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58話 潜入

ヴィッキーは必死だった


ダメダメダメ!

我慢しなきゃ!


だがそう考えれば考える程、耐えれなくなった


ヴィッキーは自分の右後ろを見るように顔を背ける

だが肩が震えていた


結局「ぷっ」と吹いてしまった


「…ヴィッキー」

アンディがしょうがないな、といった感じて声を掛けると、とうとうヴィッキーは笑い出してしまった


「な、なんですか!?伯父様!その変装は!?」

ヴィッキーは涙を流して笑っている


だが仕方ない、とアンディも思った


フレッドは変装で茶色の髪をぴっちり七三分けにしている

更に鼻の下には立派な髭がピン!と耳に向って伸びていた


目にはメガネを掛けているが度が強すぎて、フレッドの目が見えないくらいだ


改めて見たアンディも必死に笑いを堪えた


「だってスーが…」

とフレッドは情けなく言う


スザンナはフレッドの前に立っていた

「似合ってるわよ、フレッド」


スザンナは涼しい顔でそう言うが、クルリとフレッドに背を向けた

肩が震えている


「スー…

笑いたかったら笑ってもいいんだよ」

フレッドは自分が遊ばれている事がわかっていた


「ぷっはっはっは!」

と盛大に笑っているのはギルバートだ


ギルバートも涙を流しながら笑っている


「何故、お前が笑う!?」

フレッドはギルバートの両頬をギリギリと引っ張った


わりゃひぇもええひぉ(笑ってもいいと)おっひゃっひゃひぁら(仰ったから)

「お前に言ってない!」


フレッドは更にギルバートの頬を引っ張っている


奴隷市場へ潜入する為アンディに変装魔法を教えていたが、ほぼ習得したので、どのような姿で潜入するか皆で考えていたのだ


スザンナはフレッドに

「貴方は普段髪にワックスを塗らないから、しっかりワックスでセットしては?」

「髭を生やした事がないでしょう?」

「瞳の色は変えれないのなら、レンズの厚いメガネでごまかしては?」

と誘導したのだ


アンディは黒髪だ

30歳くらいの見た目にした


フレッドはどこかの大金持ち風で、アンディは従卒といった感じだ


奴隷を買いに来たように見せて、潜入するつもりなのだ


「まぁ、いいか

スーが選んだんだから」

フレッドは嬉しそうだ


フレッドはスザンナの為になる事や、スザンナが喜ぶなら何でもする


ギルバートとヴィッキーとアンディは呆れたが、まぁ面白いからいいか、と考えてしまった


  ♪♫♬ ♬♫♪


奴隷市場はボルジアの領内にあるらしい


ボルジアの首都から少し離れた、少々寂びれた村にあるという情報だった


フレッドとアンディは村の端にある大きな屋敷へ向っていた

結局、大公家で決めた容姿で向っている


村の大きさの割に、屋敷に集まっている人の数がかなり多い


ボルジアでは奴隷の売買は合法だ

恐らく奴隷を求めて各地から集まっているのだろう


フレッドとアンディが正面の門まで来ると、屋敷の人間が近づいて来た


「招待状は?」

門番の男にそう言われ、フレッドは「ああ」と言いながら胸の内ポケットに手を入れた


えっ?そんな物、持っていたんだ


とアンディは顔には出さずに驚いていた


フレッドは胸ポケットから手を出すと門番の男の顔に向けて掌を翳した


すると門番の男は何も言わずに門を開けた


「師匠?」

アンディが小さい声で聞いた


「魔法で招待状を見せたように誤魔化したんだよ」

フレッドも小声で答えた


屋敷の中に入ると、かなりの人が集まっている


他の人と同じ方向に歩いて行くと、奥には何部屋もの部屋をひとつにした広い広い部屋に着いた


部屋の奥はステージのようになっている


部屋には丸テーブルが何個もあり、空いているテーブルが徐々に埋まっていった


フレッドとアンディも空いているテーブルを見つけると、そこに座った


しばらく待っていると、ステージに身なりの良い男が表れ

「お待たせいたしました

それではオークションを開始いたします」

と告げた


男が言い終わるとステージの端から首に首輪を付け、鎖で繋がれた女性が10人程、引っ張られて来た


皆、両手を一枚の板で出来た枷で固定されている


「まずはこの女からです」


10数名のうちの1人が引っ張られてステージの中央に立たされた


「まずは30から」

と男が言うと各テーブルから

「40」

「45」

「47」

と少しづつ値が上がっていく


一人目の女性は65で落札された


同じように他の女性も売られていく


女性が終わると、次は大人の男性、子供と次々と売られていった


「それでは本日のメインイベント!

魔法使いの子供です!」


「「!」」


フレッドとアンディが反応した


ステージの端から、他の人と同じように首輪を付けられ、鎖に繋がれた男の子が引張り出された


両手も同じように枷を付けられている


だが足首にはチョーカーのようなものが巻かれていた


魔法使いを従わせる為の道具だ


「それでは1000から始めます!」


今までとは全く違う値だ


「1500」

「2000」

「3000」


値はどんどん上がって行く


「13000」

「15000」


ここでようやく声が止まった

男は

「15000です

他にいらっしゃいませんか?

…それでは15000で落札です!」


普通の人の値より、かなり高額だ

魔法使いという事と、フレッドが取締を厳しくしているので、オークションに出される数が減り、値が上がったのだろう


オークションが終わったので、客達は次々と席を立ち帰って行った


フレッドも椅子から立ち上がる


「師匠、どうするんですか?」

アンディが聞くと

「あの子を救いに行こう」

と言うと歩き出した


先程、魔法使いの子供を落札した人の後を離れて付いて行く


更に奥の部屋に入ると、奴隷を落札した人達が支払いと奴隷の受け渡しの為に集まっていた


ここに居てはマズイな


フレッドはそう考えると部屋には入らすに屋敷の玄関口へ向かった


「どうします?」

アンディが聞くと

「外に出て使い魔に見張らせよう

屋敷から出て人気のない所で救い出そうか」

「はい」


僕も師匠も剣を持っていない

師匠は魔法で戦うつもりなんだ


そう考えると、アンディは少し震えてしまうのだった



ご精読、ありがとうございます

m(_ _)m


次話もよろしくお願いします!

。◕‿◕。

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