4話 お茶会
名前と愛称が入り交じってますので紹介します
デイヴィット → デイヴ
ヴィクトリア → ヴィッキー
アンドレアス → アンディ
また随時、ご紹介します(•▽•;)
ジェシカ・ルイーズ・ガルシア侯爵令嬢は、皇太子殿下と夕食を取っていた
皇太子妃候補の中では一番身分が高い
自分の他に侯爵令嬢がいればどうなるかわからなかったが、他の令嬢達は伯爵や子爵や男爵の令嬢だ
自分が一番、皇太子妃に近い
幼い頃から、皇太子妃になるべく教育はされていたし、社交界でも存在感はある
ほぼ確定していると言っても過言ではなかった
「別室にお茶を準備させてある」
食事が終わりに近づくと、皇太子からそう言われた
「ありがとうございます」
ジェシカは何の疑いも持たずに受けてしまった
皇太子のエスコートで別室へと移動する
部屋にはお茶と軽めのお菓子が準備されていた
皇太子はジェシカを長椅子へと座らせ、自分は向かい側の椅子に座った
侍女が温かいお茶を淹れてくれる
「貴女は候補者の中では一番、皇太子妃に近い
私としても、貴女ならば皇太子妃として問題はないと考えています」
皇太子からほぼ合格と取れる言葉が出た
ジェシカはそれでも落ち着いて
「ありがとうございます
これからも気を抜かずに選別に挑みますわ」
と答えた
すると皇太子は席を立ち、ジェシカの座っている長椅子に座る
えっ?
ジェシカは困惑した
皇太子は身体を近づけると、ジェシカの腰に手を回し自分に引き寄せた
「こ、皇太子殿下」
「どうせ夫婦になるのだ
構わぬであろう?」
「しかし…まだ正式に皇太子妃になった訳でもありませんので」
「どのみち、皇太子妃か皇妃にはなるのだ」
いや、そういう問題ではないでしょ
ジェシカは何とかこの場から逃げなくてはと考えた
だが皇太子はジェシカを長椅子に押し倒す
「で、殿下!ここでは…」
「構わん、人は下がらせてある」
そう言うと無理矢理ジェシカを手籠めにした
♪♫♬ ♬♫♪
デイヴィットとヴィクトリアは父母と夕食を取っていた
今日、街であった事を楽しく話した
「アンディはとても気さくね
また街を案内してくれると約束してくれたわ」
ヴィクトリアが楽しそうに話す
「それは良かったね
僕も彼は良い青年だと思うよ
機会があれば一度、夕食にご招待しようか」
「本当に?お父さま!
私、アンディにお手紙を書くわよ」
「ヴィッキーはアンドレアス皇子が気に入ったのね」
母のティファニーがニコニコしながら聞くと、ヴィクトリアは顔を赤くした
「た、ただ友人として…」
ゴニョゴニョとなる
父母はお互いを見て微笑みあった
デイヴィットもアンディならば、ヴィクトリアとはお似合いだと思う
「父上はアンディをどのようにお考えですか?」
デイヴィットが聞いた
「そうだね…
私は彼が好きだし、信用も出来る
いずれライシャワー公国に連れて行けたら良いとは思っているよ」
「そしたら私がライシャワーを案内するわ」
ヴィクトリアが楽しそうに言った
♪♫♬ ♬♫♪
翌日、ヴィクトリアと母のティファニーは宮殿に来ていた
皇后陛下が皇太子妃候補者を招いてのお茶会をするのだ
このお茶会は女性のみ招待され、皇太子妃候補者達は自分をアピールし、派閥を作るのだ
庭園に準備されたお茶会の席には有力な貴婦人やその息女が大勢参加していた
参加する方の貴婦人も、将来の皇太子妃に媚びを売る機会なので逃せれないお茶会だ
ヴィクトリアは最近帰国したので、ホワイト帝国での友人がいないため、母のティファニーの側にいた
父をウィリアムズ大公に持つヴィクトリアは、こちらから友達作りをしなくても向こうから寄ってくる
母から情報も聞きつつ、この女性の駆け引きを観察した
やはり皇太子妃候補の中ではジェシカ・ルイーズ・ガルシア侯爵令嬢が一番人気だ
次いでアヤカ・ロン・デニス伯爵令嬢か?
ふと、もう一人いたはずなのにいない事に気が付いた
確かベアトリス・ナイトレイ・ターナー男爵令嬢と紹介されていたはずだ
他の候補者達は派閥作りの為、奮闘しているのにどこに行ったんだろう?
と不思議に思い、辺りを見渡した
少し離れた池の側にいた
どうしたのだろう?
具合でも悪いのかしら?
とヴィクトリアは心配になり、ベアトリス令嬢に近づいた
「ご機嫌よう、ターナー男爵令嬢」
ヴィクトリアが声を掛けると、ベアトリスはビクッとして振り返った
「あ…初めてお目にかかります、ウィリアムズ大公女殿下」
と挨拶をした
「どうされたの?こんな所で?
どこか具合でも悪いのかと…」
「ご心配お掛けして、申し訳ございません」
ベアトリス嬢はモジモジしている
ヴィクトリアは「?」となった
「その…私はこのような場に不慣れでして…」
少し恥ずかしそうに言った
男爵令嬢だからあまり社交界に顔を出していなかったのかも、とヴィクトリアは考えた
「私も帰国したばかりで知人はおりませんのよ
良かったらご一緒しましょうよ」
男爵令嬢の顔が明るくなった
「よ、よろしいのですか!?」
「ええ、あちらで一緒にお菓子を頂きましょう」
「はい!ありがとうございます」
ベアトリス嬢は先程までションボリしていたが、ヴィクトリアにそう言ってもらえて元気が出たのか、明るい笑顔で答えた
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