28話 大魔法使い
アンディは庭園で魔法の練習をしていた
左腕にはアンディの使い魔でもある鷹が留まっている
「水にしてみて」
フレッドがそう言うと、アンディは目を瞑って集中する
すると鷹は水で出来た鷹に変わった
アンディはふーっと息を吐いた
「じゃあ、次は炎に」
更にフレッドが言う
アンディは再び、目を瞑る
水の鷹はゆらゆらと揺らぐが、それ以上は変わらない
アンディは集中を止めて鷹を見た
「難しいですね」
フレッドはアンディに近づきながら
「アンディは水の属性が強いね
だから炎は難しいかもしれない
だけど必ず出来るから地道に練習しよう」
「はい」
東屋で2人の練習を見ていたデイヴとヴィッキーも、アンディの側にやって来た
「得意、不得意の属性はあるさ
俺も水は得意だか、土は苦手だ」
「ソフィは火の属性が得意なのよ
デイヴと合うのかしらね?」
ヴィッキーが悪戯っぽく言う
「それは…俺があいつの機嫌が悪くならないようにちゃんと消火して、上手くやるさ」
デイヴは自信なさげだ
ヴィッキーも水が得意だ
どうやらライシャワー大公をはじめ、この血族は水が得意のようだ
「今日から師匠の所に行くんだろ?」
フレッドがデイヴとヴィッキーに聞いた
「はい
何日か滞在しようと思ってます」
「うん、師匠によろしくと伝えてね」
「「はい」」
アンディは「?」と思っていた
そんなアンディにヴィッキーが気が付き
「叔父さまの師匠に会いに行こうかと考えてたの」
「師匠の師匠?」
ちょっとくどい言い方になってしまった
「そう、僕の師匠だよ
大魔法使いだから、会えば得る物もあるよ」
大魔法使い!
凄い!どんな人なんだろ!?
アンディはワクワクしてしまった
♪♫♬ ♬♫♪
アンディとデイヴとヴィッキーは馬車で街の外れまで来ていた
鬱蒼と木々が生い茂った森の入口で馬車を降りると
「ここからは少し歩くぞ」
そう言うと、デイヴは森に向かって歩き出した
何だかいかにも大魔法使いがいそうな雰囲気だ
「デイヴ達もその方に会った事があるの?」
アンディが最後尾を歩きながら聞いた
「数回、お会いしたな
今回はすごい久しぶりだ」
「楽しみだな」
アンディは早く会いたくてたまらない
なんせ大魔法使いなんだから
しばらく森の中を進むと、開けた場所に出た
遠くに屋敷が見える
デイヴはその屋敷に向かって更に進んだ
屋敷の入口では執事だろうか?
初老の男性が立っていた
「デイヴィットさま、ヴィクトリアさま、お久しぶりです」
初老の男性が礼儀正しく挨拶した
「マイク、久しぶり」
「元気にしてた?」
デイヴとヴィッキーが言う
「はい、ありがとうございます
私は相変わらずです」
そう答えると、次はアンディを見つめた
「ようこそおいで下さいました、アンドレアスさま」
「初めまして、アンドレアス・ルウィズ・ホワイトです」
「私は執事のマイクです
お見知りおきを」
マイクはそう挨拶すると、深々と礼をした
体を元に戻すと
「ご主人様がお待ちです
どうぞお入り下さい」
と言ってドアを開けた
マイクは1階の奥の部屋へ案内すると、ドアをノックして開けた
「いらっしゃいました」
そう告げて、デイヴ達を部屋へと招き入れる
部屋に入ると、広い部屋にテーブルと椅子があるだけのシンプルな部屋だ
窓際にシルバーの長いストレートの髪をポニー・テールで結わえた女性が待っていた
「よく来たね」
女性はニッコリ笑って近づいて来た
アンディは大魔法使いと言うから、かなりの高齢で白髪に顎には白く長い髭を蓄え、魔法使いらしくフードを着ていると思っていたのに、目の前にいる女性はフレッドとあまり変わらない年頃で、身体もやや小さい
着ている服は、街で見掛けた年配の女性が着ているような、頭からスッポリと被って着るワンピースだ
女性はデイヴに向かうと
「新聞にデカデカ載ってたね」
と声を掛けた
デイヴはガックリと項垂れて
「見たんですか」
と呟いた
「それより、何ですか?そのお姿は?」
「ん?
初対面の人がいるから、少し若作りしたんだよ」
「少しじゃないですよ」
ヴィッキーが呆れ顔で言う
女性はアンディの向かいに立つ
側で見ると身体の小ささが更にわかった
「私はクラリッサ・アッシュ・フローレンスだ
フレッドの前に魔法使いの長をしていたんだよ」
長い銀色の髪に瞳はエメラルドグリーンだ
とても大魔法使いという感じがしない
「初めまして
アンドレアス・ルウィズ・ホワイトです」
「何もない所だけど、ゆっくりしていきなさい」
「ありがとうございます」
「あっちで冷たい物でも飲もうか」
そう言うとクラリッサは歩き出した
クラリッサの後に続きながら、アンディは
「大魔法使いと言うから、もっとお年を召した方だと思ってたよ」
デイヴにそう言うと
「その考えは間違っていない」
「クラリスさまは若作りなさってるのよ」
ヴィッキーも入ってきた
「こら、若いと言いなさい」
アンディ達の会話を聞き、クラリッサが言った
「アンディに真の姿を見せたら何と言いますかね」
デイヴはニヤニヤ笑っている
「真の姿?」
アンディが聞くと
「クラリスさまは叔父さまの師匠なのよ
叔父さまよりずっとお年を召していらっしゃるわ」
「え?でも…」
とアンディがクラリッサを指差しながら言う
「魔法で若返りをしてるんだ」
「バラすんじゃない」
クラリスはマイクが引いた椅子に座った
アンディ達も他の使用人達が引いた椅子に座る
「実際のお姿ではないとはいう事ですか?」
「そうだよ
君はまだ魔法を学び始めたばかりだからわからないだろうが、魔法は色々な事が出来る」
クラリスは侍女が持って来たコバルトブルーの飲み物を一口飲んだ
「フレッドからも頼まれているからな
しばらく私が魔法を教えるよ」
「ありがとうございます!」
アンディは笑顔でお礼を言った
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