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44話 幻影

ケントはジェフェリーとアンディ、そしてフレッドとデイヴを案内した


「申し訳ありません

アンドレアス皇子がご一緒とは気付かず…」

と申し訳なさそうに謝った


アンディはケントの後に続きながら

「構わないよ

兄上に何かあったんだろ?」

と聞くと、ケントは

「はい」

と答えて、黙ってしまった


アンディ達は後宮にある、ルシルの部屋からさほど離れていない部屋へと案内された


部屋の前には皇太子の護衛騎士もいる


ケントはノックもせずにドアを開けた

騎士達もそれを止めるような素振りすらしない


なにか変だ

皇太子に何があったんだろう?


ジェフェリーだけではなく、皆そう考えた


ケントに案内され部屋に入るが、誰もいない

ケントは更に寝室へと続くドアの前まで来た


ようやくそこで足を止め、アンディ達の方に向き直った


「この部屋は皇太子妃候補のアヤカ・ロン・デニス嬢のお部屋です


皇太子殿下はこの先の寝室でアヤカ嬢と睦み合っています


…もう3日も…お食事もなさらずに」


ジェフェリーは驚いた

「食事も取っていない!?」

「…はい

何度か入室の許可を得ようとしたのですが、皇太子殿下が許可されず…」


なるぼど

それで自分の所に来たのか


ジェフェリーは納得した


臣籍降下したとはいえ、ジェフェリーは皇帝の弟だ

更に宰相でもある


ケント達が入室出来なくても、まだジェフェリーならば許されるかもしれない


「わかりました」

ジェフェリーはドアの前に立つとノックをした


「ジェイムズ皇太子殿下、ジェフェリーです

入ってもよろしいですか?」


ジェフェリーが声を掛けるが返事はない


「皇太子殿下?」


更に声を掛けると、中から

「ダメだ」

と聞こえた


フレッドはジェフェリーに近づくと

「魔法の気配がする

入ろう」

と小声で言った


ジェフェリーは驚いたがフレッドを見てコクリと頷くと、ノブを握りドアを開けた


暗い部屋の奥にベットがあり、そこに人の背中が見える


ジェフェリー達が近づくと、ジェイムズ皇太子がアヤカを激しく攻めていた


ベットで仰向けになっているアヤカはジェフェリー達に気付いて驚いている


「こ、皇太子殿下…あっ!んっ…ひっ人が…あっ!あっ…」


アヤカは喘ぎ声を上げながら、ジェイムズの背後に人が表れた事を告げた


ジェイムズは動きを止めずにチラリと後ろを見た


「ジェフェリー!出て行けっ!」


だがジェフェリーは動じずに、皇太子に更に近づいた

「皇太子殿下、少しお休みになって下さい」

「うるさい!出て行けっ!!」


そう叫ぶと更に動きが激しくなる

アヤカは声を上げまいと両手で口を押さえて我慢している


ジェイムズは髪はボサボサで、目の下には隈ができている

叫んでいる口からはヨダレも垂らしていた


アンディはこんなジェイムズを見たのは始めてで、背筋が凍りついた


フレッドはジェフェリーの肩をポンと叩くと、自分がジェイムズ皇太子に近づいた


そして人差し指でツンとジェイムズの米噛みを触ると、突然ジェイムズが気を失いアヤカに覆いかぶさった


「きゃあ!」

「こっ皇太子殿下!!」

ケントがジェイムズに駆け寄った


ジェイムズを抱き起こすと、意識を失っている


「貴様!!皇太子殿下に何をした!?」

ケントが怒りの形相で叫んだ


「眠らせただけだよ

早く彼をこの部屋から連れ出した方がいいよ


目を覚ましたら、またこのお嬢さんに飛びかかるよ」


アヤカはゾッとした

シーツで身体を隠して、ジェイムズから少しでも離れようとベットの奥へと移動した


「ケント、彼の言う通りに

すぐに皇太子殿下をお部屋へ運ぶんだ

宮廷医も呼んで、すぐに診てもらって

僕も後から行くから」


ケントはジェイムズを抱えながら

「は…はい」

と返事をすると、まだ怪しい者を見るような目つきでフレッドを睨みつけた


ジェイムズは護衛騎士達の手も借りて、アヤカの部屋から運び出された


フレッドは運び出されるジェイムズからアヤカに視線を移すと

「さて…お嬢さんには少々つきあってもらうよ

聞きたい事があるからね」

とニッコリと微笑んだ


  ♪♫♬ ♬♫♪


アヤカはガウンを羽織っただけの軽装でソファに座った


向かい側にはフレッドとジェフェリーが座っている

その後ろにアンディとデイヴが立ってアヤカを見ていた


アヤカは3日間何も食べていなかったので、温かいお茶を飲みながらお菓子をつまんだ


久しぶりにお腹に物が入ったので、アヤカは安心した


「さて、お嬢さん

彼に何をしたんだい?」


フレッドの問いにアンディは驚いた

女性に節操のないジェイムズだが、あれは何かされたからだったのか?


フレッドは知らないかもしれないが、ジェイムズが女性との情事を優先するのは今に始まった事ではない


だが確かに先程のジェイムズは常軌を逸っしていた


「な、なんの事?」

アヤカの目は泳いでいる

明らかに隠し事をしていのが丸わかりだった


「別に君が話さなくても、僕は探す事が出来るんだよ?」


アヤカはドキリとした

この男は惚れ薬を探す事が出来るの?

だがハッタリかもしれないと考え、アヤカは口を(つぐ)んだ


アヤカが喋りそうにないので、フレッドはやれやれといった感じで立ち上がった


部屋の真ん中辺りまで来ると足を止める


しばらく立っていたが、すぐに寝室へと向かった


アヤカもアンディもフレッドが何をしているのかわからなかった


アンディは小声で

「師匠は何をしたの?」

とデイヴに聞いた


「探査魔法を使ったんだ

探していた物を見つけたみたいだ」

デイヴも小声で教えてくれた


フレッドは寝室から戻って来ると両手に何か持っている


先程まで座っていた場所に戻ると、テーブルに持って来た物をバラバラと置いた


小瓶が何本もある

だがほとんど空だ


アヤカは手で口を押さえた

本当に探せるとは思ってもみなかった


「こ、これは…」

とアヤカが口ごもる


ジェフェリーがフレッドに

「これは何だい?毒か?」

と聞いた


フレッドはまだ中身が残っている小瓶を持つと

「呪いを含ませた物だね」

と答えた


アヤカはフレッドの言った事に驚き

「ち、違うわよ!

これは惚れ薬…」

とまで言って、再び口を押さえた


フレッドはアヤカを見ると手のひらをアヤカに向けて、ヒュッと右から左に流した


するとアヤカはフレッドが持っている小瓶を見て

「あ、貴方何をしたの!?

さっきまで綺麗なマリンブルーだったのに!」


アヤカの言葉にアンディだけではなく、ジェフェリーもデイブも驚いた


アヤカ以外の者は、この小瓶に入っている液体は最初からどす黒い色に見えているのだから





ご精読、ありがとうございます

m(_ _)m


次話もよろしくお願いします

。◕‿◕。

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