100話 到着
アンディ達は離宮を後にすると、その日の夕方にはホワイト帝国の首都に入った
トンプソン辺境伯一行は首都にある屋敷へと向かい、アンディ達はウイリアムズ大公家へと向かう
アンディはライシャワー公国の貴賓として宮殿に入るべきなのだが、ヴィッキーと婚約しているという事もありウイリアムズ大公家での滞在となっている
「エマ、明後日のお茶会でね
待ってるわ」
ヴィッキーがエマの手をぎゅっと握った
「はい、必ずお伺いします
ヴィッキーもソフィもトンプソンの屋敷に遊びに来て下さいね」
「ええ、必ず行くわ」
令嬢達は別れを惜しんでいる
「トンプソン辺境伯、お世話になりました」
アンディはトンプソン辺境伯にお礼を言った
「楽しい道中でしたな
また帰りも楽しみにしていて下さい」
「はい、是非!」
アンディはニッコリ微笑んだ
「ダニエル、明後日が勝負の日だ
頑張れよ」
デイブがダニエルの肩に手を乗せて鼓舞した
「う、うん
がんば・る・よ」
カチコチ状態でなんとか笑顔を作るダニエルにデイブは反対に心配になってしまった
アンディとデイブとヴィッキーとソフィアは馬車に乗り込み、窓を開けた
「それじゃあね!」
「ありがとう!」
「明後日な!」
「またね!」
4人がそう叫ぶと馬車は進み出した
エマやダニエル、トンプソン辺境伯は馬車を見送ると
「さて、我々も行こうか」
と言って、こちらも屋敷に向うのだった
♪♫♬ ♬♫♪
「魔法陣を使わない移動ってどうなるかと思ったけど、楽しかったわね」
「うん、テント泊も楽しかったよ」
ヴィッキーとアンディは思い出に浸っている
デイブももちろん楽しかったが、今はソフィアを紹介するお茶会が迫って来ているので落ち着かなくなってきた
デイブがこうなのだから、ソフィアはもっと落ち着かない
馬車はリズムよく石畳の道を進んでいる
窓からは宮殿も見えた
明日は宮殿に行き、レイモンド皇帝に挨拶をしなくてはいけない
ライシャワー公国の小公子として初めての公式訪問だ
貴族の中には僕を良く思わない者達もいるだろう
アンディはそう考えると憂鬱になってしまった
しばらく馬車に揺られていたが馬車が一旦止まった
ウイリアムズ大公家の正門に到着したようだ
ロバート団長が正門で警備している騎士と話しをするとすぐに正門は開けられ、馬車は再び動き出した
「着いたわね」
ヴィッキーが窓から外を見ると、見慣れた風景が流れている
敷地が広いため正門から居城まではもう少しかかる
「今日は久しぶりに自分のベットで休めるな」
デイブはうーんと伸びをした
「私、ウイリアムズ家に来るのは始めてよ
緊張するわ」
「今日はもう遅いから、明日屋敷の中を案内するわね」
緊張しているソフィアにヴィッキーが楽しげに話しかけた
ソフィアが「うん」と頷いた時、馬車が止まった
しばらく待っていると馬車のドアが開けられたので、まずデイブが降りた
そして手を差し出してソフィアを馬車から外へとエスコートする
続いてアンディが降り、デイブと同じように手を差し出しヴィッキーをエスコートした
屋敷の入口にはウイリアムズ大公夫妻が出迎えてくれていた
父母に気付いたヴィッキーはティファニーに駆け寄ると抱きついた
「お母さま、ただいま!」
「おかえりなさい、ヴィッキー」
ティファニーはぎゅっとヴィッキーを抱きしめた
「父上、ただいま戻りました」
「うん、ご苦労さま」
ジェフェリーがニッコリと微笑んだ
デイブはソフィアに背中に手を添えて両親の前に誘導した
「ウイリアムズ大公、お久しぶりです
今回はお世話になります」
ソフィアは丁寧に挨拶をすると、ジェフェリーは
「よく来たね
遠くて大変だったろう、ゆっくりしていってね」
と優しく迎えた
「ありがとうございます」
ソフィアはもう一度ペコリとお辞儀をした
そしてティファニーの方を向くと
「ティファニー大公妃、先日はありがとうございました
しばらくお世話になります」
とこちらも丁寧に挨拶した
「いらっしゃい、ソフィアちゃん
将来の自分の家だから、気兼ねせずに寛いでね」
ティファニーらしい挨拶だ
「ジェフェリー大公、お世話になります」
次はアンディが挨拶をした
「アンドレアス様、ようこそ」
ジェフェリーはそう言うとアンディを屋敷の方へと誘った
アンディはジェフェリーの横に並び、屋敷の中へと向かう
「馬車での移動はどうでしたか?」
「とても楽しかったです
帰りも馬車にしようと、デイブ達と話していたんですよ」
「ほう、それは良かった
よほど楽しかったのでしょうね」
「はい」
アンディ達の後ろではティファニー達が話しながら付いて来ている
「ソフィアちゃんのドレスは衣装部屋に運んであるわ
この屋敷の中なら畏まらなくていいから、楽な服でいてちょうだいね」
「はい、ありがとうございます」
皆でお喋りをしながら、屋敷の中へと進んで行った
♪♫♬ ♬♫♪
夕食を取り終えると、明日の話になった
ヴィッキー達女性陣は明後日のお茶会の準備やチェックをしなくてはならない
アンディはレイモンド皇帝へ挨拶をする為に宮殿に行く
ジェフェリーとデイブはアンディと一緒に行く予定だ
「それでは明日も忙しいから、今日はもう休もうか
君たちも長旅だったから、ゆっくり休むんだよ」
ジェフェリーがそう言うと
「はい」
とアンディ達は返事をした
席を立ち、アンディはヴィッキーを送る為に手を取る
デイブもソフィアに手を差し出すと、ソフィアは手を乗せた
広い大公家の一画は双子のデイブとヴィッキーの生活の場となっている
2階は全てヴィッキーに、3階は全てデイブに充てがわれていた
ワンフロアの部屋数も相当あり、その中には客室もある
その為アンディはヴィッキーと同じフロアの客室に、ソフィアはデイブと同じフロアの客室に滞在していた
アンディはヴィッキーを部屋まで送ると
「それじゃ、おやすみ」
と言ってヴィッキーのおでこにキスをした
「おやすみ」
ヴィッキーはニッコリ微笑んで部屋へ入って行った
アンディが滞在している部屋はもう少し奥にある
アンディはお腹もふくれてもう眠くて限界だった
フラフラと部屋にたどり着くと、そのままベットに倒れ込んだ
楽しかった旅も終ってしまった
いよいよ結婚の儀式が近づいている
小公子としての仕事も盛り沢山だ
明日は…明後日は…と考えているうちに、アンディは眠ってしまうのだった
ご精読、ありがとうございます
m(_ _)m
次話もよろしくお願いします!
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