101話 謁見
ホワイト帝国の宮殿ー
謁見の間の玉座に座っているレイモンド皇帝はにこやかに話し始めた
「遠路はるばるよくお越し下さいました、アンドレアス小公子」
「お久しぶりです、レイモンド皇帝陛下
この度はおめでとうございます」
アンディは玉座から数段下でレイモンド皇帝の前にいた
左右にはホワイト帝国の貴族達がずらりと並んでいる
「ありがとうございます
フレデリック大公陛下とスザンナ大公妃はお変わりございませんか?」
「はい、変わらず過しています
大公陛下と大公妃より親書とお祝いの品を預かっていますので、お受け取り下さい」
「ありがとうございます」
「ジェシカ新皇后陛下もお変わりございませんか?」
「変わりませんが、式の準備で大変そうですよ」
レイモンドは苦笑いをした
「ここでは何ですから、あちらでゆっくりと近状をお聞かせ下さい」
レイモンドはそう言うと玉座から立ち上がった
アンディや謁見の間にいる他の貴族達は一斉に頭を垂れた
♪♫♬ ♬♫♪
「堅苦しかったね」
「貴族達が物珍しそうに僕を見るから緊張したよ」
場所を移したレイモンドとアンディはお茶を飲みながらため息をついた
アンディの前にはジェフェリーが座り、その隣にはデイブもいる
「パットは元気?」
アンディはレイモンドの娘・パトリシアの事を聞いた
するとレイモンドの表情がパアッと明るくなった
「最近は音楽を習い始めてね!
特にピアノが好きみたいなんだ
あ、ハープも気に入ってる!
あの子は音楽の才能があるんだよ」
親バカを地で行くレイモンドだ
「可愛い盛りだね
結婚式にも出席するんだろ?」
「そうなんだ、ジェシカのベールガールをする予定だよ!」
「それはいいね
母上も見たかっただろうね」
アンディの母・スザンナは第一皇妃亡き後、レイモンドを育てている
なのでレイモンドの娘のパトリシアを孫のように可愛がっていた
「スザンナ皇后陛下にお会い出来なくて、パットも残念がっていたよ」
レイモンドはうっかりスザンナを皇后陛下と呼んでしまった
まぁ、仕方がない
アンディもホワイト帝国に戻ったら、さんざん皇子と呼ばれたのだから
「ボルジアの第三王女はもう来てるんですか?」
デイブがそう聞くと
「いや、まだだよ
4日後に到着予定になっている」
レイモンドはデレデレの顔から、キリリとした顔に戻った
「何か企んているという前提で、用心しよう
フレッドの話しでは、その予言書はレイモンド皇帝陛下の結婚式までだと言うからね
何か仕掛けて来る可能性は十分あるよ」
ジェフェリーも固い表情になった
「師匠からは何か連絡はありましたか?」
アンディの問いに
「いや、全く」
とジェフェリーは答えた
「いずれ何かしら連絡は来るだろう
フレッドの事だから何か対策はしているだろうけどね」
確かに、とアンディは思った
それにこちらにはティファニーもいる
フレッド程の魔法使いではないにしても、相当な魔法使いである事には間違いない
ポジティブすぎて、少し心配ではあるが…
「とにかく僕達の連携をしっかり取っておこう
レイモンドには大体僕が側にいるけど、急な連絡はデイブやティフに使い魔を出してもらって連絡するから」
「はい、わかりました」
どうしてもジェフェリーとレイモンドは何かに集中すると、以前の関係の言葉使いに戻ってしまう
その事に気付いていない2人をアンディとデイブは2人に気づかれないように笑っていた
♪♫♬ ♬♫♪
アンディがレイモンドに謁見している頃、ヴィッキー達はウイリアムズ家でお茶会の準備をしていたが、今は休憩を取っていた
侍女が温かいお茶とお菓子やケーキを準備してくた
「ホワイト帝国のケーキは美味しいわ
癖になりそう」
ソフィアが口を押さえて驚いている
「そうでしょ?
ライシャワー公国のケーキも美味しいけど、ホワイト帝国のケーキはまた別の美味しさがあるわよね」
「そうね」
ヴィッキーやソフィアの会話をティファニーはにこにこしながら聞いていた
「ヴィッキーはアンディに教えてもらったケーキの美味しいスイーツ店がお気に入りよね〜」
ヴィッキーは留学を終えホワイト帝国に帰ってきて間もない頃に、アンディに街を案内してもらい、その時に教えてもらったスイーツ店がお気に入りだった
「今日、アンディが宮殿からの帰りに買って来てくれるわ
ソフィ、楽しみにしてて!」
「期待しちゃう!
早く食べてみたいわ」
スイーツの話題で盛り上がっていたが、ティファニーが突然
「あら?」
と言ったので、ヴィッキーとソフトは驚いてティファニーを見た
ティファニーはすっと椅子から立ち上がると、右手を伸ばした
するとフレッドの使い魔が壁を擦り抜けて部屋へと入って来た
フレッドの使い魔はふわりとティファニーの腕に留まると、ティファニーをじっと見た
「あら、巻紙じゃないのね」
ティファニーはそう言うと、使い魔を腕に乗せたまま、テーブルから離れ広い場所へと向かう
すると使い魔は軽くふわりと飛ぶとぼん!と煙を出してフレッドへと姿を変えた
「やあ、楽しそうだね」
「伯父さま!どうしたの!?」
ヴィッキーとソフィアは驚いて席を立ってしまった
「そちらの様子はどうかと思ってね
変わりないかい?」
「お兄さまは心配性ね
昨日、到着したばかりよ?」
ティファニーとフレッドはテーブルに向って歩き出した
ティファニーは先程まで自分が座っていた席に戻ると、フレッドはその隣に座った
「ちょっとホワイト帝国に用事もあったんだ
アンディとデイブは?」
「今は宮殿に行ってるわ
レイモンド皇帝へご挨拶に行ってるの」
ヴィッキーも座りながら答えた
「そうか、うーん」
「アンディに用事があるのですか?」
「いや」
「デイブに?」
「違うよ」
聞いたヴィッキーも含めて、ソフィアもティファニーも「?」となった
では誰に用事があったの?
「ジェフも一緒に行ってるんだよね?
じゃあ3人が帰って来たら話そうか」
フレッドはそう言うと立ち上がった
「他に調べる事もあるから出掛けるよ
後でまた来るね」
フレッドがそう言うと再びぼん!と煙が出て、フレッドは使い魔の鳥へと姿を変えると飛び去ってしまった
「忙しい人ね」
ティファニーは少々呆れ気味に呟いた
ご精読、ありがとうございます
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次話もよろしくお願いします!
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