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33話 薬

ホワイト帝国の後宮にあるアヤカの部屋にはルシルが訪れていた


ルシルはアヤカの向かいに座りお茶を一口飲む

「順調のようですわね」


「ええ

皇太子殿下は今日、皇帝陛下に私を妃にと進言なさると仰ってたわ」

「そうですか」


ルシルは飲んでいたお茶のカップを置くと、小さな小瓶をアヤカに差し出した


「追加の薬です、どうぞ」

「ありがとう」

アヤカは小瓶を受け取る


「アヤカさまが妃になられるまでは、お使いになっていた方がよろしいですわね

父にもそう伝えてありますので、薬のご心配は無用ですわ」


アヤカは小瓶を見つめ、ニコリと笑いながら

「そうね

妃になった暁には、願いがあれば言って下さいね

皇太子殿下は既に私の願いは全てお聞き届け下さっていますから」

「頼もしいですわ」


ルシルはそう言うと再びカップを持ち、お茶を飲み干した


  ♪♫♬ ♬♫♪


ジェフェリー大公の執務室には、エマ・ケイト・トンプソン辺境伯令嬢が訪れていた


エマはジェフェリーの机の前に立っている

「皇后陛下からのご依頼の件ですが…」

と報告を始めた


「療養先の襲撃事件の首謀者はアヤカ・ロン・デニス伯爵令嬢です

侍女を使って男達を雇っていました

侍女はこちらで確保しています」


ジェフェリーは驚いた

部下に任せていたが、全く進展がなかったのに、この若い辺境伯令嬢は犯人を特定し、しかも実行犯まで既に確保しているとは!


今更ながらトンプソン辺境伯の力が恐ろしくなる

娘にもこのような仕事を任せているのだ


だがエマはジェフェリーの驚きには興味を示さす、報告を続ける


「そしてそのアヤカさまの元に、最近ルシル・アン・ネルソン伯爵令嬢がよくお越しになっています


アヤカさまがお茶会で魔法使いを使ったのか、また別の者なのかは不明ですが、まずはアヤカさまから調べて行きたいと考えています」


「すごいですね」

ジェフェリーは心底関心した


「今回の件は後宮での事件です

殿方では調べる事が出来なくても、同じ女性で、まして後宮に潜入していれば、調べる事は容易いです」


末恐ろしい…

トンプソン辺境伯を敵に回さないようにしなくては


ジェフェリーは固く心に誓った


  ♪♫♬ ♬♫♪


ジェイムズ皇太子は皇帝との話しが終わると、真っ直ぐアヤカの元を訪れた


アヤカはジェイムズに抱きつくと

「いかがでしたか!?」

と聞いた


「陛下は構わぬと仰せになられた」

「良かった!」

「ただガルシア侯爵とその息が掛かった者達は反対した」

「…それで?」


ジェシカの父であるガルシア侯爵は、この帝国でも大きな影響力を持っている


「私が認めない

ガルシア侯爵が何を言おうが、構わない」


と言う事は、ガルシア侯爵達はまだ諦めていないという事か


アヤカはジェイムズを長椅子へと誘う


侍女が持って来たお茶をワゴンごと受け取ると、侍女を下がらせた


そしてテーブルナプキンに包ませてあった小瓶を出すと、数滴お茶に混ぜる


再び小瓶をテーブルナプキンに包み、お茶と一緒に運ばれて来たかのように、ワゴンに置いた


アヤカはジェイムズの座っているソファまでワゴンを押して行き、惚れ薬を混入したお茶をジェイムズの前に置いた


ジェイムズは出されたお茶をぐっと飲んだ


アヤカはジェイムズの足元に跪き、太ももに両手を添えた


「それでは私は皇太子妃にはなれないのですか?」


ジェイムズは飲んでいたお茶を置くと

「そんな事はない!

お前は必ず私の妃にする!」

「嬉しゅうございます」


アヤカはそう言うとジェイムズの太ももに乗りキスをする


ジェイムズはアヤカの両肩を抱くと、ドレスをぐいっと下げた


ジェイムズは露わになったアヤカの胸に顔を埋めた


アヤカはそんなジェイムズの頭を抱きしめる


「…ん」

アヤカが喘ぎ声を出すと、ジェイムズはそのままアヤカを長椅子へと倒すのだった


  ♪♫♬ ♬♫♪


アンディとデイヴはクラリッサの屋敷の側の池で釣りをしていた


上空ではアンディの鷹とデイヴの鷲がじゃれ合っている


「随分、上達したじゃないか」

デイヴがアンディを見ながら話し掛けた


「何となくコツが掴めたよ」

アンディはニッコリ微笑んだ


「お!アンディ、糸が引いてるぞ」

「あっ!ホントだ!!」


アンディは竿をぐいっと引く


魚を釣っているのに、上空では鷹はデイヴの鷲と、ちゃんとじゃれ合っている


大したもんだ

デイヴは関心した


クラリッサの屋敷に来て5日が過ぎた

たった5日でここまで上達するとは…


ハッキリ言って羨ましい!


だが自分が魔法学校に通っていた時は、周りの友人達が羨ましがっていた


ある者は純粋に羨ましいがり、ある者は血筋だからだと妬んだ


今はその時の友人達の気持ちがよくわかる


立場が変わると、こんなにも人の思いに気付かされるとは思わなかった


だから自分はアンディの成長を心から喜べる

これはこれで良い経験が出来たと思えた


そんなデイヴの気持ちを見透かしている人物がいた


水の妖精と風の妖精だ


『あいつもいずれ、俺たちに気づくだろうな』

『そうね、楽しみだわ』

『お前にはやらんぞ!あいつは水が強い』

『勝手に決めないで!

彼の意思で私を選ぶかもしれないでしょ!』


2人の妖精はぎゃあぎゃあ言い合っているが、デイヴもアンディもそれを聞く事はまだ出来なくて、幸いだった





ご精読、ありがとうございます

m(_ _)m


次話もよろしくお願いします!

(╹▽╹)

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