5話 花畑
名前と愛称が入り交じってますので紹介します
デイヴィット → デイヴ
ヴィクトリア → ヴィッキー
アンドレアス → アンディ
また随時、ご紹介します(•▽•;)
アヤカは以前からの友人達といた
周りを見ると、やはりジェシカ・ルイーズ・ガルシア侯爵令嬢に人が集まっている
これは仕方ない
ガルシア侯爵に次ぐ身分のトンプソン辺境伯の令嬢は、やはり辺境から来ているので、この首都での知り合いは少ない
あの辺境伯令嬢は知らないキャラで更に自分より上の立場なので要注意だと思っていたが、本人もあまり積極的ではないようなので問題ないかもしれない
ふと、ターナー男爵令嬢がウィリアムズ大公女と一緒にいるのが目に入った
悪役令嬢が男爵令嬢なんかと一緒にいるなんて…
あの悪役令嬢はとにかく不気味な存在だ
アヤカはノーマルモードばかりやっていたので、もしかしたらハードモードでは悪役令嬢がいて、何かと邪魔してくるのかもしれない
一度でもハードモードをしておけば良かったと、今更後悔した
♪♫♬ ♬♫♪
「私、皇太子妃の選別なんかに参加したくなかったのです」
ベアトリス・ナイトレイ・ターナー男爵令嬢は悲しそうに話した
「お父上がそうされたの?」
ヴィクトリアがそう聞くと
「いいえ、皇室から打診が来たのです
我が家は多産系ですので、そこに目を付けられたのかと…」
と言葉が悪かったので口を押えた
ヴィクトリアは微笑みながら
「腹立たしいのですもの、仕方ありませんわ」
と擁護した
「ありがとうございます
ヴィクトリア大公女殿下はお優しいのですね」
「もし私が皇太子妃候補なんぞに選ばれていたら、私も同じように言いますわ」
このホワイト帝国では身分が物を言う
それなのに『皇太子妃候補なんぞ』と言ってくれる人がいるなんて、とベアトリスは嬉しくなった
「何とかこの候補者から外されたいです」
しかしそんな事、出来る訳がない
父にも迷惑を掛けてしまう
「そんな事、出来ないのは承知してますので、せめて皇妃の中でも目立たないようにするしかないのです」
ベアトリスは寂しそうに話した
ヴィクトリアには本当にこのホワイト帝国の一夫多妻制がわからなかった
ライシャワー公国は一夫一婦制だ
中には愛人を抱える貴族もいるが、大体秘密にする
幸い自分達の父親でもあるジェフェリー・エドワード・ウィリアムズは母であるティファニー・ケイト・ウィリアムズをこよなく愛しているので、皇帝のように皇妃などいない
女性を物のように扱うこの帝国が本当に嫌だった
♪♫♬ ♬♫♪
ヴィクトリアは少し席を外した
昨日、アンディと別れ際に明日宮殿で少し会えないかと聞かれたからだ
約束した場所は庭園から外れた所だ
少し木々が生い茂っている場所だった
そこに行くとアンディが先に来ていた
「ヴィッキー!」
アンディが手を振ってヴィクトリアに近づいた
「わざわざごめんね」
「いいのよ」
そう言うとアンディはヴィクトリアの手を取ると歩き出した
「庭園に来ると言うから、ぜひ見せたくてね」
そう言うと木々を抜けた
抜けた先は色とりどりの花畑だ
「わぁ!」
ヴィクトリアは一瞬で目が釘付けになった
ずっと先まで花畑だ
「すごいわ!」
「宮殿に飾る花を栽培している場所なんだ
四季に応じて栽培してるから、年中美しい場所なんだ」
アンディは嬉しそうに説明した
「ステキだわ」
「良かった
せっかく近くに来たのだから見せてあげようと思ったんだ」
「ちょうど気分が沈んでたから、嬉しいわ」
ヴィクトリアの言葉にアンディが反応した
「何かあった?」
ヴィクトリアは話そうか悩んだ
アンディもこのホワイト帝国の人間だし、生粋の皇族だ
父も生粋の皇族だけど、母と出会いライシャワーの考え方に染まっていった
だがアンディはそのような過程がないので、一夫多妻制が当たり前の考えだろう
「話してみて」
アンディが優しく言うので、ヴィクトリアは先程のターナー男爵令嬢との会話を話した
「アンディは一夫多妻制が当たり前だから、わからないでしょ?」
アンディはうーんと考えている
やはり理解出来ないようだ
「僕はね、父や兄のあの節操のなさが嫌いなんだ
他国では一夫一婦制という制度があるのならば、僕はそっちの方が好きだな」
「えっ、本当に?」
「うん、ヴィッキーの父君が大公妃だけな理由がわかったよ」
何だか嬉しくなった
「アンディは一度ライシャワー公国に行ってみるべきだわ」
「そうだね、出来る事なら行ってみたいな
その時はヴィッキーが案内してくれるんだろ?」
「任せて」
2人は笑い合った
♪♫♬ ♬♫♪
ヴィクトリアが会場に戻って、母のティファニーに今見てきた事を話す
「あら、素敵ね
私も見てみたかったわ
アンディは本当にいいコね」
「うん」ヴィクトリアは嬉しそうに頷いた
会場に戻って来たヴィクトリアを見つけて、ベアトリス男爵令嬢がこちらに向かってきた
するとすれ違った令嬢が「キャア」と叫んだ
ベアトリスは驚いて足を止めて振り返ると、今すれ違った令嬢がお茶を溢して、ドレスを汚していた
「あなた!失礼な方ね!!」
ドレスを汚した令嬢はベアトリスを怒鳴りつけた
アヤカだった
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