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43話 隠遁

スザンナは執務室に入ると人払いをして、ジェフェリーから今までの経緯を聞いた


「皇帝陛下の考えはわからないけど、このチャンスを生かしましょう」

「チャンス?」

ジェフェリーは何がチャンスなのかわからなかった


「皇帝陛下にアンディの皇族離脱をお話しするの」


なぜか皇帝は皇后や皇妃、更に宰相でもあるジェフェリーまでも側から離そうとしている


確かにチャンスかもしれない


「わかったよ

アンドレアス皇子の皇族離脱を話してくるよ」

「お願いするわね」


「それと…」

とスザンナは続けた


「ルシル嬢になりすましている魔法使いに今夜、接触するのね?」


「フレッドはそのつもりだよ」


「フレッドなら上手くやるでしょうね

何かこちらで準備する事は?」


「そう、実はお願いがあるんだよ」

ジェフェリーはニッコリ微笑んだ


  ♪♫♬ ♬♫♪


日も沈み、宮殿は人気がなくなり閑散としていた


だがスザンナの私室は賑やかだった


まず、皇帝にアンディの皇族離脱の話しを終えたジェフェリーが来ていた


そして日が沈みきる前に鳩が4羽、窓から侵入してきた


更に今4人の魔法使いが移動魔法を使い、スザンナの私室に現れたのだ


フレッドとデイヴとヴィッキーとアンディだ


移動魔法は移動先が確定していないと使えない魔法だ


なので先に使い魔を使って私室の場所を確認して、使い魔目指して移動してきたのだ


レベルの高い魔法使いならば魔法が使われると察知するので、移動魔法を使う時はフレッドが察知されないように防壁のような物を張った


スザンナの私室に移動したのも理由があった


ルシルの部屋は後宮にあるので、なるべく近くまで移動魔法で近付きたかったのだ


スザンナは皇后なので後宮に住んでいる

ジェフェリーの執務室は宮殿にあるので、そこからルシルの部屋まで歩いて移動するリスクを減らしたかったのだ


「アンディ、上手く出来たわね」

ヴィッキーが自分の事のように喜んでいる


「何とかだね」

アンディは心底、安心した


スザンナは自分の息子が魔法を使っているので、聞いてはいたが驚いた


「アンディ、すっかり魔法使いになったわね」

スザンナは微笑みながらアンディに近づいた


「母上、お久しぶりです」


しばらく見ないうちに、顔つきも変わった

以前は温室育ちて温和な感じだったのに、今は鋭敏な感じがする


スザンナはアンディの頬を触ると

「私の魔法使い、頼むわね」

と微笑んだ


フレッドはそんな二人を静かに見つめていがすぐに

「ジェフ、ルシル嬢の部屋まで案内して」

と自分の仕事に戻った


「よし、行こうか」

ジェフェリーがそう言うと、フレッドはヴィッキーを見て

「ヴィッキーはここに残って

念の為、スーの側にいて」

とお願いした


「はい」

ヴィッキーが返事をすると


「フレッド、貴方はアンディをお願いね」

スザンナにそう言われて、フレッドはニコリと笑って

「僕を誰だと思っているんだい」

そう言うとジェフェリーに続いて部屋を出た


デイヴとアンディも後に続く


ジェフェリーがルシルの部屋まで案内すると、フレッドはジェフェリーを下がらせた


フレッドはドアをジッと見つめた

「結界は張られていないね」


そう言うとドアをノックして中へ入った


部屋の中では侍女が数人いた

その中の年配の侍女がフレッド達に近付いて来た


ジェフェリーが前に出ると

「ルシル嬢はいらっしゃいますか?」

と聞いた


年配の侍女は

「ウィリアムズ大公!

少々お待ち下さい

すぐにお嬢さまを呼んで参ります」

そう言うと部屋の奥へと消えて行った


しばらく待っていると、年配の侍女が不思議そうな顔をして戻って来た


「申し訳ございません、ウィリアムズ大公

お嬢さまが見当たらなくて…」

年配の侍女は本当に不思議そうだった


フレッドはジェフェリーに

「ジェフ、少し僕から離れて」

そう言うと一歩前に出た


フレッドが集中すると、フレッドから衝撃波のようなものが発せられ、まるで風のようにジェフェリーやアンディに当たった


すると年配の侍女や、他の侍女達もバタバタ倒れていく


「フレッド?」

ジェフェリーが聞くと


「どうやら、一足遅かったみたいだ

彼女達もネルソン邸の人達と同じで、幻影を見せられていたようだね」


「ルシル嬢に逃げられたのですか?」

デイヴがフレッドに近付きながら聞いた


「そのようだ」

フレッドは残念そうだ


だが部屋の中へ入って行くと、キョロキョロと辺りを見渡した


「師匠?」

アンディはフレッドが何をしているのかわからなかった


「かなりハイレベルな魔法使いだね」

フレッドはアンディを見ずに答えた


ちょっと見ただけでそんな事がわかるのか


アンディも部屋の中へ入って行った


デイヴがアンディに近づくと

「あのソファを見ろ

…神経を集中して」

とソファを指さした


アンディは言われたソファをじっと見ると、人の影のような物が見えてきた


「あれは?」

「魔力の残像みたいなものだ

魔力が強いと、長く生活していた場所に魔力が残るんだ」


女性らしきシルエットの影がソファに座っている

きっとこの場所が彼女の定位置だったのだろう


フレッドはそのまま、隣の寝室へと向かった


アンディとデイヴも付いて行く


ベットでは更にシルエットの濃い女性が見えた


フレッドは少し考えて

「ジェフ、魔法使いは既に姿をくらましたようだ

そうなると、恐らくターゲットである皇帝に何かしたかもしれない

遠目でいいから、皇帝に会えないかな?」


「大丈夫だと思うよ

今からかい?」

「そうだね

早い方がいいね」


そう言うとフレッドは踵を返した


「この倒れている人達は大丈夫なんですか?」

アンディが聞くと

「目が覚めれば正気に戻ってるよ」

フレッドは微笑みながら教えてくれた


ルシルの部屋から出て少し歩いた所で、後ろから

「ウィリアムズ大公!」

と声を掛けられた


ジェフェリーが振り返ると、声を掛けたのはジェイムズ皇太子の補佐官のケントだった


ケントは困惑した顔つきだった

「申し訳ありません、ウィリアムズ大公」


「どうしました?」

「実は…ジェイムズ皇太子が…」


この後、アンディは信じられない物を見る事になるとは夢にも思っていなかった



ご精読、ありがとうございます

m(_ _)m


次話もよろしくお願いします!

。◕‿◕。

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