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42話 幻覚

デイヴとヴィッキーを乗せた馬車はネルソン伯爵の屋敷に到着した


屋敷からは執事のような男性が近づいて来る


馬車の御者台に乗っていた使いの者が近づいて来た執事らしい男性と話しをすると、男は屋敷へ戻って行った


使いの者は馬車の側に来ると

「確認するので、少々お待ち下さいとの事です」

と告げた


ヴィッキーは馬車の窓から外を見ると、屋敷は薄い膜が張られている


「ホントだわ、結界ね」

更に辺りを見ると、近くの木に鳩が二羽留まっていた


フレッドとアンディの使い魔だ

ヴィッキーは使い魔に向ってニッコリ微笑むと手を振った


アンディは使い魔からそんなヴィッキーを見て

可愛い

と思ってしまった


すると先程の執事っぽい男性が戻って来た

「どうぞ、お入り下さい」

と言うと門番が柵を開けた


柵が開き、馬車はネルソン邸へと入って行く

侵入に成功した


屋敷の中は至って普通だ

玄関に馬車が停まり、デイヴとヴィッキーが降りる


二人は先程の男性に案内されて屋敷の中へ入ると、来客用の部屋に案内された


ソファに座っているとドアが開き、小太りの男性が少々慌てた様子で入って来た


「これはこれはウィリアムズ小公子

よくいらっしゃいました」


デイヴは立ち上がると、多分この人がネルソン伯爵なんだろうな、と考え

「初めまして、ネルソン伯爵

突然の訪問をお許し下さい」

と爽やかな笑顔で挨拶した


「とんでもない!

娘は只今支度をしておりますので、もう少々お待ち下さい」


えっ!?


ルシルは今、妃選別のため後宮にいる

父親であるネルソン伯爵が知らない訳がない


デイヴとヴィッキーは顔を見合わせた


するとドアがノックされ、ルシルが部屋に入って来た


デイヴとヴィッキーに向かい合うように立つと

「初めまして、ウィリアムズ小公子さま、小公女さま」

と淑女の挨拶をした


デイヴとヴィッキーは何が何だかわからなかった


「は…初めましてルシル嬢

デイヴィット・レイ・ウィリアムズです」

「私はお茶会でお会いしましたよね」

ヴィッキーはニッコリと微笑んだ


「お茶会?」

ルシルが不思議そうな顔をする


「皇后陛下主催のお茶会です」

「皇后陛下主催のお茶会?

いつありました!?」

ルシルとネルソン伯爵が驚いている


デイヴとヴィッキーは再び顔を見合わせた


「ルシル嬢は皇太子妃選別に参加されるのですよね?」

デイヴが恐る恐る聞いた


「はい

ですが選別はまだ1年先ですので、今はお勉強に励んでいますわ」


1年先!?

どういう事だ?


ネルソン伯爵はただならぬ空気を感じたのか、汗を流しながらデイヴに聞いた

「ウィリアムズ小公子、それで今日はどういったご要件で?」


デイヴはネルソン伯爵を見て、顔の前に手を翳した


するとネルソン伯爵は気を失い、ガタンと椅子に倒れ込んだ


「お父様!!」

ルシルは驚き、慌てて伯爵に近寄る


続けてルシルにも同じように手を翳すと、ルシルも倒れてしまった


「どういう事だ?」

「訳、わかんないわ」


デイヴとヴィッキーは三度(みたび)、顔を見合わせた


  ♪♫♬ ♬♫♪


デイヴとヴィッキーはすぐにウィリアムズ邸へ帰って来て、屋敷の中での事を話した


「どういう事なの?」

ヴィッキーは訳がわからないので、少々苛立っていた


フレッドはふむ…と考えて

「恐らく結界を張った魔法使いが呪いの要領で、屋敷の人達にそう思い込ませているんだろうね」

「そんな事も出来るんですか?」

アンディが驚きながら聞いた


「呪いは色々な方法があるからね

悪夢を見せたりも出来る


だからネルソン邸の人達は今、幻覚を見ている状態なんだと思うよ」


「どうします?」

デイヴがフレッドに聞いた


「まず…今後宮にいるルシル嬢が魔法使いである可能性が高いね


あの結界を壊せばネルソン邸の人達を目覚めさせる事は出来るだろうから、こっちは後にしよう


やはり先に後宮にいる魔法使いに接触しよう」


「いつ行きます?」

「今夜」


フレッドとデイヴの会話を聞いていたジェフが驚いた

「侵入する気かい!?」


フレッドはジェフを見ると

「どの道、僕は正体を明かせないから侵入するしかないよ」

ニッコリ微笑みながら言った


「それじゃあ今夜の打ち合わせをしようか」


フレッドは全員を見た


  ♪♫♬ ♬♫♪


ジェフェリーは昼をだいぶん過ぎてから登城した


スザンナ皇后が夕方頃には戻って来ると連絡を受けたからだ


夕方近くになり、ようやくスザンナ皇后の一行が帰って来た


ジェフェリーは馬車の乗降口まで出迎えに行っていた


スザンナは馬車のドアが開き、待ち構えるジェフェリーを見ると

「わざわざここまで来なくても良いでしょうに」

とため息を吐いた


「時間が惜しいからね」

ジェフェリーはそう言うと手を差し出す

スザンナはジェフェリーの手を取って馬車から降りた


ジェフェリーはそのままスザンナをエスコートしながら歩き出した


そして小声で

「今朝からフレッドがこちらに来ている

既に魔法使いが誰かも見当が付いたよ」


スザンナの手がピクリと反応した

だが表情は変えずに

「それでは執務室で報告を聞きましょう」

と涼しい顔で言うのだった



ご精読、ありがとうございます

m(_ _)m


次話もよろしくお願いします!

。◕‿◕。

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