1話 出会い
数多くの作品の中から選んで頂き、ありがとうございます
気に入って頂けると幸いです
それではお楽しみ下さい
今夜は皇帝陛下主催の舞踏会だ
名のある貴族達が続々と会場を訪れ始めていた
ここはホワイト帝国の宮殿だ
今日はこの帝国のジェイムズ皇太子の妃候補達が発表される
妃候補に選ばれた令嬢達は皇太子妃に選ばれる為に、これから後宮で妃教育を受け、ふるい落とされてゆくのだ
皇太子妃は一人だが、落選した令嬢達は皇妃となる
この皇妃にもランク付けがあるので、令嬢達はこれから自分達の待遇が決る戦いに出る
というシナリオのゲームだ
このゲームが大好きで、やり過ぎて、ながらスマホをしたあげく、道を歩いている時に足を踏み外して、土手を転がり落ちて、川に落ちて死んでしまった綾香は何の因果かこのゲームに転生していた
前世の記憶が戻ったのは2年ほど前だ
自分が大好きなゲームの中に入り、大好きな皇太子にアタック出来る!
綾香はすぐさま行動に出た
まずは父親に皇太子妃の選別に参加したいと懇願した
父親は娘を溺愛していたので皇室になど行かせたくはなかったが、結局は娘可愛さに根負けしてしまった
綾香はまずひとつクリアした訳だ
そして今日から本当のゲームが始まる
ライバル達を出し抜き、皇太子妃となるのだ!
もちろんメインテーマはそれだが、このゲームの醍醐味はライバルの令嬢達をコテンパンにやっつける事も楽しいのだ
女同士の陰湿なやり合いで勝ち残る、このざまぁ感!
まさか実体験出来るなんて想像もしていなかった
ゲームではライバルの令嬢はランダムなので、何回もプレイしていた綾香でも、何度も見るキャラもいれば「はじめまして」のキャラもいた
自分が転生したこの世界では、どんな令嬢が現れるんだろ?
何人だろ?
そんな期待感に胸を弾ませていたら
「お嬢様!しっかり立っていて下さいませ!」
と身支度をしてくれてる侍女に怒られた
綾香は伯爵令嬢だ
茶色の髪は長くウェーブしている
瞳は黒だ(元が日本人なのでこれは残念!)
でも肌は白く、スラリとした体型だ
誰が見ても申し分のない、深窓の令嬢だ
アバターは悪くない
ゲームの為か、名前もアヤカ・ロン・デニスだ
まぁいいか
そして間もなく舞踏会が始まるのだ!
♪♫♬ ♬♫♪
舞踏会の会場に入場する令息と令嬢がいた
「デイヴィット・レイ・ウィリアムズ大公子
ヴィクトリア・フィアナ・ウィリアムズ大公女
ご入場されます」
案内がされた
現れた2人に注目が集まる
それもそのはずで、この2人はウィリアムズ大公の双子の子息と令嬢で、最近まで外国へ留学していた為、今日がホワイト帝国での社交界デビューになる
デイヴィットとヴィクトリアは美しい金髪に、瞳は澄んだ湖のような水色をしている
整った顔立ちは他の貴族達を釘付けにするのに十分だった
「どこの社交界も同じね」
ヴィクトリアがうんざりしながら言うと
「そんな顔しない」
とデイヴィットに窘められた
2人は双子だが、どっちが姉どっちが兄とは思っていない
2人の間では同等なのだが、社会的には兄妹となっている
デイヴィットがシャンパンを取ってくれた
「シャンパンは美味しいわ」
「ライシャワー公国に居た方が長いからね
僕はライシャワー公国に帰って、ライシャワーのシャンパンが飲みたいよ」
「そんな顔しないの」
今度はヴィクトリアが窘めた
デイヴィットとヴィクトリアは父と母を見つけた
2人で父達の所へ行く
母のティファニーがニッコリ笑いながら
「すごい注目だったわね
私の方がドキドキしたわ、転ばないかって」
母はライシャワー公国の公女だった
美しい金髪に水色の瞳
デイヴィットとヴィクトリアは母親似だ
ライシャワー公国はとても自由な気風なので、母のティファニーはとても明るい
「転んだら転んだらで、ライシャワーの伯父さまの所に帰るわ」
ライシャワー公国の統治者であるライシャワー大公はティファニーの兄だ
この2人は伯父さんのお宅にご厄介になっていた訳だ
「やっと帰って来てお前達の顔が見れたのに、そんなこと言わないでくれよ」
父であるウィリアムズ大公はこのホワイト帝国の皇帝の弟でもあり、宰相でもある
ウィリアムズ大公も金髪だが、瞳は緑だ
ウィリアムズ大公も大公妃も17歳の子供がいるとは思えない程若々しい上に、美男美女だ
4人でいると、まるで兄弟のようにさえ見える
久しぶりの親子の会話を楽しんでいたら、皇帝陛下の入場が案内された
貴族たちが見つめる中、ホワイト帝国の皇帝陛下と皇后陛下、そして皇太子殿下が入場して来た
「本日は我が帝国の皇太子の妃候補のお披露目だ
妃候補達をここへ」
皇帝がそう言うと、別の扉からきらびやかなドレスを纏った令嬢達が7人、入ってきた
令嬢達は皇帝の前に一列にならぶ
この中にアヤカもいる
「この中より一人が皇太子妃となる
皆、励むように」
皇帝がそう言うと、令嬢達は深々と頭を下げた
ここからはフリータイムだ
令嬢達は早速、皇太子の元へ行く
ウィリアムズ大公は皇帝陛下の側に行き
「皇帝陛下、息子と娘が留学から帰国致しましたのでご挨拶に伺いました」
と2人を連れて来た
デイヴィットとヴィクトリアは皇帝陛下と皇后陛下の前に来ると、深々と挨拶をする
「「皇帝陛下並びに皇后陛下へご挨拶申し上げます」」
さすが双子!息ピッタリ!
とティファニーは心の中で拍手した
「我が甥と姪か、久しいの」
皇帝はにこやかに話しかけた
皇帝はウィリアムズ大公とはあまり似ていない
同腹の兄弟ではあるが、皇帝はウィリアムズ大公よりかなりの年配でもあり、ほぼ白髪で髭も蓄えているし、顔には深いシワもある
瞳だけはやはり兄弟だからか、同じ緑色をしていた
同じ伯父様でもライシャワーの伯父さまは若々しくて気さくで明るい方なのに、ホワイトの伯父様はお年ね
とヴィクトリアは思った
「ジェイムズ」
皇帝が皇太子を呼ぶ
皇太子は妃候補に囲まれていたが、皇帝の元へやって来た
「ウィリアムズ大公のご子息とご息女だ
お前の従兄弟だな」
皇帝がそう紹介すると、ジェイムズ皇太子はジロジロとヴィクトリアを見つめた
あまりにも不躾な目でヴィクトリアを見るので、デイヴィットは不機嫌になった
「皇帝陛下、私にも紹介して頂けませんか?」
皇太子の背後から声がしたので、皇太子はヴィクトリアから後へ視線を変えた
「おお、アンディ」
アンディと呼ばれた男性はデイヴィットとヴィクトリアの前に来ると
「初めてお目に掛かるかと思います
アンドレアス・ルウィズ・ホワイトと申します」
と礼儀正しく挨拶した
とても美しい銀髪の少年だ
瞳は紺色をしていて、その深い色に吸い込まれそうだ
デイヴィットは
「初めまして、アンドレアス第2皇子殿下
デイヴィット・レイ・ウィリアムズと申します」
と挨拶をした
ヴィクトリアも続けて
「ヴィクトリア・フィアナ・ウィリアムズです」
と挨拶した
デイヴィットとヴィクトリアとアンドレアスの出会いだった
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