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29話 夢

アンディとデイヴとヴィッキーは屋敷の外を散策していた


森を切り開いて建てたのだろう

屋敷の周り以外は木々が生い茂っている


「クラリスさまはお幾つなの?」

アンディが聞いた

「ん〜80歳は越えてたかな?」

「えっ!そんなにお年を召しているの!?」

「年をとって身体が小さくなったよな

魔法で見た目は変えれるけど、体格までは変えれないからな」


「そうなんだ

だからあんなに身体が小さいんだ」


アンディは驚いた

魔法の練習をする時は、走らせたりしないように気をつけなきゃ…とアンディは真剣に考えた


  ♪♫♬ ♬♫♪


翌日から、クラリッサの修行が始まった


昼食後に屋敷の外に出て、開けた場所へと来る

「その使い魔を見せて」

クラリッサは腕を延ばしながら言った


アンディは肩に留まっている鷹に意識を送ると、鷹は羽ばたきをしてクラリッサの腕へと移動する


クラリッサは「ふむ…」と鷹を見つめた

するとクラリッサは自分の目の前にシルバーの球体を出した


「アンディ、デイヴ、ヴィッキー

鳥でこれを捕まえてみなさい」


そう言うと、球体はヒュンと上空に飛んでいった


アンディは鷹に球体を追わせる

視覚も共有すると、はるか先に球体が見えた


デイヴとヴィッキーも使い魔を出す

デイヴは(わし)でヴィッキーは(はやぶさ)


二羽も飛び立ち、球体を追う

三羽で入り混じって逃げまくる球体を追いかけまわす


「あ!惜しい!」

「くそっ!早いな」


ヴィッキーとデイヴは叫びながら使い魔を操る


アンディは鷹と視覚を共有しているので、まるで自分が捕食者になったかのような感覚になっていた


ヴィッキー達のように喋る事もなく、獲物を捕まえる事に集中している


ヴィッキーの隼が上空から狙いを付けて急降下する

だが球体は上手く避けた


デイヴの鷲も隼から逃れた球体を待ち構えていたがヒュンと逃げられた


逃げ出す先にアンディの鷹が狙いを定めて、足の鋭い爪で球体を捕まえようと構えた


鷹が足で捕まえようとした時、突然パンッ!と手を叩く音でハッと我に返った


クラリスがアンディの目の前で手を叩いたのだ


「お前は今、魔力に呑まれていたんだよ」


「…え?」


「何があっても自分から意識を離すんじゃない

常に自分を意識して、そして使い魔を使う」


確かに今、自分ではなく鷹になっていた

自分に全く意識がなかった


「その状態が続くと魔力に呑み込まれ、戻れなくなる

わかるね?」

「はい」


デイヴやヴィッキーは常に自分を意識しているから、ああやって喋っていた


「自分を見つめる冷静な自分を作るんだ」


難しいな

魔法は自制心を保たなきゃいけないんだ

「はい」

「よろしい

ではもう一度、追って

次はただ球体について来るだけでいいよ」

「はい」


球体はさっきのように逃げ惑う動きではなく、ひゅーんと飛ぶ

その後を鷹と鷲と隼がついて行く


「よし、鳥はそのままで

では我々は散歩しよう」


難しい!

鷹に球体を追わせつつ、自分の意識も保って行動するなんて


デイヴとヴィッキーは

「どこまで散歩します?」

「池にいきませんか?」

など喋っているが、アンディにその余裕はない


突然、球体が緩やかに右に曲がった

鷲と隼は球体に付いて行くが、アンディの鷹は遅れて曲がった


少し意識を自分に向けると、今度は鷹の反応が悪くなる


球体を見失わないように、付いて行くのに必死だ


「………ディ」

「アンディ」


ヴィッキーに呼ばれハッと我に返った


「また呑まれてるよ」

クラリスが笑顔で言う


…難しい!


  ♪♫♬ ♬♫♪


結局、散歩はほとんど出来なかった

それでもアンディはクタクタになってしまい、部屋のベットに倒れ込むとそのまま眠ってしまった


夢を見た

とても綺麗な水面が遥か彼方まで広がっている

水面は空を映しているので、まるで空の青と雲が足元にあるようだ

遠くでは空と水面が交わって、どこまでが水面かもわからない


アンディはただただ広いこの空にぽつんと立っている


暖かい風もそよそよと流れ、頬にあたる風が気持ち良かった


「アンディ」


呼ばれて、目を覚ましてしまった

とても気持ちの良い場所だったので、もっとそこに居たかった


目を覚ますと、辺りは暗い

いつの間にか夜になっていた


ほんの一瞬眠ったつもりだったのに、随分眠っていたようだ


アンディの眠っていたベットにクラリッサが腰掛けている


「クラリスさま…」

「起こしてごめんよ

夕食の時間なのに来ないから、様子を見にきたんだ」


「すいません

少し横になるつもりが、深く眠ってしまったみたいです」


クラリッサはベットから立ち上がると

「今日の練習は精神を使うからね

夕食に行こうか」

と誘った

「はい」


アンディとクラリッサは部屋を出た


クラリッサは部屋を出る時に、チラリと部屋の中を見たが、アンディはそれに気付かなかった


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