて…怖くて言う事をきくしかなかったんです」

男の子はぐすぐす泣きながら話した


「これを外す事は出来るけど、少し痛いかもしれない

出来ればここで外してしまいたいけど、我慢出来るかな?」


男の子の顔が青くなった


よほど痛い目にあったんだろう

恐怖で震え始めている

アンディは男の子の肩をぎゅっと抱きしめた


フレッドも男の子の様子を見て、外すのは無理かと考えた


「君を買った男はこれを発動させるスイッチを作る為に、自分の持ち物に魔法を受けたはずだ

何がスイッチかわかるかい?」


男の子はフレッドの顔を見ると

「ゆ…指輪です

黄色い石の指輪に魔法を受けていました」

すがるような目で見つめた


「わかったよ

その指輪を壊してから外そう」

フレッドがそう言うと、男の子はホッとした顔になった


「よし、それではまず君の名前は?」

「ロドリーです」

「ロドリー、いい名だね」

フレッドがニッコリ微笑んだ


「ロドリー、僕達は外で馬車を止めてこの一行を襲うから、君は僕がドアを開けるまでここにいるんだよ」

フレッドがロドリーの頭に手を置いて撫でながら話した

「わかりました」

ロドリーは先程までとは打って変わって、しっかりとした顔つきになった


「うん、大丈夫そうだね」

フレッドも安心した

そしてアンディの方に身体を向ける


「じゃあアンディ、この馬車の先回りをするよ」

フレッドがそう言うと、馬車の屋根に留まっていた鳩が飛び立った

「はい」

アンディがそう返事をすると、もう一羽の鳩も飛び立つ


しばらくすると

「じゃあ行って来るね」

とフレッドはロドリーの頭をポンと触ると消えてしまった


アンディも同じようにロドリーの頭に触れ

「行ってきます」

と言って移動魔法を使った


「気を付けて下さい」

と言うロドリーの声だけがアンディの耳に届いた


  ♪♫♬ ♬♫♪


フレッドとアンディは馬車の進行方向よりかなり前の場所に使い魔を送り、そこへ使い魔目指して移動した


林の中の一本道なので、先回りしやすくて助かった


フレッドは再び魔法で変装した


襲撃するのに銀髪は目立つからだ

だが今のフレッドの姿は別の意味で目立つ


ぴっちり七三分けした茶色の髪にピンと伸びた髭

そして目が見えない程の度が強いメガネだ


とても襲撃するようにな人には見えない


アンディがそう考えていると、前方から馬車が近づいて来た


フレッドとアンディは道の真ん中に立っている


フレッド達に気付いた護衛騎士が馬を駆り立てて馬車より先に近づいて来た


「お前たち邪魔だ!どけっ!」

騎士は二人を怒鳴るが、二人は動く気配がない


騎士は剣を抜くと、剣を見せつけ威嚇した

「退かねば切るぞ!」


だが二人は黙ったまま立っている

そうしている間に、馬車が来てしまい、騎士の後ろで止まった


更に2人の騎士がフレッド達に近づいて来る

騎士達は剣を抜き、馬の上からフレッドとアンディを見下ろした


先頭の馬車の御者台には、御者と使用人の男が座っていて

「何だ、お前たちは?」

と、いかにも迷惑そうな顔をした


「後ろの馬車に乗っている子の保護者だよ

引き取りに来た」

フレッドがそう言うと、使用人は驚き黙ってしまった


すると馬車の窓が開き、男の子を落札した男が顔を出した


「何の事だ

変な言いがかりを付けるな

構わん、轢き殺しても良いから馬車を出せ」


「せっかく穏便に済まそうとしてあげたのに」

フレッドはそう言うと一歩前に出た


先に来ていた騎士がフレッド目掛けて剣を振り下ろす


剣は騎士とフレッドの間の見えない防御壁に当たると、甲高い音を立てて折れてしまった


フレッドは騎士を睨みつけ

「あまり良い剣を支給されていないようだね」

と言うと、周りの小石がフワリと浮き上がった


次の瞬間には無数の小石が騎士達目掛けて飛んで行く


小石は馬を避けて騎士だけに当たる

「うわぁぁ」


もの凄いスピードで飛んで来た無数の小石が体中に当たり、騎士達は次々と落馬した


御者台で呆気に取られている御者と使用人の側に、アンディが移動魔法を使い突然現れた


「うわぁ!」

御者と使用人が驚いて叫ぶと同時にアンディは使用人の方を蹴ると、男は御者を巻き込んで御者台から

どすん!

とものすごい音を立てて落ちた


フレッドは後方にいる残り3人の騎士目掛けて、今度は少々大きめの石を操り腹部目掛けて飛ばした


石は見事に腹部に当たると、騎士達は石の勢いで馬からかなり離れた所まで吹き飛ばされた


アンディはもう一度、移動魔法を使いロドリーの馬車の御者台へ移動すると、さっきと同じように御者を蹴落とした


フレッドは主人の男が乗っている馬車のドアを開けると、男は左手の薬指に嵌めている黄色い石の指輪に触れようとしていた


フレッドは男の指輪を嵌めている指を掴むと、馬車の外へと引摺り出し放り投げた


馬車から落ちた男は

「うわぁー!ゆ、指が!!おっ折れた!」

と苦しそうに叫ふが、フレッドは更にその指を思いきり踏みつけた


バキン!と指輪が壊れた音がした

「うわぁぁあ!!」


フレッドは男の指を踏みつけたまま

「良かったな

殺してやろうかと思ってたけど、その指で勘弁してやるよ

僕は優しいからな」


男は「ひいっ!」と言うと失禁してしまった


アンディは今まで見たこともないフレッドを見て、驚いてしまった


フレッドを怒らせないようにしないと…


アンディは心に誓った


ご精読、ありがとうございます

m(_ _)m


次話もよろしくお願いします!

。◕‿◕。

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